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カード会社の審査基準をわかりやすく解説

「これってどうなの?」と思ってしまうクレカ審査基準の深い部分について、業界人の私がカード会社審査特徴を踏まえて、徹底解説。この記事を読めば、「原因不明でクレカ審査に通らなかった!」というアクシデントの殆どが解消できるのは間違いありません。

監修:生島 竜一
生島竜一

一般社団法人クレジットカードアドバイザー協会なんば校講師
ダイナース、アメックス、VISAなどプラチナカードを複数枚保有。ANAの飛行機ダイヤモンド会員で、年間獲得マイル数は50万マイル越える。

クレジットカードの審査基準とは?

クレカを申し込みたいが、審査の基準を知りたい…。

クレジットカードに申し込みたいけど審査基準がわからなくて不安、という方や、クレジットカードの審査に落ちたけどなぜ落ちたのかわからない、という方は多いと思います。

ここでは、クレジットカードの審査がどのような基準で、どのようにして行われているのかについて解説します。

さらに、クレジットカードの審査に通りやすくなるコツもご紹介するので、クレジットカードの審査に不安がある方はぜひ参考にしてみてください。

クレジットカードの審査は信用情報のチェックとスコアリング

クレジットカードの審査では、信用情報のチェックとスコアリングが重要なポイントになります。カード会社ではどちらの審査もコンピュータによる自動審査が導入されています。

クレジットカードに申し込むと、まず機械的に信用情報とスコアリングの審査が行われ、そこで審査落ちだと判断された場合は即審査落ちになります。ここでコンピュータがカードの発行可否を判断できない場合は人の手による審査の工程にまわることになります。

では、信用情報のチェックとスコアリングとは具体的にはどのような審査なのでしょうか?

信用情報とは?

クレジットカード、ローンを利用した履歴を「クレヒス」と呼ぶ。

信用情報とは、消費者のクレジットカードやローンの利用履歴のことで、クレジットヒストリー(クレヒス)とも呼ばれます。

私たちがクレジットカードやローンに申し込んだり、契約を行ったりすると、契約の情報や利用・返済の状況などがカード会社や銀行などの金融機関から信用情報機関に登録されます。

そのため、信用情報機関には膨大な量の信用情報が集まっています。

カード会社では、信用情報機関に登録されている信用情報を使って審査を行います。

審査の際に申込者の過去の信用情報を信用情報機関から提供を受けて、この申込者は過去に契約したクレジットカードやローンの支払いを期日通りにきちんとできているのか、といった金融商品の利用履歴を調べます。

ブラックとはどのような状態なのか?

ブラック状態とは?

「金融ブラックリストに載る」あるいは「ブラック」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、「ブラックリストに載る」、いわゆるブラックという状態とは具体的にどのような状況を指すのでしょうか?

ブラックとは、信用情報機関にクレジットカードやローンなどの支払いを延滞した情報や、自己破産などの債務整理情報といった金融事故情報が登録されている状態のことをいいます。

カード会社では、申込者が信用情報機関に金融事故情報が載っているブラックの場合、「この人はカードを発行しても期日までに利用代金を支払えないのではないか」と考えて審査に落とすのです。

カード会社はカード利用代金の回収ができなければ損をしてしまうので、このような判断をするのは当然です。

こうしたことから、ブラックになるとクレジットカードやローンの審査に通らなくなるのです。

スコアリング審査とは?

クレジットカードの審査で重要なポイントの2つ目は、スコアリング審査です。スコアリングという言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、具体的にどのような仕組みかご存知でしょうか?

スコアリングの仕組みをきちんと理解しておくことが、クレジットカードの審査に通りやすくなることにつながります。

スコアリングの仕組みとは?

申込内容を元に点数化し、自動審査することを「スコアリング審査」と呼ぶ。

スコアリング審査とは、申し込みの際に申告した内容(年収や勤務先の情報など)を点数化し、その点数によって機械的にカードの発行可否を判断する方法です。

例えば年収であれば高ければ高いほど点数が高くなるため、審査に通りやすくなります。

スコアリングはコンピュータによる自動審査が行われ、それぞれのカード会社が定めるカードを発行できる最低スコアを上回らなければ、審査に落ちてしまうのです。

このようなスコアリングの仕組みを考えると、点数を少しでも稼ぐためには申し込みのときには任意項目も含めて全ての項目を申告することをおすすめします。

例えば、申し込みのときに預貯金額という任意項目がある場合、空欄のまま申し込むと点数は0点です。しかし、たとえ10万円でも申告しておけば何点かプラスされる可能性があります。

申し込みのときは、スコアリングの点数を伸ばすために、自信がない項目でも必ず申告しておきましょう。

スコアリング審査で重要な項目とは?

