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今回はクレジットカードの利用限度額の仕組みも交えて、なぜ審査によって減額されてしまうのか原因について解説していきたいと思います。
一般社団法人クレジットカードアドバイザー協会なんば校講師
ダイナース、アメックス、VISAなどプラチナカードを複数枚保有。ANAの飛行機ダイヤモンド会員で、年間獲得マイル数は50万マイル越える。
クレジットカードの利用限度額は、カード発行の際に決められたクレジットカードで決済に使用できる最高金額のことです。
大抵のクレジットカードは、申し込み時に自分が希望する利用限度額を申告します。
たとえば、利用限度額50万円ならばそのクレジットカードで50万円までショッピングに利用できるということです。
利用限度額に到達した場合は、それ以上の金額を利用することができませんので、そのカードで決済することができなくなります。
カードの利用料金を支払いすれば、その分利用限度額に空きが出るので再びカードを利用することが可能になります。
たとえば、利用限度額50万円のカードだと次のようになります。
- 6月5日に、10万円の買い物をして利用限度額が50万円に到達
- この時点で、クレジットカードで決済することはできなくなる
- 7月15日に、リボ払いで2万円の支払い
- ショッピング枠に2万円の余裕ができたので、2万円まで決済に使用可能となる
このように、利用限度額が上限に到達した場合でも、支払額分だけ利用することができるようになります。当然ながら、返済額が少なければ利用可能額は少なくなります。
全額支払いすれば、50万円まで利用可能になるわけですが、支払いしてすぐに利用再開できるわけではないので注意してください。
たとえば、上記で言えば7月15日に支払いしていますが、当日中に2万円をすぐに利用できるかと言えば実際は難しいです。
カード会社によって異なりますが、支払い手続きが反映されるまで1日~3日程度かかるからです。
クレジットカードは利用限度額をきちんと把握していないと、使いたいときに使えなくなってしまうだけでなく、決裁に使用するまで一定期間待たないといけない困った状況に陥ってしまう可能性もあるのです。
- 利用限度額に到達した場合、支払いしないとカードを使えない
- 支払額に応じて利用可能な額が決まる
- 支払いしても、手続きが完了するまでカードは使用できないので注意
クレジットカードの利用限度額を把握しないで利用していると、支払い遅延や延滞してしまう恐れがあります。
遅延や延滞を何回も繰り返していると、クレヒスに傷が付きカードの利用停止や解約になる恐れもあるので注意してください。
クレジットカードの利用限度額はカード会社が審査で決めます。申込時に希望限度額を申告するものの、必ずそのとおりになるわけではないということです。
たとえば、申込み時に50万円を希望しても、審査の結果20万円に減額されることもありますし、逆に70万円に増額されることもあります。
審査の詳細については、なぜクレジットカードは審査があるのか?を参考にしてください。
利用限度額が希望した額にならないのは、クレヒス(信用情報)に原因があると思っていいでしょう。
カード会社は審査時に申し込み者のクレヒスを確認します。
- クレジットカードの所有枚数
- カードの利用残高
- 毎月遅滞なく支払いできているか
- その他の借入状況
- 携帯電話料金の支払いはできているか
このような情報を確認して、良好であると判断されれば「クレヒスは良い」と言えますし、逆に遅延や延滞をしていれば「クレヒスは悪い」となり利用限度額は希望した額よりも減額になります。
はじめてクレジットカードに申し込む場合は、クレヒスは真っ白の状態に近いので、収入と勤め先がきちんとしていれば希望した額を設定してもらえる可能性が高いです。
クレヒスの重要性については、クレジットヒストリーの重要性にまとめましたので参考にしてください。
クレジットカードの利用限度額は新規申込時の審査で決定されますが、一度決定した限度額が今後も変わらず利用できるとは限りません。
審査通過したから安心と油断していると、思わぬケースで限度額が減額になってしまうこともあります。
「審査で決まったのになんで減額になるの?」と思うかもしれませんが、実はカード会社の審査は新規申し込み時だけではありません。
定期的に利用者の利用限度額が適正かどうか審査しているのです。審査の結果、今の利用限度額は適していないと判断されれば減額されてしまうのです。
