カードローンと銀行フリーローンとの違い;審査などはどう違う?
カードローンはいつでもどこでも使える
私たちの現代社会では、常にリスクへの対応やチャンスを確実につかむために、いつでも用意できる資金が必要になっています。
そのような時に心強い味方になってくれるのがカードローンです。
街角のコンビニなどに入れば提携ATMが置かれており、いつでもどこでもローンカードさえあればすぐに資金を用意することができます。
まさに現代社会で生きていくためにピッタリのカードローンなのです。
カードローンを賢く使う
カードローンは、住宅ローンや企業融資などに比べますと、昔よりも低くなったとは言え、かなり高い金利と言えます。
住宅ローンなどは、現代の超低金利時代には、1〜2%と非常に低い金利で借りることができます。
しかし、カードローンの場合は、大手消費者金融会社では17〜18%程度、銀行系でも14.5%前後のところが多くなっているのです。
従って、やはり長期間高額の借入を高い利息と返済などの手数料で支払いますと、かなりの負担になってしまいます。
そのために、借入残高を増やさず、早め多めに返済を心掛け、金融機関の信頼を高めて、利用可能額を高くするとともに、金利を引き下げていく、賢い使い方が必要になるのです。
それによって、利用可能額が広がり、金利が下げることによって、リスクが顕在化したり、チャンスが到来した時に対応できる金額が大きくなり、その利息負担も低くできるのです。
銀行系カードローンも通れば便利
カードローンは大手消費者金融会社が知られていますが、最近では銀行なども積極的に発行しており、地方銀行、信用金庫などでもさまざまな利用層に応じたカードが発行されています。
銀行では、自行の優良顧客に教育、車購入、改築などの目的ローンを都度の契約書によるフリーローンと呼ばれる形式で販売していました。
しかし、最近では、自行以外の方にも申し込めるカードローンを販売することに力を入れ始めているのです。
社会が多様化し、さまざまな資金の必要な機会が生じるようになっているために、資金使途を限定した目的ローン(フリーローン)では対応できなくなってきたからです。
従って、銀行系カードローンは、審査に通れば、ATMで便利に引き出しができますし、返済も自由度が高く、利便性の高いカードなのです。
従って、審査が厳しくなければ、もっと普及していたはずですが、現実的には成約率は大手消費者金融会社に比べますとかなり低く、利用者は限られているのが現実です。
それでも、フリーローンに比べますと利用は多くなっています。
銀行の個人融資はカードローンだけ?
従って、最近では銀行の個人融資はカードローンだけと思っている方も多いのですが、ほぼどの銀行も今でも目的ローンとしてのフリーローンは従来通り融資しています。
銀行のフリーローンとは
銀行のこのフリーローンについてもう少し詳しく見てみることにします。
銀行フリーローンは目的ローンが多い
銀行のフリーローンは、もちろん使途自由の場合もありますが、ほとんどは資金使途を限定された目的ローンとなっています。
これは、バブル以前までの自行の優良顧客の資金需要は、たいていが教育目的や車の購入などに限られていたためです。
もともと、日本人はお金を借りることに対してはあまり良いイメージを持っていませんでした。
お金を借りることに対しても良いイメージを持っていませんし、銀行も積極的に個人に融資しようとはせず、また借金があることが他人に知られることは恥とされていたのです。
この傾向は現在でも残っており、カードローンなどの審査で会社に在籍確認が入ることを気にされる方も多いのです。
その意味で、銀行ではフリーローンを販売していましたが、借りる方はそれほど多くなかったと言えます。
銀行フリーローンはカードローンとどう違う
しかし、銀行を取り巻く環境は大きく変わりました。
バブル崩壊によって、銀行は大量の不良債権を抱え、その処理のために業界全体で統廃合が進み、生き残るためにフリーローンではなく、カードローン分野に進出する必要が生じたのです。
バブル崩壊は、日本経済を長期の経済停滞に陥らせ、企業は財務安全性を重視して銀行借入を抑えるようになり、銀行は低利で資金は入ってきてもその資金を運用する先を失ったのです。
個人も、昔からの終身雇用制、年功序列制度が崩壊し、自己責任で自分の身を守ることが必要になり、借入も恥と言っていられなくなりました。