スコアリング審査で使われる具体的な項目についてみておきましょう。スコアリングの基準はカード会社によって異なりますが、どのカード会社でも重要な項目として扱われるのが年収、職業、勤務先関連、借り入れの項目です。

  • 年収…高いほど得点が高くなります。
  • 職業…公務員や会社員は得点が高く、自営業やパート・アルバイトは得点が低くなります。
  • 勤続年数…長いほど得点が高くなり、短いほど低くなります。1年未満の場合は特に低い評価を受けます。
  • 会社規模…大きいほど得点が高くなります。会社の規模は従業員数や資本金、創業年数などで評価されます。
  • 借入件数…少ないほど得点が高くなり、多いほど低くなります。3~4件以上の場合は審査に落ちる可能性が高くなります。
  • 借入金額…少ないほど得点が高くなり、多いほど低くなります。年収の3分の1以上の借り入れがある場合は特に審査に落ちる可能性が高いです。

クレジットカードの審査難易度とは?

クレカを発行している会社、カードのランクにより審査難易度が違う。

クレジットカードは、カードを発行している会社やカードのランクによって審査の難易度が異なります。

クレジットカード会社には、大きく分けて銀行系・信販系・流通系・消費者金融系の4種類があります。

三井住友カードやJCBカードなどの銀行系カード会社は最も難易度が高く、次いでジャックスカードやオリコカードなどの信販系カード会社の審査難易度が高いです。

イオンカードやマルイカードなどの流通系カードは難易度がやや低く、最も難易度が低いのがアコムACマスターカードといった消費者金融系カードです。

また、同じカード会社が発行していてもカードのランクによって審査難易度が変わります。最も審査難易度が低いのが、一般カードと呼ばれる最もスタンダードなカードや若者向けのクレジットカードです。

一般カードのワンランク上のカードはゴールドカードで、難易度はやや上がります。さらにワンランク上のカードとしてプラチナカード、最上級のカードとしてブラックカードを発行しているカード会社もあります。

クレジットカードに申し込む前に、まずはインターネットの口コミなどを見てそのカードの審査難易度がどれくらいなのかを調べておくことをおすすめします。

クレジットカードの審査に通りやすくするにはどうすればいい?

クレジットカードの審査の基準について解説してきましたが、審査基準を知っていても審査に通らなければ意味がありません。ここからは、クレジットカードの審査に通るかどうか不安だという方のために、審査に通りやすくする方法について解説します。

クレヒスを磨くことが最も重要

審査通過をするために、信用情報を磨くことが大事。

クレジットカードの審査に通るために最も重要なことは、ここまででも何度も触れてきたクレヒス(信用情報)を磨いておくことです。

クレヒスを磨くとは、審査に通りやすいような良いクレヒスを事前に作っておくということです。では良いクレヒスを作るためには具体的にはどうすればいいのでしょうか。

それは、すでに持っているクレジットカードを頻繁に使い、利用代金を期日までにきちんと支払うことをひたすら繰り返すことです。

そうすることで、カード会社に「自分は借りたお金を期日までに返すことのできる人間だ」ということを示すことができる良いクレヒスが作られるのです。

もしクレジットカードを持っていないという方は審査難易度の低いカードを1枚作って、クレヒスを磨いてから本当に作りたいカードに申し込むことで審査に通る可能性がぐっと上がります。

しかし、難易度の低いクレジットカードの審査にも通ることができないという場合もあると思います。そのようなときは、携帯電話の端末代金の分割払いから始めましょう。

携帯電話の端末代金を分割払いにすると、毎月の携帯利用代金の支払い情報が信用情報機関に登録されます。毎月携帯利用料金をきちんと支払うことで、良いクレヒスが作られるのです。

