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カードローンは住宅ローンの審査に影響する?具体的な対策方法まで紹介

この記事は、住宅ローン審査に受かりたい人のために書きました。

  • きちんとカードローン返済してるけど、住宅ローン使えないかな??
  • カードローン使ってたの昔だけど、住宅ローン審査通る??
  • ちょっと返済遅れたら住宅ローン使えないの!?

カードローンの影響って不安になりますよね。

この記事では、「結局、住宅ローン審査通るの?」という疑問に、カードローン利用状況別で答えます。

これを読めば「住宅ローンを安心して使えるのか」がわかるので、ぜひご覧ください。

カードローンの利用が住宅ローン審査に影響する

多くの人にとって、住宅の購入は人生で最も大きな買い物であり、ほとんどの場合ローンを組んで購入します。

この住宅ローンを組むには審査が必要ですが、カードローン利用とはどんな関係があるのでしょうか

カードローンの利用は住宅ローン審査に影響があるの?

住宅ローン審査とは、ローン希望者が借入額を返済してくれるか、返済できない際に担保として価値がある物件なのかなどを、金融機関が事前に確認する作業のことを指します。

住宅ローン審査には事前審査と本審査があり、事前審査では収入、職業や勤務先などの提示、そして本審査では物件の詳細な資料や所得証明書などの提示を求められます。

このように、個人の経済状況などを詳しく見られる住宅ローン審査ですが、カードローンを利用中あるいは利用したことがある場合、この審査に通過することはできないのでしょうか。

影響はあります!ただし利用状況によって影響度は変わってきます。

実は、カードローンの利用は住宅ローン審査に影響を及ぼします

しかし、利用したことがあるからといって、すべてのケースで悪影響があるわけではありません。

カードローンを利用しながら住宅ローン審査に通過することは十分可能です。

住宅ローン審査では、個人の「信用情報」を確認することで可否を判断しますが、この信用情報は個人によって状況が異なるからです。

信用情報とは、信用情報機関が管理している、「貸付日」、「返済日」、「延滞金の有無」「債務整理の有無」などの個人の信用に関わる情報のことを指し、個人の返済能力を把握する上で重要な情報のひとつです。

カードローンの利用状況によっては、この信用情報に欠陥があると見なされるケースがあるのです。

具体的には、以下のような3パターンが想定されます。

カードローン利用状況
過去に使用、利用状況問題なし現在使用中、利用状況問題なし過去に使用または現在使用中、利用状況問題あり
住宅ローン審査への影響度

そこで次に、上の3パターンのカードローンの利用状況に応じて、それぞれが住宅ローン審査にどのように影響を及ぼすのか、どのように対策すれば良いのかを具体的に解説していきます。

過去にカードローンを利用しており、利用状況に問題ない場合

 

過去にカードローンを利用したことがあるが、現在はローンを完済し、延滞などをしたことがない場合は、一般的に住宅ローン審査にはそれほど影響はありません

ただし、延滞などの問題を起こしたことがなくても、承認されないこともあります

このような結果になる代表的な理由としては、カードローンの利用枠を複数保有していたためというものがあります。

カードローンは手続きをしない限り、利用枠が残り続けるため、解約手続きを怠ると複数の利用枠を保持した状態になってしまうのです。

使っていないキャッシング枠は解約しよう!

複数のカードローン枠を保持していると、金融機関は「借入を頻繁にする習慣があるのではないか」と不信感を抱くため、ローン審査に悪影響があります。

今後使用することが見込まれないのであれば、住宅ローン審査の前に未使用のカードローン枠はすべて解約しておいた方が良いでしょう

現在カードローンを利用しており、利用状況に問題ない場合

現在カードローンを利用している場合でも、利用状況に問題がない場合は審査に通過することは可能ですが、状況によっては落ちるリスクもあります

信用情報に問題が残っていない場合、返済比率を下げたり、消費者金融から銀行へ借り換を行うことで、審査に落ちるリスクを下げることができます。

返済比率を下げよう

「返済比率」を下げることでローン審査に落ちるリスクを下げることができます。

返済比率とは、個人の年収に対する返済義務のある借入金額がどれだけあるかを示した比率であり、この比率が大きければそれだけ年収に対して無理な借入をしているということになります。

計算式は以下の通りです。

(年間の返済額) ÷ (年収) = 返済比率

上記の算出式における「年間の返済額」は、借入予定の住宅ローンの年間返済額のほかに、カードローンの返済額も含まれます。

例えば、年収400万円で住宅ローンの年間返済額を100万円に設定した場合、カードローンの返済がなければ、100万円÷400万年で返済比率は25%となります。

しかし、カードローンの年間返済額が50万円あった場合、年間返済額は住宅ローンの返済額100万円とカードローンの年間返済額50万円の150万円になり、返済比率は150万円÷400万円で37.5%にまで跳ね上がってしまいます。

