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今後は、ジェイスコアのようにAIを導入してスコアリング審査するカード会社も増えてくるかもしれません。
いずれにしてもAIがスコアリング審査することになっても、基本的な審査基準が大きく変わるようなことはないと思っていいでしょう。
ジェイスコアではAIによるスコアリングによって利用限度額と金利が決定されますが、審査通過できるかどうかの判断は、結局のところ人為的に行われるからです。個人の信用力を数値化しているだけに過ぎず、あくまでも審査の前段階にAIを導入して手間を省いているというものです。
今回は、改めてクレジットカードの審査について理解してもらうために解説していきたいと思います。
クレジットカードの審査ではまず属性のスコアリングが行われます。
属性とは、年齢や職業、年収、家族構成、居住形態などその人の環境や社会的地位なども含めた個人情報のことです。
クレジットカード審査における属性は、主に次のような項目が挙げられます。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 年収
- 居住形態
- 居住年数
- 家族構成
- 婚姻の有無
これらの情報をひっくるめて属性と言います。審査では、各項目を点数化して、合計点をもとに審査の可否を判断しています。
属性については、審査における「属性」の重要性とは?で詳細に解説しています。
スコアリングの合格ラインはカード会社ごとに異なります。
また、カードのランクによっても異なり、基本的に一般カードよりもゴールドカードやプラチナカードのほうが合格ラインは高く設定されています。
たとえば、勤続年数が1年未満なら10点、3年以上5年未満なら50点、10年以上なら80点といったように、言葉では表現しづらいものを数値化しているわけです。
スコアリングだけで全てが決まるわけではないですが、一つの目安となります。
カード会社によって点数付けの基準は違いますが、一般的に属性の良し悪しとなる目安があります。
上場企業、公務員、有名企業に務めていると高得点になります。業種も関係してくるため、それによっては点数が低くなることもあります。
高得点を狙えるのは公務員と正社員です。いかに安定しているかが重要となりますので、派遣社員やアルバイトなど非正社員は点数が落ちる傾向にあります。
勤続年数が長いほど高得点です。「同じところに長く勤めている=辞める可能性が低く、今後も安定して収入を得られる」と評価されるからです。自営業の方は特に年数が重要です。
年収が高いほど高得点です。ただし、安定性のほうが重視されるため、同じ年収1000万円でも経営者よりも公務員の方が高得点になりやすいです。
持ち家が高得点です。ただし、住宅ローンがある場合はこの限りではありません。賃貸でも一人暮らししている人のほうが、自由に使えるお金が多かったりもするので一概には言えません。
これまでのスコアリング審査は、何年勤めているか?独身か結婚しているか?年収はどれぐらいあるのか?
など一般的な情報だけを点数化していましたが、AIスコアリングでは将来の可能性も含めた情報をスコア化しています。
AI技術とビッグデータを駆使して、それぞれに適した条件を提示してくれるのです。
たとえば、現金とカードをどのようにして使い分けているか、語学経験はあるかなど、一見カード発行とは関係のないようなこともスコア化し、反映させているのです。
現時点で審査にAIを導入しているクレジットカード会社はありません。
カードローンでは消費者金融である株式会社ジェイスコアが、AIスコアというシステムを取り入れて、貸し付け業務を行っています。
ジェイスコアで融資を受けるうえで勘違いされる方も多いですが、AIが審査を行っているわけではありません。
ジェイスコアのAIスコアは、借り入れ利率や利用限度額を算出するために、申し込み者の属性、正確、趣味などをスコアリングするに過ぎません。これらの情報をもとに金利と利用限度額を決めているだけなのです。
AIスコアの数値が高ければ、限度額は高くなり低金利で借りることも可能となります。しかし、最終的に審査に通すかどうかは人の手によって決まります。
クレジットカード会社は割賦販売法に基づいて支払能力の調査や、個人信用情報機関の加盟が定められています。
よってカード入会審査自体がAIで決められることはありません。
ジェイスコアでも個人信用情報機関に照会して、申し込み者の信用情報の調査を行っています。ここでは審査でもっとも重要となる個人信用情報機関について解説していきます。
クレジットカード会社は、申し込み者に対する適正な与信判断をするために、個人信用情報機関に加盟しています。
個人信用情報機関には、個人のクレジットカード利用履歴が登録されており、それを見ることで様々なことがわかるようになっています。
カード会社はどれぐらいの与信ができるのか一つの判断材料として、個人信用情報機関に加盟しています。
クレジットカード会社が利用している個人信用情報機関は全部で3つあります。
- CIC:クレジットカード会社が最も加盟している機関
- JICC:消費者金融系のクレジットカード会社が加盟している
- 全銀協:銀行系のクレジットカード会社が加盟しています