このようにしてしばらく携帯電話の料金でクレヒスを磨いた後クレジットカードに申し込むと、審査に通る可能性が高くなります。

申し込み内容に誤りや虚偽がないようにする

申込に誤りがあると審査通過は難しい。

とても基本的なことですが、申し込み内容に誤りや虚偽がないようにするとクレジットカードの審査に通過する可能性が高くなります。

申し込み内容に誤りや虚偽があったり記入漏れがあったりする場合、カード会社では正しい情報がわかるまで審査を進めることができなくなってしまいます。

カード会社が正しい情報を調べるためには、申込者本人に電話や書面で連絡し、正しい情報を聞く必要があります。

そのため、カード会社からの確認の電話になかなか出られない場合や書面の返信が遅れた場合はその分カードの発行が遅れることになります。

何度も電話に出られない場合や書面を長期間返信しない場合は、審査に落ちてしまう可能性もあります。

さらに、虚偽の内容で申し込んだ場合、悪質な申込者だとみなされてしまうとカード会社側のデータベースにブラック登録されてしまい、二度とそのカード会社の審査に通らなくなる可能性もあります。

このようなことを避けるためにも、申し込みの際は誤りや記入漏れ、虚偽などがないよう十分気を付けましょう。また、万が一誤りがあった場合にすぐにカード会社と連絡がとれるよう、カードに申し込んだ後は知らない電話番号からの電話に出られるようにしておくことをおすすめします。

多重申し込みは絶対に避ける

短い期間に沢山カードを申し込むことは危険。

「多重申し込み」や「申し込みブラック」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。多重申し込みとは、短期間に複数枚のクレジットカードに申し込むことです。

クレジットカードに申し込むと、申込情報が信用情報機関に登録されます。

短期間に何件もの申込情報が信用情報機関に登録されていると、それを見たクレジットカードの審査担当者に「この申込者はお金に困っている人なのではないか」「不審な申し込みではないのか」という印象を与えてしまう可能性があるため、審査に通りにくくなる可能性が高くなります。

このように、多重申し込みによってクレジットカードの審査に通りにくくなっている状態を申し込みブラックと呼びます。申込情報は、登録から半年経たなければ信用情報機関から削除されません。

そのため、一度申し込みブラックになってしまったら、最後の申し込みから半年経たなければその状態から抜け出すことができません。

どうしても早くクレジットカードが欲しいという方もいると思いますが、そのような場合は同時に何枚ものカードに申し込むのではなく、スピード審査に対応しているクレジットカードを選んで、1枚ずつ申し込むことをおすすめします。

キャッシング枠は付けずに申し込む

キャッシング枠は極力付けない方がよい。

クレジットカードには、買い物のときの決済手段としてのショッピング機能だけではなく、ATMからカードを使ってお金を借りられるというキャッシング機能を付けることができます。

キャッシング枠は全ての申込者に付与されるわけではなく、申し込みの際に希望した人にだけ付与されます。クレジットカードの申し込みのときに、キャッシング希望額を申告する項目があります。

ここでキャッシングを希望すると、キャッシング機能が付いたカードを手に入れることができます。

しかし、申し込みの際にはキャッシングは希望しないことをおすすめします。キャッシングを希望すると、「貸金業法」という法律の規制の対象になってしまうため、カード会社側での処理が増えます。

その結果、審査に時間がかかり、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。また、キャッシング希望額が50万円以上の場合や、キャッシング希望額と他社からの借り入れ金額の合計金額が100万円を超える場合は、給与明細書や源泉徴収票などの収入証明書類を提出しなければなりません。

そうなると、書類の不備が原因で審査に時間がかかり、審査に落ちる可能性が高くなることがあります。

このような理由から、申し込みのときにはキャッシング枠を希望せずに申し込むことをおすすめします。どうしてもキャッシングが必要な場合はカードに入会してからキャッシング枠を付けることも可能です。

まずは審査難易度の低いクレジットカードを作ること

審査に自信のない方はもちろん、審査に自信があってゴールドカードなどのハイステータスのカードを持ちたいという方も、まずは審査難易度が低い一般カードから作ることをおすすめします。

ゴールドカードなどのランクが高いカードは、直接申し込むよりもワンランク低いカードからの切り替えの方が審査に通る可能性が高くなります。

ステータスカード狙いの方は、まずはワンランク下のカードで利用実績を作っておくことをおすすめします。

審査に自信のない方は、まずは流通系カードや消費者金融系カードなどの審査難易度の低いカード会社のクレジットカードを作って、クレヒスを磨きましょう。

クレヒスを作った後に本当に申し込みたいカードに申し込むことで、審査に通る可能性を上げることができます。

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現在無職でリボ払いをしている私でもクレジットカードの更新はできますか?