従って、銀行にとって、企業融資よりも高い金利の確保のできるカードローン事業は、従来の資金使途が限られ、追加融資もできないフリーローンよりも需要は多く、銀行業界にとっては生き残りの切り札になったのです。
でも、フリーローンも個人融資向けの商品としての立場は維持しており、銀行の優良顧客をつなぎとめる商品として依然として残っています。
銀行フリーローンは極度額契約にはならない
銀行のフリーローンは、銀行系カードローンが極度額契約で利用可能額の範囲であれば何度でもお金を引き出しできるのに対して、証書による固定金額の融資で、追加の融資はでません。
資金が追加で必要になった時には、改めて審査を受け、契約書を交わす必要があるのです。
資金の返済もカードローンのように、全額一括返済や部分繰上げ返済もできず、口座から毎月一定額が引き落とされる形です。
キャッシュカード一体型のカードローンであれば、口座にお金が入っていなければ借越の形で返済は可能ですが、フリーローンの場合は口座の預金量がなくなれば、資金を追加しなければ延滞になってしまいます。
従って、定期的に借入が減っていき、追加借入もできないため、普段から安易に借り過ぎてしまう方の場合には、余計に借り過ぎてしまわないだけに良い商品と言えます。
銀行フリーローンは金利が低い場合が多い
銀行のフリーローンは、カードローンに比べますと金利は低くなっている場合が多くなっています。
カードローンの場合は金利の幅は大きく、2〜3%の最低金利から14%台の上限金利まで広い幅になっています。
銀行の超優良顧客で貸金業法の総量規制を上回るカードローンの場合には下限金利に近いところになりますが、通常の保証会社の保証を初めて受ける場合には、上限金利に近いところでの融資になります。
それに比べますと、フリーローンの場合は、10%を切る商品がほとんどであり、カードローンに比べますと金利は低くなっているのです。
すでに自行に口座を持ち、給与振込などや公共料金の自動引き落としなどもされており、普段の資金の出し入れが把握できるために信用度が高いため、貸倒の可能性が低いためと言えます。
銀行系カードローンはフリーローンよりも使い易い
すでに述べましたように、フリーローンの場合には借入形態も返済形態も固定的になっているために、資金の自由度は非常に少ないと言えます。
カードローンの場合には、利用可能額の範囲であれば何度でもお金を引き出すことができますし、遅れなく返済していますと、金利が低下していくこともあります。
返済も自由に行なうことができるため、やはりフリーローンよりもカードローンを申し込む方が多いのです。
しかも、カードローンの場合には、ネットなどで申し込み、完結させることも可能な場合が多く、フリーローンに比べて人気が高いのです。
銀行フリーローンはカードローンよりも使い過ぎない
但し、カードローンの場合には、普段から何気なくお金を引き出してしまう方の場合には、借入残高がいつの間にか利用可能額まで達してしまう場合もあり得ます。
そのような方の場合にはやはりフリーローンがおすすめになります。
銀行フリーローンの審査は利用者には厳しい?
銀行のフリーローンの審査は、カードローンに比べますと、時間がかかり、厳しいと思っている方も多いようです。
基本的には自行に口座を持ち、メインバンクとして利用している方が対象になっているため、急に口座を開いて申し込んだ場合には、やはり審査に通るのは難しいと言えます。
そのような場合に比べれば、カードローンの場合には、自行に口座を作らなくても申し込むことができます。
金融事故を起こしたり、過大な借入がなければ、保証会社審査になるため、銀行自身の審査となるフリーローンの場合に比べますと通りやすいのです。
但し、普段からメインバンクとして自行を利用している方の場合には、フリーローンでは担保や連帯保証人があれば、意外と簡単に融資を受けられます。
銀行フリーローンは通れば高額融資を受けられることも
但し、銀行のフリーローンの場合には、銀行の優良顧客の場合、多くの不動産資産を持っていたり、上場企業の役職者で毎月高い給与が振り込まれている方には、ほとんど審査もなく、融資を受けられます。
これは、フリーローンに限らず、カードローンの場合でも、無審査に近い形で高額のカードが受けられるのです。
銀行フリーローンは自由度が低い
銀行フリーローンの特徴はやはり、目的ローンであり、資金使途が限定されるため、自由度が低いことです。