カード会社は新規申し込みを受け付けた後、加盟する個人信用情報機関から申し込み者のこれまでのクレジットカード等の利用履歴を閲覧します。
判断基準はカード会社によって異なり、複合的な要素で良いクレヒス、悪いクレヒスが決まりますが、ここでは代表的なものを説明します。
個人信用情報機関に登録される情報で「これがあると審査落ちは確実」とされるのがブラックリスト入りです。
ブラックリストというリストがカード業界に存在するわけではなく、クレヒスに傷がついている状態のことを表しています。異動情報、ネガティブ情報とも言われています。
たとえば、61日以上または3ヶ月以上の延滞、任意整理・個人再生・自己破産、カードの強制解約、代位弁済いずれかをすると個人信用情報機関に異動情報が登録されブラックリスト入りとなります。
ブラックリスト入りすると致命的です。その時点で審査落ちはほぼ決まったようなものです。また、ネガティブ情報がなければ大丈夫というわけでもありません。
これまで現金主義で一度もクレカを持ったことがない人は、クレヒスに何の記録もない可能性がありますが、このような状態も「過去に問題を起こしていたかもしれない」と思われカード会社から警戒されます。
というのも、ブラックリストの状態は5年経てば消滅します。
その後は、クレヒスに何の記録もない状態となるためです。20代前半であればクレヒスに記録がなくても不思議ではありませんが、30を過ぎてもクレヒスが真っ白だと審査通過は厳しくなります。
多くのクレジットカード会社はCICという指定信用情報機関に加盟していますので、審査ではCICに照会をかけて申し込み者のクレヒスを確認します。
CICには過去2年分の入金履歴(支払履歴)※が登録されています。これを見れば、申し込み者のお金に対する考えがわかります。
期日に遅れることなく入金しているという情報がズラリと並んでいれば「この人はクレジットカードをよく使い、きちんと支払いしてくれる人だな」とプラス評価につながります。
一方、一部入金や未入金など遅延や延滞ばかりしている人は「お金にだらしない人」とマイナス評価になります。
※カード会社によっては延滞の登録しかしないケースもあります
カード会社は、申し込み者の過去半年以内の申し込み件数も確認しています。
実はカードに申し込みするだけでも個人信用情報機関に登録されます。申し込み履歴が多いと、多重申し込みまたは申し込みブラックと判断され審査に悪影響を及ぼしてしまいます。
申し込みブラックの基準はカード会社ごとに異なりますが、一般的に1ヶ月に3社以上申込んでいると審査落ちしやすいです。
クレジットカードの審査は、まず属性のスコアリング審査が行われ、その後に個人信用情報機関の審査が行われます。スコアリング審査を通過しても、信用情報の審査でNGと判断されれば、カード発行されません。
つまり、どんなに属性が良くても、クレヒスに問題があると審査通過できないのです。これはジェイスコアのようにAIスコアが導入されても同じです。
結局のところ、AIスコアでどんなに高得点を叩き出しても、その後の信用情報の調査でクレヒスに問題があることが判明すれば、審査落ちとなるのです。
CICの詳細については、信用情報機関のCICとはどんなところ?にまとめています。
一足先にカードローン業界では審査システムにAIが導入されましたが、今後、クレジットカードの審査システムにAIが導入される可能性はあります。
勘違いされている人が多いですが、審査にAIが導入されたからと言って審査基準が甘くなるというわけではありません。
現時点で機械審査とAIの違いというのは定かではありませんが、特徴としてAIは学習能力が備わっています。
ジェイスコアのAIスコアレンディングにも学習能力は備わっており、利用者が増えるほどAIは賢くなりより適正なスコアを算出できるようになるに過ぎません。
スコアに応じて限度額や金利が決まるだけであり、審査結果そのものに関わるような判定はしないということです。
そのため、クレジットカードの審査落ちする原因というのは仮にAIが導入されても変わらない可能性が高いです。
では、現時点でのクレジットカードの審査落ちの原因について解説していきます。
クレジットカード審査では、まず申し込み者の属性をチェックします。属性に問題があると審査落ちしてしまうことがあります。
では、具体的にどのような状態が問題ありとなるのでしょうか。
- 職業が不安定、収入が不安定or少ない
- 年齢が低いor高すぎる
- 勤務実績が足りない
- 引っ越し、転居が多い
まず、無職の人は審査に通りません。専業主婦や学生の場合は例外ですが、そうでない人が無職で無収入なら審査落ちは間違いありません。また、働いていればいいというわけでもなく「安定性」が重要となります。
アルバイト・パート・派遣社員・契約社員・期間工は、正社員に比べて不安定な職業と見られますので審査に不利です。また正社員でも、会社の規模が小さすぎる場合も不安定とみなされる可能性が高いです。
収入面でも安定性が重要となるので、仮に少なめでも安定していると評価されれば審査通過は可能です。ただし、申し込みするカードのグレードによっては収入額そのものが審査に大きく影響しますので注意が必要です。