新規でクレカを作ってから更新時期までの間に、「無職の状態でカードやローンの申し込みをした!」という記録が個人信用情報機関に存在しなければ、「更新不可!」になることはありません。

クレカ会社では途上与信という形で、定期的に個人信用情報をチェックして、「カードを作った後、事故や不正をしていないか?」という判断をしています。

この時に、職業欄が空白(無職)や、何らかの金融事故情報(支払いの延滞や自己破産などの債務整理などによるブラックリスト)が発覚すれば、「この人の更新をすべきだろうか?」という疑念が生じてしまうのです。

ちなみに、無職の人がクレジットカードを使い、その支払方法が「リボ払い」ということは、全く悪いことではありませんが・・。クレカ会社側からすれば、「なるべく仕事をしている人に利用をしてもらいたい・・」という想いがあるため、無職の間は、新たなクレカへの申し込みなどを控えた方が良いでしょう。

「自分は無職である・・」という謙虚な気持ちで慎んだ行動をしていれば、クレジットカード更新の殆どは通ると思います。

クレジットの利用が過去に無かった人でも作れるカードは?

この質問に対して、「このカードなら絶対に作れる・・!」と断言できるものはありませんが・・。

消費者金融系のアコムACマスターカードは、クレジットヒストリー(クレジットやローンの利用履歴)の部分を柔軟に対応してくれますので、「初めてのクレカ審査でも、アコムなら通った!」という事例が多いようです。

逆に銀行系や独立系の審査難易度が高いと言われている業界では、「この人は過去にどんなクレカ利用をしてきたのだろう?」という部分を重視しますので、1度も利用したことのない真っ白なクレジットヒストリーが不利になると考えて良いでしょう。

アコムACマスターカードのように幅広い人を申し込み対象としている審査の柔軟性で有名な会社で手続きをすれば、クレジットヒストリーがなくてもカード発行に至る結果が高いようです。

現在退職中ですがクレジットカードつくれますか?

クレジットカードの申込み条件の殆どは「継続的な安定収入のある方・・」と書かれていますので、「退職中で仕事をしていない・・」という人は、クレジットカード審査において「かなり不利になる層」だと考えて良いと思います。

もし「数か月前から退職を検討している・・」のであれば、退職準備のひとつとして、「勤続年数が積み重ねられているうちに、クレジットカードを作っておく・・」という方法をお勧めしますが・・。(※勤続年数や居住年数は、「長ければ長いほど良い」と言えます。)

何らかの事情で、退職してしまった後にクレジットカードの申し込みを行うなら、「キャッシング枠を0円にして、ショッピング枠だけで申込みをする・・」という方法が良いと思います。

クレジットカードの利用限度額は、利用実績を積み上げれば「増枠の希望」を出すことも可能となりますので、仕事をしていない現段階では「取り敢えずカード発行を!」というのを第一目標にして、謙虚な気持ちで申込書の記入をしてください。

もし何度かクレジット審査に挑戦して「全く通らない!」という状況であれば、同居家族や配偶者に安定収入がある場合は、家族カードという選択肢も検討できると思います。

この他に申込者が「退職中の専業主婦・・」でしたら、旦那さんの信用を借りてクレジットカード審査を通すこともできますので、候補に入れてみてください。

質屋で借りると審査に影響するのでしょうか?

アクセサリーやブランド品を「質草」にして金銭の融資を行う質屋は、「質草という担保がある」時点で、クレジットカードや各種ローン審査との関係は全くありません。

流質期限までにお金を持っていくことができなくても、担保として預けてある質草が弁済に充てられますので、貸金業にありがちな「貸し倒れ」のないシステムなのです。

もちろん個人信用情報機関に「質屋の利用」という情報が登録されることもありませんので、クレジットカードやローンの検討をしている皆さんでも、不安にならないでください。

ちなみに質屋は貸金業(消費者金融)などとは異なり、「質屋営業法」という法律に基づいて、営業や運営が行われています。

監修者からのアドバイス

生島竜一

クレジットカード会社による審査は、各社で少しずつ違います。利用限度額を明示していないアメックスなどは独自の審査基準を設けています。その為、三井住友Visaで落ちたけどアメックスで合格した方や、年金受給者でも合格した方もいますので、あきらめずに審査を受けるとよいと思います。ただし不合格になったからといって何社も申請するのはクレヒスに足跡が残りますので、審査が通りやすいカードであるアコムカードあたりからチャレンジするのがいいのかもしれません。

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