迫る返済期限

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監修:國弘 泰治
國弘泰治

経歴
MBA・FPオフィスALIVE代表
2011年4月大手流通企業入社するも3か月で退社する
2011年7月実家の酒造会社で販売部門へ入社し、同年9月に店長となる
2014年9月酒造会社を退職し、福岡の投資マンション販売企業に入社し、1年半で退職する。
その後フリーターをしながら、FP資格を取得し、2017年10月にFPオフィスALIVEを開業し、2021年4月に事務所名がMBA・FPオフィスALIVEとなり、現在に至る。

取得資格
MBA(経営学修士:2011年)、2級ファイナンシャルプランニング技能士、AFP(日本FP協会)、日本学生支援機構認定スカラシップアドバイザー

ホームページ
https://fp-office-alive.amebaownd.com/

迫る返済期限

借りたお金なのに自分のお金のような錯覚を起こし、返済日は毎月憂鬱。借金があるのに友人にお金を貸し、その友人には裏切られるという間抜けなオチ。

しかしそれをきっかけに異常な生活から少しずつ脱却していきます。

【作り話でよくある話】は、【現実に起こりうる話】です。自分は大丈夫!と思ってませんか?油断してはいけませんよ。

お金の準備

毎月返済日が近づいてくるとお金の整理をしていたのを覚えています。プロミスに5千円、レイクに7千円・・というように準備するのです。

この時4社から合計160万円キャッシングしていて、毎月の返済は1社あたり5千円~8千円でした。

合計3万円弱返済していた記憶があります。返済日はそれぞれ月末から月初にかけて。私は銀行引き落としではなく、無人機へ入金へ行っていました。

【借りたお金】なんだから返すのは当然なんですが、一度自分の財布に入ると【自分のお金】という錯覚を起こし、返済するのがすごくバカらしく思えて、『今月くらい返さなくてもいいかな』なんて馬鹿なことを思ったこともありました。

私は相当なバカですが、さすがに返済が遅れるのはヤバイだろうと思ったので実行に移すことはありませんでした。しかしそれくらい毎月返済日になるとお金を準備するのが憂鬱だったんです。

友人へお金を貸す

A子とB子のお金事情について聞くことを躊躇していましたが、ある日B子に【お金を貸してほしい】と頼まれたことで、二人のお金事情が分かってきました。

実際には160万円の借金があるので答えはもちろん【NO】。

私に【お金を貸す】余裕なんてありません。しかし、お金が必要な理由を聞くと【お母さんが病気になった】とのこと。

いかにも・・・な理由だったので鵜呑みにはできませんでしたが、せっかくできた友人だし5万円貸すことにしました。もちろんそのお金はキャッシングして用意したお金です。

A子も同様にB子へ5万円貸していました。そこで、B子に毎月の返済計画をたずねたところ、【実は250万円の借金がある】ということが分かりました。

自分もウソをついて少なく言っていたので、B子もウソをついているだろうなと思ってはいましたが、250万円は大金です。借金の理由は前の記事でも書いたように買い物依存でできた借金。

それからギャンブルで作った借金とのこと。なんとB子は以前ギャンブルをしていたのです。B子の告白をきっかけに私も正直な金額を打ち明けました。A子も実際は100万円の借金があることが分かり、これでみんなウソをついていたことが分かりました。

普通なら相手にウソをつかれたことで信頼が失われていきますが、3人が3人ともウソをついていたことで逆に親近感が湧き、より関係が深まっていきました。

今思うとアホな3人だったと思います。ちなみに月々の返済金額は5000円。友人なので無利子でOKとしました。

キャッシングして貸しているお金なので、自分はせっせと利息を支払っているのに友人には無利子・・・バカな話ですよね。

友人の裏切り

B子からの返済は毎月5000円きっちり支払われていました。しかし数か月経った頃、またお金を貸してほしいと頼ってきました。

これまで遅れることなく返済してくれていたので貸したい気持ちはありましたが、私も借りたお金だったので二つ返事でOKはできませんでした。

でも協力したい気持ちがあったので、A子と相談しB子が持っているブランド物(中古なので大した値はつきません)を担保として二人でそれぞれ5万円ずつ貸すことに。

もちろん二人ともキャッシングをして作ったお金です。しかしこの5万円を貸してすぐにB子は姿を消しました。私とA子を裏切ったのです。

この記事を読んでいる方は【想像通りの展開】と思っていると思います。【なんで裏切られるって思わなかったの?】とか、【簡単に人を信用したらダメでしょ】と、よく聞く話ですが、まさか自分の身にふりかかると思いませんでした。

だって信用してる友達だから。B子が姿を消してしばらくしてからも、私とA子はまだどこかで信じていました。

しかし、携帯は解約されていて、家に行っても人がいる気配が無く、【裏切られた】ということを少しずつ実感していきました

よく考えればそこまで信用できる相手ではないのは明白ですが、この頃の私にとって二人が唯一の友人と言っても過言ではなく、裏切られたことへの怒りよりも悲しみのが大きかったです。

この事は、とても辛く悲しかったけど、当時の無知な私にはいい勉強になった出来事だったと思います。この記事を読んでいる方は【自分はそんなことしない】【こいつバカじゃねーの?】と色々思うと思いますが、信用している人からお願いされて、絶対に断る自信はありますか?

当時の私には【なんとか助けたい】という気持ちが強く、断ることができませんでした。お人よしですよね。返してほしいなら絶対に貸してはいけないと思います。

貸すお金は【返ってこなくてもいい】と思える金額にしましょう。

異常な生活からの脱却

B子が姿を消し、元気がなかった私とA子ですが、返済日は待ってくれません。

しばらくは店に出勤するのも億劫になってましたが、稼がないとお金がありません。

出勤はしていましたがB子がいなくなってから自然とA子といる時間も少なくなっていきました。仲が悪くなったわけではありません。

いつも3人一緒だったからか、A子と一緒にいるとB子のことを思い出して辛かったから私から距離を取り出したのだと思います。

私はA子とB子につられて身の丈に合わない生活を送っていましたが、二人と離れるとお金をあまり使わなくなっていきました。

エステやネイルは好きで通っていましたが、服飾費に20万円~30万円も使う異常な生活から脱却していったのを覚えています。いかに自分が流されやすい性格なのかと思いました。

二人のおかげでギャンブルからは卒業していたので、これからは地道に働いて完済をめざそう!と、心に決め、休学していた学校に復帰しました。

復帰したもののお金は稼がないといけないのでキャバクラでのバイト生活はしばらく続きましたが、卒業後お店を辞め、夜の世界から抜け出しました。

なんとか環境を変えたかったからです。環境を変えたからといって借金がなくなるわけではありませんが、【今のままではいけない】と強く思ったことを覚えています。これをきっかけに完済に向けどんどん返済していきました。