また,返済においても 毎月の定期返済のみになるため、ボーナスなどでの一括返済や部分繰上げ返済はできません。
このように借入、返済両面における自由度の低さがあるため、従来からフリーローンに対する需要は少なく、しかもカードローンが普及したことで需要はますます少なくなっているのが現状です。
銀行フリーローンには担保付き、連帯保証人付き商品もある
銀行フリーローンの場合には、カードローンのように無担保無保証人ではなく、担保付きや連帯保証人がいる商品もたくさんあります。
これまであまり銀行との付き合いがない場合には、担保をつけたり、保証人をつけることでフリーローンを受けることができます。
特に、金額が大きくなる場合にはその傾向は強いと言えるのです。
フリーローンの場合には、保証会社の保証がつかない場合も多いため、それに代わる担保や保証人を要求されます。
銀行の場合には、一般の方からの預金が資金の背景になっているだけに、国の金融政策上でもより手固い運用が求められますので、何らかの資金回収手段がないと融資はできないのです。
銀行の個人融資はフリーローンから始まった
いずれにしても、銀行の個人融資は、もともとフリーローンから始まっており、カードローンも基本的には回収手段として保証会社の保証を基本にしているのです。
従って、フリーローンもカードローンも、件数が少ないこともありますが、借りる方の返済力審査という発想は低く、金融面の信用力審査や口座の利用状況調査が中心の甘い審査になっているのです。
銀行フリーローンでは保証会社はほとんどが子会社などの保証会社
銀行のフリーローンの場合には、カードローンのように外部の大手消費者金融会社やクレジットカード会社の保証会社を使うことはなく、保証会社がないか、あっても子会社の保証会社になっています。
それは、基本的には自行の優良顧客を対象にしているため、資産状況や預金状況、資産所有状況がすでにわかっており、貸倒れリスクの少ない方が対象となっているためです。
また、担保付きや連帯保証人付きの場合には保証会社そのものが必要ないと言えます。
担保付きや連帯保証人付きの場合には、融資決定までは手続きに時間がかかり、慎重審査と言われていますが、本来は極めて甘い審査になっているのです。
銀行はカードローンもフリーローンも貸金業法の規制はかからない
銀行のフリーローンも、カードローンも、貸金業法の対象者規制や総量規制の対象からは外れています。
そのために、自由な貸付ができると思われがちですが、カードローンの場合には、保証会社が貸金業法の対象になるため、通常は貸金業法の範囲内での融資しかできないのです。
銀行の超優良顧客の場合には、自行の子会社の保証会社の保証によって総量規制や対象者規制外の融資をしています。
それに比べますと、フリーローンの場合には、現在の貸金業法よりも前から保証会社のない融資をしているため、ほとんどは貸金業法を意識しない融資になっているのです。
そのために超優良顧客などの場合には、高額のフリーローンもあるのです。
銀行フリーローンの審査
では、銀行のフリーローン審査はどのように行われているのかについて見てみることにします。
銀行は個人融資のノウハウがない
もともと、銀行は明治時代に銀行ができて以来、基本的には担保をとった企業融資を行ってきました。個人の方を対象とした融資はほとんど行われていなかったのです。
フリーローンが始まってもほとんどは担保付きか連帯保証人付きの融資になっており、無担保無保証人の融資は行なっていません。
そのために、個人の方の返済能力についての審査は、金融面の信用情報と資産所有情報が中心の甘い審査になっていたので、実質的な返済能力判定のための審査ノウハウはないと言えるのです。
銀行に個人融資審査ノウハウのない理由
そのような審査ノウハウ、のない状態でもフリーローンを販売できたのは、企業融資と同様に、担保処分による資金回収や保証人からの回収が可能だったからです。
銀行は担保不動産の評価技法には詳しく、不動産処分のノウハウもあったことから、担保がある場合には、フリーローンもでも回収についての不安はありませんでした。
本来の個人融資審査のノウハウである返済能力を測るノウハウがなくてもフリーローンに進出できたのです。
担保主義と個人融資審査の異質さ
個人融資には本来は返済能力を測定ができなければ、利用者は融資により返済不能に陥り、結果としては一番大事な自宅の住居を手放さなければならなくなります。
返済が滞った場合に無理に住居になる担保物件を売却しようとしてトラブルになる例も多いのです。