カード会社は、数ヶ月に一度指定信用情報機関(CIC等)に照会をかけて、利用者のクレヒスをチェックしています。これを「途上与信」といいます。
いきなり減額されたという場合、この途上与信で判断している可能性が高いです。
- 自社or他社カードで延滞
- キャッシングを多用
- 新規カードの多重申し込み
上記に当てはまるようであれば、カード会社はリスク回避のために減額を行います。特に延滞は要注意です。クレジットカードの利用は信用が第一です。
期日に決められた金額を支払いできないようであれば、カード会社との約束が守られなかったということになります。
クレジットカードは担保も保証も不要で利用しているわけですから、利用するうえで信用は何よりも重視されます。
支払いが遅れているようであれば「この人はこれ以上利用するのは難しい、収入に見合っていないのかもしれない」とカード会社は判断します。
また、新規カードの多重申し込みが減額につながるケースもあります。
カードの所有枚数が増えれば、毎月の支払い負担が増える可能性がでてきます。
カード会社からすれば返済に遅れるようなことは避けたいですから、前回の審査時よりもカードの所有枚数が増えていたり、多重申し込みの履歴があったりすれば「この人は危険かもしれない」と判断します。
その結果、利用限度額を下げられることになります。
クレジットカードの利用限度額は、割賦販売法に基づき定められています。その際、申し込み者の支払可能見込額を算出したうえで、その金額を超過しないように利用限度額が設定されます。
支払可能見込額は「年収」「生活維持費」「クレジット債務(リボ・分割払いなどの利用の有無)」の3つにより算出されます。
クレジットカードの申し込みでは、年収は自己申告制となっています。
収入を証明する公的書類を提出することはありませんので、支払可能見込額はあくまでも自己申告によって算出されることになります。
当然ながら年収が高いほうが、利用限度額が高く設定される可能性がありますが、虚偽申告はバレます。
嘘がバレた場合は審査落ち、仮に審査通過しても後にバレればカード利用停止などのきついお仕置きが待っていますので虚偽申告は止めましょう。
1年間で生活費はどれぐらいなのか世帯ごとに算出されたものが、生活維持費です。
当然ながら、結婚して子供がいる世帯と一人暮らしでは生活維持費の金額は異なります。更に、賃貸か持ち家でも金額は変わってきます。
たとえば、下記は東京23区の場合の生活維持費です。
持ち家住宅ローンなし 賃貸で家賃負担なし |
4人世帯以上 | 3人世帯 | 2人世帯 | 1人世帯 |
200万円 | 169万円 | 136万円 | 90万円 | |
持ち家住宅ローンあり 賃貸で家賃負担あり |
4人世帯以上 | 3人世帯 | 2人世帯 | 1人世帯 |
240万円 | 209万円 | 177万円 | 116万円 |
※生活維持費は地域によって異なります。
クレジット債務は、1年間でクレジットカードをいくら利用しているかを算出するものです。
対象となるのはリボ払い、分割払いなど1回払い以外の支払い方法です。
たとえば、クレジットカードをリボ払いで毎月3万円支払いしている場合のクレジット債務の金額は3万円×12ヶ月=36万円となります。
支払可能見込額の算出方法は、
年収-生活維持費-クレジット債務=支払可能見込額
となります。
そして、この数値に0.9をかけた金額がクレジットカードの利用枠となります。
年収:300万円
住まい:賃貸、一人暮らし
クレジット債務:60万円のクレジット債務
(300万円-116万円-60万円)×0.9=1,116,000円
上記の例で言えば、この方のクレジットカードの利用枠は1,116,000円が適正と判断されるわけです。
カードの所有枚数が増えて、全てのクレジットカードの利用枠の合計がこの数値を超えてしまえば、カード会社は減額の措置を取らざるを得ないということになります。
中にはクレジットカードの利用限度額が過剰だから減額したいという人もいるでしょう。
正常に使っていればクレジットカードの利用限度額というのは上がっていくものですから、気がついたら過剰な利用限度額になっていたなんてケースも珍しくありません。特にランクの高いカードならなおさらです。
利用限度額は大きすぎると、ついつい使いすぎてしまわないか心配という人もいるでしょう。
また、もしもカードを盗まれて不正に利用されてしまったとしても、あらかじめ減額しておけば被害を最小限にくい止めることができます。
不正使用は利用者に明らかな過失がなければ盗難保険で助けてくれますが、万が一のことを考えると限度額を必要以上に上げるのは不安ですね。
