「クレジットカード審査の通過率100%を目指す」をテーマとした専門サイト
多くのカード会社では車や住宅ローンは、既存借入とは見なさないケースが多いため、あまり気にする必要はありませんが、身の丈に合った借入が重要です。
一般社団法人クレジットカードアドバイザー協会なんば校講師
ダイナース、アメックス、VISAなどプラチナカードを複数枚保有。ANAの飛行機ダイヤモンド会員で、年間獲得マイル数は50万マイル越える。
クレジットカードの申込みで、各種ローン残高(オートローン、教育ローン、カードローン、ショッピングローン)がある場合、審査に最も影響を与えるのがクレジットカードや消費者金融系(無担保)のカードローン、キャッシングになります。
自動車は一家に一台、地方の場合は一人に一台というのが当たり前ですし、車をカーローン(ディーラーローン含む)で購入するのは普通のことです
また、自動車という高額商品をローンで購入する人の割合が多いのも事実です。
従って、自動車ローンについては、残高がクレジットカードの審査に影響を及ぼすことはほとんどありません。
しかし、ローンの年間返済額が年収に見合った返済負担率となっているか?や個人信用情報機関に延滞などの事故情報やブラック情報がないか?は非常に重要です。
例えば、年収300万の人で自動車ローン残高が160万あり、購入時に48回払いで組んでいて残り32ヶ月残っていれば「毎月の支払いがきつい」と判断出来ます。
具体的には、オートローンについては、各社様々なタイプが出ており金利にバラつきが多いですが、実質年率が2.7%のローンだとします。
この場合、初回購入時に240万円の自動車ローンを組み毎月の支払返済額は53,000円程度となり年間636,000円となります。
年収に占めるローン返済比率が636,000円÷3,000,000円=21.2%となり、カード会社にもよりますが私が現役時代に所属していた会社では返済がきついと判断していました。
したがってこの場合、どのようなクレジットカード会社を選択すべきか、上記のオートローンがあっても審査が柔軟な会社を選択すべきです。
審査難易度としては、銀行系・独立系>信販系>流通系>消費者金融系の順番となります。
したがって、「比較的審査が柔軟な消費者金融系(多くの人を助けてきたこの一枚)だとクレジットカード発行に至る可能性が高い。」と言えます。
なお、自動車ローンの延滞は信用情報の情報開示をすれば事故記録(異動情報)として信用情報開示報告書に記載されますので、審査には当然影響します。
余談ですが、自動車ローンがある方で住宅ローンの審査を受ける際は、オートローンの完済が融資条件になる場合がほとんどです。
住宅ローンについては、経験上、住宅ローンを組んでいる理由でクレジットカードの審査に落ちるケースはかなり少ないです。
私も含めてそうなのですが、戸建てやマンションなどの住宅を取得する際、両親からの援助を含めて住宅ローンを利用するのが一般的です。また、購入者の大半はローンを組みます。
住宅ローンが審査に悪影響を及ぼすどころか、住宅ローンを組んでいる人の方が賃貸物件に住んでいる人よりも審査に有利なケースの方が多いです。
これは、なぜかと言いますと住宅を所有するということは、簡単に他へ転居することができませんし、住宅ローンを組むことは住宅金融支援機構や銀行の保証会社がすでに審査をしています。
この審査に通過した人が住宅ローンを利用しているため、クレジットカードの審査基準(継続的に安定した収入や勤続年数)も同時に満たしている人となります。
また、本審査前に住宅ローンの事前審査もあり、収入証明(会社員の場合は、
- 源泉徴収票
- 課税証明書
- 自営業の場合は確定申告書、納税証明書)
の提出が義務付けられます。また、ローン申込者の勤続年数も3年以上とクレジットカードと比較にならないほど審査が厳しいです。
とは言うものの身の丈(返済能力)にあった住宅を取得しているのが前提です。住宅ローンの年収に占める返済負担率は、30%以内が適正です。
- 例えば、年収400万円の人が2000万円の住宅ローンを35年返済で利用していたとします。
この場合、都市銀行の一般的な変動金利が2.675%でボーナス払いなしだと、毎月の支払が78,388円となります。1年に換算すると940,656円となります。
年収に対する返済率としては、940,656円÷4,000,000円=23.5%となり、多少の余力(返済能力)があると見なされます。
これによって毎月の手取りに余力が多いか少ないか判断できること。また、現在のクレジットカードの保有枚数、エステ、英会話のローン残高等を総合的に加味して判断しています。
●●ローンを組んでいるからクレジットカードの審査に落ちるのではなく、収入に対する返済負担率が適正であるか、返済能力があるか?という点を見ています。
また自動車ローンと同様に住宅ローンについても個人信用情報に延滞などの金融事故情報や債務整理、任意整理などの履歴があれば審査には当然影響します。
審査に不安な人は、落ちる人と受かる人の違いって何?で解説していますので参考にしてください。
ここまでの説明でも少し触れましたが、クレジットカードの審査では、信用情報機関に延滞情報や自己破産情報などの金融事故情報が登録されているブラックの場合は、基本的には審査に通りません。
日本には
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
の3つの信用情報機関があります。
クレジットカード会社は主にCICとJICC、銀行は主にKSC加盟しており、これらの個人信用情報機関にブラック情報が登録されている場合、クレジットカードの審査や銀行での住宅ローンの審査に通ることができなくなります。
ここまで自動車ローンや住宅ローンがクレジットカードの審査に与える影響について解説してきましたが、ここからは反対にクレジットカードの支払いの滞納が住宅ローン審査に影響を与えることはあるのか解説していきます。