その意味で、銀行などが従来行ってきた担保主義に基づくフリーローンなどの個人融資についても、本来は返済能力についても行われるべきだったのです。
しかし、現在でも銀行はその審査ノウハウを確保できていません。
銀行は審査ノウハウのないので慎重審査だが甘い審査
従って、銀行のフリーローン審査は、基本的にはノウハウがないだけに慎重審査と言って時間はかけていますが、基本的には個人の返済能力判定審査については非常に甘い審査になっていると言えるのです。
銀行フリーローン審査は金融面の信用情報には厳しい
銀行は、返済能力判定の審査ノウハウは乏しいですが、金融面の信用情報についての審査は非常に厳しくなっています。
すなわち、銀行では銀行業界の信用情報機関であるKSCの個人信用情報がとれますし、また、ほとんどの銀行が消費者金融業界の信用情報機関JICCにも加盟していることから、銀行以外の個人信用情報も確認ができるのです。
また、銀行はKSCから銀行が行っているクレジットカードの延滞情報を確認できます。
自行でクレジットカードを発行している場合には、CICに加盟しますので、全てのクレジットカード延滞情報も掴むことができるのです。
さらにKSCには、自己破産や個人再生法による申請情報も含まれ、しかも、JICCやCICの5年ではなく、10年間その情報が見ることができるのです。
従って、自己破産や民事個人再生を申請した場合には、銀行では10年間は融資を受けることはできなくなっているのです。
このように、銀行ではさまざまな個人信用情報、すなわち、延滞情報や金融事故情報が見ることができますので、どこかで返済遅れが発生している場合には、審査には通ることができません。
この点で、銀行は消費者金融会社やクレジットカード会社よりも厳しくなっています。
銀行フリーローン審査はカードローン審査より厳しいと言われる
銀行のフリーローン審査は、一般にカードローン審査よりも厳しいと言われている場合が多いようです。
その要因としては、担保や保証人が必要な場合があり、その手続きが必要なため、より時間がかかるということがあります。
また、最近、口座を開いたと言う場合には、保証会社が付いていないだけに、より慎重に審査する必要があるからです。
カードローン審査の場合には、保証会社が保証するだけに、銀行自身の慎重審査よりも成約率は高いのです。
従って、銀行に普段から口座があり、メイン銀行として使っている場合には、フリーローン審査は時間がかかるものの、審査そのものは通りやすくなっています。
しかし、銀行との付き合いが希薄な方や最近口座を作ったと言う場合には、フリーローン審査はカードローン審査よりも厳しくなっているのです。
銀行系カードローンの審査
では、銀行系カードローン審査はどのように行われているのでしょうか。
基本的には、銀行では信用情報調査や住居状況、在籍確認調査などを行って、結果が良くない場合には断りになりますが、それ以外の方は、基本的には保証会社に審査を委託します。
そして、保証会社の審査に通った方にカードローンを発行するのです。
そのために、時間がかかり、両方の審査になりますので、成約率も低くなるのです。
但し、カードローン審査が通りにくいと言っても、初めての場合のフリーローン審査よりは通りやすくなっています。
銀行系カードローン審査の通らない理由
銀行系カードローン審査が通りにくい理由としては、やはり銀行自身の住居や信用情報で審査に通らない方がいる上に、保証会社が通らない方までいることが原因と言えます。
特に、保証会社でも大手消費者金融会社であれば、2人に1人は審査に通りますが、クレジットカード会社が保証会社になっている場合には、成約率はかなり低くなります。
銀行系カードローンの審査は保証会社頼みで収益確保
銀行系カードローンの審査は、銀行にとっては非常に美味しい利益の果実になっています。
すなわち、銀行のカードローン顧客が延滞を起こした場合には、1ヵ月経過しますと、保証会社にその融資と延滞利息分を買い取ってもらえるのです。
銀行は取り立ても保証会社に任せて、自分ではしなくても済むのです。
従って、銀行には貸倒費用は発生せずに、利息だけが入ってくることになります。
しかも、企業融資やフリーローンに比べますと、金利は保証会社の保証料を除いても10%前後残りますので、非常に利益率も高いと言えるのです。
なぜ銀行系カードローン審査はフリーローンより通りやすい?
