「消費者金融はやめとけ……」なんて言われた人は多いのではないでしょうか?
「危険」「ブラック」というイメージを抱いている人もいるでしょう。
しかし実は、正しい知識さえ知っていれば消費者金融を過度に恐れる必要はないのです。
今回の記事では、よく聞く「消費者金融のウワサ」に徹底的に答えていきます。これを読めば、消費者金融のイメージが一転するかもしれません。
消費者金融はやめとけって正しいの?4つのウワサに答えます!
「消費者金融はやめとけ」ではなく「闇金はやめとけ」が正しい
消費者金融で失敗しないための3つの心得
消費者金融を使うときは、ウワサの信じ過ぎにも注意しよう
消費者金融はやめとけって正しいの?4つのウワサに答えます!
消費者金融は盲目的に「やめとけ」なんて言われることが多いです。その理由は、主に以下の4つです。
- 一度でも借りると返せなくなる
- 家族や会社にばれる
- 家に怖い人が取り立てに来る
- ブラックリストに載る
これらのウワサは果たして本当なのでしょうか?それぞれ検証します。
【消費者金融のウワサ①】一度でも借りると返せなくなる
一度でも消費者金融からお金を借りてしまうと、借金が膨らみ続けてしまうと考える人は少なくありません。もちろん、借りたお金の返済のために他の消費者金融からお金を借りる、といったことを繰り返すと借金はなかなか減りません。
しかし現在の「貸金業法」では、違法な金利を請求されることはなく、借りられる金額の上限も明確に決められています。つまり、借金をし過ぎて泥沼にはまっていく……といった事態を防ぐための法整備がしっかりしているのです。
上限金利は「20%」
現在、消費者金融が貸し付ける金利の上限は20%と決められています。大手の消費者金融の場合は、実質金利が最大17~18%のところが多いですね。
大手消費者金融3社 | 実質金利 |
---|---|
アコム | 3.0%~18.0% |
プロミス | 4.5%~17.8% |
アイフル | 3.0%~18.0% |
ちなみに貸金業法が改正される前は、「グレーゾーン金利」と呼ばれる“法律の抜け穴”によって、20%以上の金利を貸し付けることも原則可能でした。しかし2010(平成22)年に貸金業法が改正された後は、どんなケースであっても20%を超える貸し付けは禁止されています。
「年収の3分の1までしか借りられない」という法律も
また、消費者金融で借りられる金額は税引前年収の3分の1までとも決められています。年収300万円の人であれば、100万円までしか借りられないということです。
これは「総量規制」と呼ばれる規制によって明確に定められています。この規制によって、借金が膨らみ続けることを抑制しているのです。
【消費者金融のウワサ②】家族や会社にばれる
消費者金融で借りると家族や会社にばれる、というウワサも根強いです。結論からいうと、会社にばれる可能性はゼロではありませんが、家族にばれる可能性は限りなくゼロに近いといえます。
本人確認のため「在籍確認」は必須
消費者金融に申し込むと、本人確認(在籍確認)が必ずおこなわれます。これは原則として会社に電話が行くため、会社にばれてしまう可能性は捨てきれません。
しかし、家族の別の誰かに電話が行くことはありません。電話が仮にあったとしても、消費者金融とは名乗らず「個人名で電話をかける」という配慮もされます。そのため家族にばれる可能性は限りなくゼロに近いといえるのです。
電話連絡は回避できることも
ただ、会社に電話を掛けられるのがイヤな人もいますよね。この場合、消費者金融によっては別の方法で在籍確認をおこなってくれるところもあります。
電話以外の在籍確認の方法は、消費者金融ごとに異なります。どうしても会社に電話が掛かってくることを避けたい場合は、それぞれのコールセンターで聞いてみましょう。
【消費者金融のウワサ③】怖い人が家に取り立てに来る
ドラマのイメージからか、“怖い人”が家に押しかけてくるというイメージを持っている人もいることでしょう。しかし現実には、こうしたことは起こりません。