クレジットカードの支払いを延滞した場合、住宅ローンの審査に影響します。
クレジットカードの支払いを滞納すると、信用情報機関に金融事故情報が登録されます。
住宅ローンの審査では、必ず信用情報機関に登録されている個人信用情報を参照するため、そこでブラック情報が登録されている場合は審査には通りません。
クレジットカード会社と銀行は加盟している信用情報機関が異なるので、クレジットカードの延滞情報は銀行には伝わらないのではないかと考える方もいると思いますが、CIC・JICC・KSCではCRINという情報共有システムでブラック情報を共有しています。
そのため、クレジットカード会社がCICやJICCに登録した金融事故情報は、CRINを通じてKSCに共有され、KSCを参照する銀行にも伝わることになります。
また、住宅ローン契約の際に保証会社が付く場合、保証会社はCICに加盟しているため、CICに登録されている全てのクレヒスが参照されます。
クレジットカードの支払いを延滞すると、信用情報機関に延滞情報が登録されますが、その情報の保存期間は、CICの場合は5年、JICCの場合は1年、KSCの場合は5年です。
そのため、延滞解消から5年経たなければブラック情報が消えることはありません。
なお、延滞期間が2カ月未満の短期延滞の場合は、延滞解消から24カ月たてば延滞情報が消えます。
クレジットカードの支払いを延滞したことがあり、ブラックになっている可能性があるという方は、信用情報機関に情報開示請求をして、自分の信用情報がどうなっているかを確認してみましょう。
クレジットカード会社が加盟しているCICの場合、窓口請求の場合は500円、インターネット・郵送請求の場合は1,000円の手数料を支払えば、簡単に信用情報を開示することができます。
開示情報に「異動」の文字があればブラックであることを意味します。また、「入金状況」欄に「A」や「P」の記載があった場合は、短期延滞があったことを意味します。
クレジットカード代金の引き落とし口座の残高不足による延滞を防ぐには、次の手段が有効です。
給料の振り込み口座とクレジットカードの引き落とし口座を別にしている方もいると思いますが、クレジットカードの引き落とし口座は給料が振り込まれる口座やメイン口座にしておくことをおすすめします。
引き落とし口座をメイン口座にしておくことで、入金忘れを防止することができます。
どうしても支払日までに支払額を用意できない場合は、カードローンを利用しましょう。
カードローンには一定期間の借り入れであれば無利息期間が設けられているものがあり、この無利息期間の間に全額返済すれば余計な利息を支払う必要はありません。
カードローンで一時的にキャッシングしたお金をクレジットカードの支払いに充て、無利息期間中に借りたお金を返済することで、利息を支払わずにクレジットカードの延滞を避けることができます。
クレジットカードによっては、複数の引き落とし日から任意の引き落とし日を選ぶことができます。
引き落とし日を給料日の後にしておくなど、あらかじめ変更しておくことで、残高不足による延滞を防ぐことができます。
複数枚のクレジットカードを使い分けるために、何枚もクレジットカードを保有しているという方も多いと思いますが、クレジットカードの保有枚数が多すぎると住宅ローンの審査に影響する可能性があるのか解説していきます。
短期間にクレジットカードを何枚も申し込む多重申し込みをすると、「申し込みブラック」という状態になり、クレジットカードやローンの審査に通りづらくなります。
申し込みブラックは信用情報機関に短期間に複数の申込情報が登録されている状態です。
一度申し込みブラックになると、信用情報機関から申込情報が削除される半年間はクレジットカードの審査に通ることが難しくなります。
申込情報はCRINでは共有されないため、CICで登録された申込情報はKSCの加盟金融機関には伝わりません。
CICに加盟しているクレジットカード会社への申込情報がKSCのみに加盟している銀行に伝わることはありませんが、住宅ローンの契約時に保証会社を付ける場合は、保証会社には申込情報が伝わるため、審査に悪影響を与える可能性があります。
住宅ローンの審査で重要なのは、年収に対する借入金額の割合である「返済比率」です。
返済比率が30%を超えると、住宅ローンの審査に通ることが厳しくなります。
ここでいう借入金額には、クレジットカードによるキャッシングも含まれます。
金融機関によって審査方法は異なりますが、実際にキャッシングを利用していなくても、キャッシング枠が付いているクレジットカードを保有しているだけで、キャッシング枠分の金額を借入金額に算入する金融機関もあります。
そのため、キャッシング枠が付いているカードを保有していると、住宅ローン審査に不利になる可能性があります。
上記の通り、クレジットカードのキャッシング枠は住宅ローンに悪影響を与える可能性があるため、利用しないキャッシング枠ははずしておくことをおすすめします。
キャッシング枠は、クレジットカード会社に申し出ることで、削減することができます。キャッシング枠が大きすぎる場合は、早めにカード会社に連絡するようにしましょう。
ご自宅の購入をお考えの方は、住宅ローンを組む前に、CICで情報を取ることをお勧めします。クレジットカードのキャッシング枠は借金とみなされる傾向があるからです。例えば年収500万円でキャッシング枠が2件で100万円のカードを持っていた場合、年収は400万円として見られます。銀行にもよりますが大体この7倍程度(約2,800万円)がローンを組む枠だと思っていただけるとある程度の目安となります。キャッシング枠がなければ3,500万円とみなされますのでどれほど重要かわかっていただけるかと思います。
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