このように、カードローンを利用中の場合、その年間返済額が住宅ローンの年間返済額に上乗せされるかたちとなり、結果として返済比率が高くなってしまうのです。

この返済比率を下げるには、次の二つの方法があります。

返済期間を長くしよう

返済比率の上昇を抑えるためには、住宅ローンの返済期間を長くし、毎月の返済額を低くするという方法があります。

例えば、年収が400万円で、カードローンの年間返済額が50万円だった場合、住宅ローンの年間返済額を100万円にしてしまうと、年収のうち4割をローンの返済に充てなければならなくなり、金融機関がリスクを感じないはずがありません。

一方、カードローンの年間返済額は50万円そのままに、住宅ローンの返済期間を長くして年間返済額を60万円に抑えた場合、返済比率は30%以下にまで抑えられます。

金融機関によって返済比率の適切な基準はまちまちですが、30%以下に抑えておいた方が無難でしょう。

配偶者との所得合算をしよう

返済比率を低く抑えるもう一つの方法は、配偶者の収入を合算し、分母の年収を増やすことです

分母の年収が増えれば、同じ年間返済額であっても返済比率は抑えることができます。

ただし、所得の合算にあたって、配偶者の信用情報も照会されたり、銀行によっては所得の一部しか合算の対象とならないなど対応が異なりますので、銀行相談窓口であらかじめ確認しておきましょう

消費者金融のカードローンは銀行に借り換えよう

借入先に関しては、消費者金融から銀行カードローンへの借り換えを行うと良いでしょう。

一口にカードローンと言っても、銀行カードローンと消費者金融のカードローンとでは信用度が異なります。

消費者金融は銀行に比べ即日対応などキャッシングを利用しやすい借入先ですが、カードローン審査の基準は銀行よりも緩く、お金に困っているイメージなども持たれやすいことから、住宅ローンの審査における心証は良くありません。

銀行にはおまとめローンなどが利用できる場合もあるため、相談してみると良いでしょう。

また、借り換えは単に住宅ローン審査で心証を良くするたけではなく、月々の金利が下がることによる負担の軽減も期待できます

借り換えには別途銀行での審査が必要となりますが、住宅ローン審査の前に検討する余地はあるでしょう。

カードローンを借り換えすることによるメリットについては、「カードローンの借り換えによるメリットは何?金利による利息差を徹底解説」で詳しく説明していますので、参考にしてください。

現在または過去にカードローンを利用しており、利用状況に問題がある場合

現在カードローンを利用中、または過去に利用したことがあり、延滞などを生じさせてしまった場合、経過期間によっては審査に通ることは難しくなります

このような状態の時、最大限審査に通過しやすくするためには、どのような対策が必要なのでしょうか。

カードローンは全て返済しておくべき

カードローン利用中であり、かつ延滞が発生している場合は、信用情報が最悪の状態であるといえます。

このような場合、住宅ローン審査に通過する可能性はまずないといって良いでしょう。

延滞があれば速やかに支払いを終わらせるべきです。

また、過去数年の間に延滞などを生じさせてしまった場合は、現在利用中のカードローンの返済を全て終わらせておくべきです。

延滞歴がありかつ現在もローンが残っている状態だと、金融機関からはリスクのある顧客と見なされてしまいます。

信用情報を回復させる方法は「待つ」しかない

一度延滞などにより信用情報に傷がついてしまうと、信用が回復するには時間が経過するまで待つしか手立てがありません

しかし、この信用が回復する「待ち時間」は、傷がついた信用の内容によって異なります。

一般的に、カードローンの延滞による信用の欠落は、債務整理などに比べて回復要する時間が短い傾向にあります。

例えば、任意整理や個人再生などの債務整理は5年ほど回復までに時間がかかりますし、自己破産の場合は最長10年近く時間を要します。

これに対し、カードローンの延滞は、2カ月以上の滞納で1年から最長5年程度、最も重い強制解約であっても5年程度で回復します。

過去に延滞などをしてしまった場合は、現在この回復期間を参考に、あと何年待つ必要があるのか把握しておきましょう。

まずは返済・解約を行い、信用情報のチェックをしよう

カードローンの返済については、銀行窓口のほか、消費生活センター、日本クレジットカウンセリング協会、金融庁、法テラス、専門の弁護士への相談が可能です。

カードローンの解約や借り換えに関しては、まず窓口に相談してみましょう。

また、自分の信用情報は、日本信用情報機関(JICC)、シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行協会(KSC)の3機関に開示請求することで知ることができます。