たとえば、年会費無料のクレジットカードであれば年収200万円台でも入会できますが、ゴールドカードだと審査落ちする可能性が高いです。
- 年会費無料カード:年収200万円以上
- ゴールドカード:年収400万円以上
- プラチナカード:年収700万円以上
- ブラックカード:年収1000万円以上
上記を目安に、自分の年収に見合ったクレジットカードに申し込むことが大切です。
主婦や学生の人は、主婦へのカード発行は厳しいのでしょうか?、結局、学生の審査基準って何なの?を参考にしてください。
一部のステータスカードは申し込み可能な年齢が決められています。年齢が低いというだけで審査落ちしてしまうこともあります。
未成年であれば年会費無料の一般カードぐらいしか申し込めませんし、25歳以下までならせいぜいヤングゴールドカードがいいところでしょう。
30歳前後なら一部のステータスカード以外はほぼOKです。30歳以上なら、全てのカードに申込可能です。
逆に年齢が行き過ぎてしまっていても審査落ちになります。60歳以上だと、申し込みできるカードは途端に少なくなります。申し込みできても審査通過自体が厳しくなります。
就職してから日が浅いと、クレジットカード審査に不利に働く可能性があります。
その理由は単純で、すぐに辞めて別の会社で働くかもしれない、継続して収入をもらえないかもしれないと思われるからです。
その結果、勤務実績が足りないと解雇にされたり転職してしまうかもしれないと判断され審査落ちにつながる傾向にあります。
同じ場所に長く住んでいない人は、すぐにまた引っ越ししてしまうのではないか、夜逃げしてしまうのではないかと警戒されてしまいます。
また、持ち家よりも賃貸のほうが用逃げしやすい環境なので、賃貸物件に住んでいると審査における評価は低いです。
すでにクレジットカードを持っている方や、他にローンを組んでいる方はそれらの使い方が原因で審査落ちになることもあります。
代表的なものとしては、
- キャッシングを利用している
- リボ払いを目一杯使っている
- 返済が遅れている
- 自己破産したことがある
- カードの所有枚数が多い
- 申し込み履歴が多い
等が挙げられます。
キャッシングを利用していると絶対に審査に通らないわけではありません。要は使い方次第です。
少額を借りてすぐに全額返済していれば審査に影響することはありません
。問題となるのは、多額の借り入れをしている場合や、複数社から借り入れしている場合です。特に消費者金融のキャッシングをカード会社は嫌います。
1社の利用でも審査に不利になりますので、これが2社3社と増えていけば、審査突破は絶望的と言えます。
ただし、借入額が大きいと言っても住宅ローンやマイカローンなど使いみちが限定されているものは審査に悪影響を及ぼす可能性は低いです。
もちろん、年収に見合わない借り入れなら話は別ですが、そもそもこれらのローンはクレジットカードやキャシングに比べて厳しい審査をしますので、収入に見合わない借り入れ自体ができないと言っていいでしょう。
消費者金融であるアコムが発行するクレジットカード「ACマスターカード」は、通常のクレジットカード会社とは基準が異なるので、すでにキャッシングを利用していて審査通過が難しいという人はアコムを検討してみるのも手です。あくまでもキャッシングの基準でカード発行してくれます。
リボ払いを利用している方も多いかと思いますが、もしリボ払い残高が目一杯まで膨らんでいる場合は審査に悪影響を及ぼしますので注意が必要です。
一括払いで支払いできない状態はお金に困っていると警戒されてしまいます。すでにリボ払いを目一杯まで使っている人は、残高を減らしてから申込むほうがいいでしょう。
リボ払いについては、クレジットカードのリボ払いとは?で詳しく解説しています。
クレジットカードやキャッシングの支払い遅延は、審査における大きなマイナス材料になります。
数日程度の遅延だから大丈夫と思っている人も多いですが、数回繰り返すだけでも十分審査落ちの可能性があります。
また、3ヶ月に渡り延滞した場合は、個人信用情報機関に異動情報が登録され、5年間はクレジットカードを作れないと思ったほうが無難です。
結局、貸したお金を返してくれない可能性がある人には、カード会社は1円たりとも貸したくないもの。当然のことと言えるでしょう。
同様に自己破産や任意整理なども異動情報が登録されますので、長期間クレジットカードを作れなくなります。
ブラック情報のある方は、ブラックの期間によってはカード取得が難しいでしょうか?を参考にしてください。
クレジットカードをたくさん所有している方もいるかと思いますが、審査するカード会社は「この人にカード発行しても使ってくれないかもしれない」という理由で否決にするケースもあります。
また、たくさんカードを所有しているということは、収入に対して限度額が見合っていないこともあるので、そのような理由からもカード発行を断られてしまいます。
頻繁にクレジットカードに申し込みしている人は審査が厳しくなる傾向にあります。それだけお金に困っていると思われてしまうからです。
個人信用情報機関に照会すれば、申し込み者が過去半年間にどれぐらいのカード申し込みをしているかはわかってしまうのです。
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