利用限度額の減額はあっけないほど簡単です。コールセンターに電話して減額したい旨を伝えるだけです。当然ながら、審査なしで容易に減額することができます。
クレジットカードは、使い方を誤れば減額される可能性がありますが、その逆で安定した職業に就き健全にクレジットカードを使っていけば、利用者からお願いすることなく増額される場合もあります。
クレジットカードの増額は基本的に自動で行われることが多いです。
そのためには、良いクレヒスを積み上げていくことが必要となります。良いクレヒスと聞くと難しく感じてしまうかもしれませんが、決してそんなことはありません。
- クレジットカードを定期的に利用する
- 延滞なく支払いする
- クレジットカードを多く持ちすぎない
上記の条件をクリアできていれば、信用がアップし自動的に増額される可能性が高いです。
自分で希望して利用限度額を増額することもできますが、この場合審査に通らなければいけません。
申し込み時の審査同様に行われますが、人によっては申し込み時よりも厳しい審査になるかもしれません。
先にも説明したとおり、カード会社は新規契約時と利用者の状況が変わっていないか途上与信を定期的に行っています。
- 新規でクレジットカードを取得していないか
- 支払い、返済はきちんとできているか
一定期間で上記の状況を確認しており、増額の場合はその時点で審査となります。
たとえば、Aカード会社に増額審査を申込んだとします。契約の時点では他社カードの契約はありませんでしたが、Bカード会社とCカード会社にも入会し所有しているとします。
このような状況であれば、Aカード会社の増額審査に通る可能性が高いです。
一方、下記のような状況だと増額審査は難しくなります。
- B、Cカード会社で延滞している
- 勤務先が変わり収入が減った
このような状況だと信用は低下し、増額はしてもらえないでしょう。契約時よりも支払能力や信用力が下がっていると基本的に増額はできません。
勤務先は変わっても年収自体はほぼ変わっていないという場合は、収入証明書を提出することで問題解決となりますが、そうでない場合は、増額は無理でしょう。
クレジットカードの利用限度額は一時的に増額することも可能です。
たとえば、一時的にまとまった費用をクレジットカードで払わなければいけなくなった場合などに、一時的な増額のサービスが用意されています。
一時的な増額の場合、支払い方法は1回払いが基本となります。もちろん一時的な増額でも審査はあるので、希望すれば簡単に増額されるわけでもありませんので計画的に行うようにしてください。
返済の目処がたっていないのに利用してしまうと、翌月に支払いできずに延滞してしまったなんてケースも考えられますので、利用の際は十分注意してください。
手持ちのクレジットカードにキャッシング枠が設定されているという方も多いかと思いますが、ショッピング枠同様にキャッシング枠もカード会社の判断によって減額されることがあります。
限度額内で借り入れしようとしていた人は予定が狂ってしまいますし、何よりも「なんで?」という気持ちでもやもやすることでしょう。
なぜクレジットカードのキャッシング枠が減額されるのか気になるところです。
また、自分でキャッシング枠を減額したいという人もいるでしょう。必要だと思って希望したキャッシング枠も、意外と使うことがなくじゃまになってしまったという場合は、減額を考えることでしょう。
ここではクレジットカードのキャッシング枠が減額される理由と自分で減額する方法について見ていきましょう。
クレジットカードのキャッシング枠がカード会社の判断によって減額されることがあります。
新規申し込み時にキャッシング枠を希望すると、その分審査は厳しくチェックされます。
ショッピング枠のみの場合は割賦販売法だけが適用されますが、キャッシング枠を希望すると貸金業法も適用されます。
異なる2つの法律が適用されることで審査が厳しくなるのです。
貸金業法は改正されて以来、年収3分の1を超える貸し付けはしてはいけないとされています。
そのため、審査では申し込み者が年収の3分の1を超える借り入れをしていないかチェックされます。
また、年収だけでなく、雇用形態や勤続年数などの属性とクレジットヒストリーをチェックしてキャッシング枠をつけても問題ないか審査します。
審査の結果、問題なしと判断されればキャッシング枠が付与されるわけですが、審査は新規申し込み時だけでなくその後も継続的に行われることになっています。
つまり、キャッシング枠が減額されるのは、途上与信の結果、現在の契約内容ではキャッシング枠が高すぎると判断され、減額された可能性が高いということです。