銀行系カードローンの場合には、銀行の超優良顧客の場合には、自行の子会社の保証会社が保証するため、リスクは負う形になります。
それ以外は、保証会社の保証によって丸儲けになるため、保証会社の審査に通れば、損をせずにカードを発行することができるのです。
しかし、フリーローン審査の場合には、担保付きや保証人付き以外については自行で貸倒リスクも回収コストも負担することになります。
しかも金利も自行の優良顧客が対象となるため低くなります。
そのために、自行の優良顧客以外については、非常に慎重に審査をして、断る理由を探す減点主義審査になるため、保証会社の付いているカードローンよりも通りにくくなっているのです。
銀行と大手消費者金融会社のカードローン審査の違い
銀行の中でも、カードローン審査は、保証会社が入ることにより、初めて申込むフリーローンよりは審査に通る確率は高くなっています。
しかし、大手消費者金融会社のカードローン審査に比べますと、銀行カードローンでも審査に通る確率はかなり低くなっています。
銀行系カードローンと大手消費者金融会社カードローンの違い
銀行系カードローンの場合は、審査に通るのは4~5人に1人程度ですが、大手消費者金融会社の場合には2人に1人は通ります。
しかも、大手消費者金融会社のカードローン審査は、自動契約機にいけば、30分から1時間でカード発行まで可能です。申込み当日の即日キャッシングも可能です。
しかし、銀行系カードローンの場合は、審査に数日、カード発行まで1週間近くかかる場合もあります。
金利は、銀行系カードローンの場合には14%台に対して大手消費者金融会社は17%台と3%ほど低くなっています。
しかし、銀行の場合には、自行以外での返済などでは手数料がかかる場合もあり、しかも、銀行のATMは時間が制限され、コンビニの提携ATMでも銀行のATMの稼働時間に限られる場合が多いのです。
すなわち、銀行系カードローンは、金利は多少低いですが、大手消費者金融会社のカードに比べますと、サービス面ではかなり劣るのです。
銀行系カードローンと大手消費者金融会社の審査は違う
銀行系カードローン審査は、金融面での個人信用情報を除けば、保証会社の審査に依存しているのに対して、大手消費者金融会社のカード審査は自社で開発したスコアリングシステムによる機械審査になっています。
このスコアリングシステムの精度が高く、信頼性が高いことにより、大手消費者金融会社は集中センターでオペレーターによる審査を可能にし、低コストの多店舗展開を可能にして、顧客サービスに資金を投下しています。
一方、銀行系カードローン審査は大手消費者金融会社やクレジットカード会社の保証会社に依存しているため、ノウハウ開発ができず、将来的にも現在のカードローン事業から発展することは難しい状況にあるのです。
スコアリングシステムとは
スコアリングシステムは、大手消費者金融会社が過去に蓄積してきた1千万件を超える融資・返済データと利用者の属性情報を組み合わせて、膨大なパターンごとの返済事故確率を算出して組まれたものです。
パターンごとに事故確率がスコア(得点)化されて、そのスコアによって融資可否、利用限度額、金利などが決められるのです。
すなわち、申し込まれた方の金融事故確率という返済能力判定を高度な統計的な手法で判別する審査基準であり、現在のカードローン審査においては一番水準の高い審査ノウハウと言えます。
銀行系カードローン審査を担う大手消費者金融会社の保証
大手消費者金融会社は、この審査ノウハウを生かして銀行系カードローンの保証審査を行っており、銀行はそれに依存してしまっています。
銀行としては、フリーローンよりはかなり申込みも多く、利益も確保できますが、全て依存してしまっているだけに、現在以上に伸ばすことは難しいと言えるでしょう。
特に、今後は過払い金返還金額が大幅に減ってくることから、大手消費者金融会社が融資に積極的になってくることが予想されるだけに、銀行のカードローンは影響を受けることになるでしょう。
まとめ
銀行のカードローンとフリーローンの商品特性や審査の違いなどを中心にご説明しました。銀行の個人向け融資はフリーローンから始まりましたが、融資も返済も固定した使いにくい融資でした。
そのため、バブル崩壊後に銀行の採算が問題になり、その改善のために個人融資分野を伸ばす必要になった時、フリーローンよりもカードローンが主力となったのです。
カードローンの場合には、いつでもどこでも使えることから申込みは増えたのです。
しかし、銀行はフリーローンにおいて審査ノウハウはなく、担保付きや連帯保証人付きの商品を主力とせざるを得ず、個人の方の返済能力判定としての審査基準を確立することはできませんでした。
そのため、カードローン分野への進出は、審査ノウハウがないため、保証会社の保証に依存せざるを得なくなったのです。
現在でも、銀行のカードローン審査は保証会社に依存しており、自身のノウハウで業績を拡大することは難しいそうです。