取り立ても厳しく規制されている
貸金業法の改正によって、借金の取り立てに関する規制が強化されました。具体的には、消費者金融側が以下のような取り立て行為をすることを厳格に禁止しています。
- 深夜・早朝時間帯の連絡や訪問
- 勤務先などへの訪問、連絡
- 別の借り入れの強要
以上からも、いわゆる「怖い取り立て」は行われないことが分かります。
【消費者金融のウワサ④】ブラックリストに載る
「ブラックリスト」という言葉を耳にすることもありますよね。しかし「ブラックリスト」という言葉は、そもそも法律で定義されているものではありません。
「ブラック」とは、事故情報が登録されている状態のこと
一般的に「ブラック」とは、以下のような経歴がある方のことを指します。
- クレジットカードの支払いを61日以上延滞した
- ローンや奨学金の返済で61日以上延滞した
- 自己破産歴がある
こうした経歴は「事故情報」と呼ばれ、こうした情報があると消費者金融はお金を貸してくれません。
ちなみに「事故情報」などを一括管理しているのが、個人情報信用機関と呼ばれる組織です。つまり「ブラック」とは、個人情報信用機関に事故情報が登録されていることを指すのです。
個人情報信用機関は日本に3つ
個人信用情報機関は、日本国内に3つ存在します。
- JICC
- CIC
- 全国銀行個人信用情報センター
これらの個人信用情報機関が登録している情報は、3社間で共有されています。
そして消費者金融は、3つのうちどれかの個人信用情報機関に必ず登録しています。つまりどの消費者金融に申し込んでも、事故情報は筒抜けになっているということです。
「消費者金融はやめとけ」ではなく「闇金はやめとけ」が正しい
消費者金融と混同しやすいのが、闇金(ヤミ金)です。しかしこの2つは全くの別物です。
消費者金融とは何なのか、ヤミ金とは何が違うのか、ここでしっかりと確認しておきましょう。
消費者金融は、金融庁の許可が必ず必要
「闇金」とは、法律を度外視して個人にお金を貸し付ける会社のことを指します。
闇金は法律を守っていない違反企業ですので、闇金から万が一お金を借りてしまうと、明らかに返済不可能な高金利を貸されたり、悪質な取り立てに遭ったりする可能性があります。
そもそも消費者金融は、金融庁から認められないと貸付業をおこなうことができません。逆にいうと、金融庁から認められていないのに個人への貸付をおこなっている会社は「闇金」といえます。
ちなみに「登録貸金業者情報検索入力ページ」では、その会社が金融庁に登録されている会社かを簡単に確認できます。
「審査なし!」という広告には要注意
広告やチラシで「審査なし!」と謳っている会社も、ほぼ闇金といえます。
貸金業者が貸付をおこなうときには、申込者の返済能力を審査することが法律で義務付けられています。消費者金融の事業者によって審査の厳しさは異なるものの、「審査をしない」ということはありえません。
しかし闇金の場合は、「審査がないので誰でも借りられますよ」と言葉巧みに近づいてきます。これは明らかに違法なので、こうした甘い言葉には騙されないように気をつけましょう。
消費者金融で失敗しないための3つの心得
次に、消費者金融からの借り入れを考えた場合に気をつけたいことを3つ紹介します。闇金から借りないことはもちろんですが、以下の3つを心がけることで失敗せずにお金を借りられます。
- 事前シミュレーションは入念に
- 延滞しそうなときはコールセンターにすぐ電話
- 別のところで借りるという選択肢も視野に
それぞれ説明します。
【1】事前シミュレーションは入念に
大前提として、借入前に入念な返済スケジュールを立てておくことは欠かせません。特に大切なのが、いつまでに完済するかを明確に決めておくことです。
その場しのぎで借りる人のなかには、借り入れたことすら忘れてしまう人もいます。しかし利息分がなかなか払えないまま、結果的に事故情報として登録され信用に傷がつく……、といったことに繋がりかねません。