カードローンに関して知りたいこと
返済について解約や借り換えについて信用情報について
相談、照会先・銀行窓口・銀行窓口・日本信用情報機関(JICC)
・消費者金融窓口・消費者金融窓口・シー・アイ・シー(CIC)
・消費生活センター・全国銀行協会(KSC)
・日本クレジットカウンセリング協会
・金融庁
・法テラス
・専門の弁護士事務所

住宅ローン審査においては、カードローンは完済しておいたほうが有利になります。

どうしても完済できないとき、返済に問題が生じたとき、借り換えを検討しているときなどは、それぞれ適切な相談窓口へ相談してみましょう。

返済に困ったときの相談窓口

まずはカードローン会社に相談しよう

カードローンの返済が滞ったまま放置しておくと信用情報がブラック化する要因となりますので、返済にお悩みの際はまずカードローン会社に一度相談することをおすすめします

事前の相談は最低限の信用を保つことができるほか、金利の引き下げや約定日の変更などの相談に応じてもらえるケースがあります

放っておくと会社から催促の電話がかかってくるなど精神的にもつらい状況に陥りますので、早めの相談を心がけましょう。

金融機関が不安なら専門の相談所があります

カードローンの返済に悩んでいる場合は、金融機関以外の相談窓口を利用する手もあります

代表的な窓口である「消費生活センター」は全国に無料相談窓口が設置されており、返済の相談や適切な相談相手の紹介をしてくれます。

また、「日本クレジットカウンセリング協会」では、カードローンの返済相談や多重債務問題について無料でカウンセリングを行っています。

電話やメールだけではなく、各地に相談室を設けており、対面による相談も受け付けています。

そのほかにも、金融庁や法テラス(日本司法支援センター)、有料ですが専門の弁護士事務所への相談も想定されます。

カードローンは放置しておくと生活面で様々な支障を来たしますので、困ったときは身近な相談窓口を利用するようにしましょう

カードローンの解約・借り換えの相談窓口

カードローンの解約、借り換えについては、銀行、消費者金融の窓口で相談に応じてもらえます

不要なカードローン枠の解約は、大手銀行であれば電話だけで手続きを完了することができます

ここで注意が必要なのは、カードローンの未払い履歴が残ったまま解約すると、金融機関の対応によっては最長5年間信用情報に傷がつく恐れがあることです

2カ月以上の延滞が1月でもある場合は、その情報が消える延滞後2年間は解約を待ったほうが無難です

カードローン枠の解約の際は、後述する方法で信用情報を開示し、直近に延滞がないか確かめるようにしてください。

自分の信用情報の調べ方

信用情報の開示は、信用情報機関に問い合わせることで確認することが可能で、インターネット、郵送、窓口の3種類の開示方法の中から選択可能です

ご自分の信用情報に不安がある方や、信用情報の回復時期を知りたい方は、住宅ローン審査の前に開示請求を行っておくと良いでしょう

インターネットの開示は即日可能で、土日祝日も利用することができます。

開示できる信用情報の内容は、カードローンの利用状況のほかに、クレジットカードの利用状況なども閲覧可能ですので、不安な情報はすべて確かめておくと良いでしょう。

開示請求先は以下の3機関です。

開示請求したら、開示書の「返済状況」の項目を見てみましょう。

ここに「異動」と記載されていた場合、いわゆる信用情報がブラックな状態となります。

また、「入金状況」欄に「A」の記載があった場合未入金状態、「P」の記載があった場合一部未入金状態ということになり、これが複数月続いていれば異動と認定されます。

開示書の表示はそれぞれの信用情報機関によって異なりますので、公式サイトを確認してください。

これまで見てきたとおり、住宅ローン審査への対応は、信用情報の状態によって様々です。

自分の信用情報を開示したら、その状況にあわせて適切な行動を心がけましょう。

チェック
カードローン審査に関するあらゆる情報は「カードローンの審査基準~独自データから大手5社の難易度を比較~」で詳しく解説しています。
監 修

竹内 誠一

社会保険庁・日本年金機構23年間在職し年金行政職に勤務。主に、厚生年金・国民年金の適用・給付業務に携わりながら、地域の事業主・住民の皆様の対応に従事。その後、社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーとして独立・開業。現在は、社会保険労務士・FPとして「働き方改革」「健康経営」及び「助成金」を活用した中小企業の経営のサポートしながら、経営者・個人起業家に未来志向のビジネスモデル・ブランディングを提案。また、FPスキルを視野にブライダル業界をサポートしながら、地域創生・社会課題の解決に取り組んでいる。

保有資格 :
  • ファイナンシャルプランナー(AFP)
  • 社会保険労務士
  • 公的保険アドバイザー

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