実はクレジットカードのキャッシング枠は、一定条件を満たしている場合は継続審査が義務付けられています。
- 1ヶ月の貸し付け合計額5万円を超える
- 貸付残高が10万円を超える
この条件を満たしている場合は、毎月指定信用情報機関から情報を得て審査しなければいけません。
またキャッシングを利用していなかったとしても、貸し付け残高が10万円を超える場合は3ヶ月に一度、指定信用情報機関から情報を得て審査しなければいけません。
いきなりキャッシング枠が減額になったという人は、継続審査で引っかかった可能性が高いです。
たとえば、1ヶ月以内に他社でキャッシングを利用した、一度に複数のカード申し込みをした、支払いを遅延したといったことがあると問題視され、キャッシングできる金額を減らされる可能性があります。
最悪の場合、新規借り入れが停止になることもあります。
クレジットカードの審査については、クレジットカード審査難易度一覧にまとめました。
これは全てのクレジットカード会社にあてはまることではありませんが、他社カードでキャッシングしたなどの思い当たるフシがないのにいきなりキャッシング枠を減額されることがあります。
総量規制では、基本的に現在借りている分を借り入れと判断して、その合計が年収の3分の1を超えていないかをチェックします。
しかし、中には保守的なカード会社もあり、借り入れしていない枠も借り入れ中と考えて総量規制の計算をするところもあるのです。
この場合、新規でクレジットカードへの入会や、利用実績を積み上げてキャッシング枠が自動的に増額された場合も借入額として組み込まれてしまうので、その結果年収の3分の1を超えてしまいキャッシング枠が減額されることもあります。
総量規制では、キャッシング枠が50万円以上になる場合は収入証明書を提出しなければいけません。
キャッシング枠が50万円ギリギリある場合、今後のクレジットカード審査に影響が出る可能性もあるので注意してください。
クレジットカードのキャッシング枠を減額すると2つのメリットがあります。
- 無駄にキャッシングしなくなる
- 審査への影響をなくせる
キャッシング枠を減額するということは、借りられる金額が減るということです。
借りたくても借りられない状態にすることで、無駄にお金を借りるようなことを防止できます。
必要なときに借りられないのは不便かもしれませんが、気軽にキャッシングできてしまうせいで金銭感覚が麻痺してしまう方が多いです。
いつでも借りられる状態だと、それがあたかも自分の財布のような感覚になってしまい無駄に借りすぎてしまうのです。
本当に必要な場合は便利ですが、必要ないときでも借りてしまえば無駄に利息を取られることになり、借金地獄につながるきっかけになります。
キャッシング枠があっても自分で借りなければいいだけの話ですが、いつでも借りられる状態だと借りてしまうという人は、キャッシング枠を減額するほうがいいでしょう。
クレジットカードのキャッシング枠は、新たにカード発行する際の審査や継続審査に悪影響を及ぼす恐れがあります。
新規発行時の審査基準や継続審査の基準は公表されていないので、具体的にどう影響するかは不明ですが、いきなり減額されたという人の情報を見る限りではキャッシング枠があることが影響している可能性が高いです。
審査への悪影響を少しでも下げるためにも、不要なキャッシング枠は減額するか0にしてしまうのがいいでしょう。
クレジットカードのキャッシング枠を減額したい場合は、カード裏面に記載されているコールセンターに電話してキャッシング枠を減額したい旨を伝えるだけでOKです。
コールセンターで対応してもらえばすぐに減額してもらえます。またクレジットカードによっては会員ページから行うことも可能です。
会員ページには「キャッシング枠の減額」というメニューがありますので、それを選択した後希望する金額を入力するだけで変更できます。
クレジットカード会社は信用情報機関CICなどに定期的に情報を見に来ています。独自の審査基準を持つアメックスは1か月に一度の頻度で確認しています。その為できるだけキャッシング枠を0にする方が、審査に通りやすくなります。また、別途カードを申請する場合に審査の上で優位になります。
キャッシング枠が必要な場合はどんな時でしょうか?海外に行く場合に現地ATMで現地通貨を引き出すときなどの場合に限る方ですと、コールセンターで都度都度キャッシング枠を設ける手もあります。ただしキャッシングをすると利子がかかりますので、帰国次第早めに返済することも可能です。
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