そこで、どうしてもお金を借りないといけないときは、いつまでに返済するかを必ず決めておきましょう。期日を定めると、逆算して今取るべき行動が見えてきます。返済のために支出を下げようといった行動も、強い意志のもと起こしやすくなるでしょう。
【2】延滞しそうなときはコールセンターにすぐ電話
消費者金融からお金を借りているけど、お金の準備がどうしても間に合わない……。
このような場合は、すぐにその消費者金融のコールセンターに電話してください。遅延前に電話することで、返済日をずらしてもらえたり、返済しやすい金額に変更してくれたりすることがあります。
消費者金融側としては、個人が支払い不能の状態、つまり自己破産になることは絶対に避けたいことです。貸し付けたお金が返ってこない可能性があるからです。
そのため、ある程度柔軟に返済スケジュールの見直しに応じてくれるので、返済が遅れそうな場合は事前に電話を入れて相談してみましょう。
【3】別のところで借りるという選択肢も視野に
貸付金利の上限が20%とはいえ、20%という利率が高いことは間違いありません。そのため消費者金融からの借り入れを考える前に、もっと条件よく借りられる場所がないか考えてみましょう。
そこで借り入れの選択肢として、以下の2つを紹介します。
- 銀行借り入れ
- 生活福祉資金貸付制度
- 契約者貸付制度
①銀行借り入れ
金利を低く抑えたい場合は、銀行からの借り入れも視野に入れましょう。
銀行と消費者金融からの借り入れの大きな違いは、保証の有無です。消費者金融は「無保証」で借りられる一方で、金利が高く設定されています。一方で銀行からの借り入れでは、「保証」が必要です。そのため、金利を低く抑えることができるんですね。
また消費者金融の場合は、「年収の3分の1までしか借りられない」という法律が適用されます。しかし銀行からの借り入れの場合は、この法律が適用されません。そのため年収の3分の1を超える額を借りることも可能です。
②生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度は、収入が低く、生活が困難な人に国が貸付をおこなう制度のことです。障害を持っている人や、65歳以上の高齢者も対象とされます。
生活福祉資金貸付制度は、大きくわけて4つの種類があります。そのなかの「総合支援資金」では、生活再建までの一時的な資金や、失業中の就職準備資金の貸し付けが受けられます。
「総合支援資金」の場合は、返済期間が10年と長く、連帯保証人をつけると無利子で借り受けることも原則可能です。詳しくは、厚生労働省の下記ページを参照してみてください。
③契約者貸付制度
貯蓄性の生命保険に加入していれば、保険会社から一定額を借り入れられる「契約者貸付制度」の利用も検討してみましょう。
貯蓄性のある生命保険に加入していると、積み立てた一部が「解約返戻金」として戻ってきます。契約者貸付制度では、この解約返戻金の7~9割を借りることができるのです。
保険に契約した当初は解約返戻金が少ない、といった点がデメリットになる人もいますが、引き出しに保証人が不要など、もしもの時のために知っておいて損はない制度といえます。
金利などの条件は保険会社によって異なるので、詳しくは保険会社に問い合わせてみてください。
消費者金融を使うときは、ウワサの信じ過ぎにも注意しよう
お金を借りないことはもちろん大切ですが、一時的にまとまったお金が必要となることもあるでしょう。
この場合、消費者金融が候補に入ってきますが、悪いウワサからなかなか踏み出せない人もいますよね。しかし現在の法律では、計画的に借り入れれば、個人が追い詰められるような状態にはなりません。
それよりも、色々なウワサに混乱して何を信じてよいか分からず、闇金の甘い言葉を受けてしまうほうが怖いことと言えるのです。
まずは今回お伝えしたことをもとに、消費者金融について正しい知識を手に入れましょう。賢く借りるうえで、知識は強力な武器となります。ウワサに踊らされずに、借入先は冷静に選びましょう。