クレジットカードの手数料がよくわからないという人は意外と多いです。
中には、手数料の仕組みがよくわからず、払う必要のないものでも何となく払ってしまっている方も多いかもしれません。
せっかく便利なクレジットカードなのに、手数料がかさんで家計を圧迫することは避けたいですよね。
そこで今回は、手数料が発生しない支払い方法から、手数料の注意点まで、クレジットカードと手数料の関係についてお話ししていきます。
クレジットカードの手数料が発生する場合としない場合
1-1.手数料の発生する支払い方法
1-2.手数料の発生しない支払い方法
分割払いにおけるクレジットカード手数料の計算方法
具体例1.合計金額を支払い回数で割り切れる場合
具体例2.合計金額を支払い回数で割り切れない場合
海外利用時のクレジットカード事務手数料
クレジットカードと手数料の意外な3つの落とし穴
落とし穴1.お支払い時にクレジットカード手数料が上乗せされる危険性がある
落とし穴2.現金払いより損する可能性がある
落とし穴3.代引き商品のクレジットカード払い
クレジットカードと手数料のまとめ
クレジットカードの手数料が発生する場合としない場合
クレジットカードの手数料は、支払い方法によって発生する場合としない場合があります。
まずは、手数料が発生する支払い方法と発生しない支払い方法をお話ししていきます。
1-1.手数料の発生する支払い方法
クレジットカードで購入した際に手数料が発生するのは、支払い方法を3回以上に分けた場合になります。
支払い回数を複数回に分けるのは、高額な商品を買う際に便利ですが、同時にカード会社に対して借金をしてしまうことになります。
そのため、分割払いを利用すると必ず手数料が発生してしまいます。
分割払い
分割払いは、3回〜36回程度まで選択でき、基本的に好きな支払い回数を指定できます。
しかし、お店側のシステムの都合上、「1,3,5,7,10回払いの中から支払い回数を選ばないといけない」というように、利用できる支払い回数に制限が掛かる事はよくあります。
リボ払い
毎月5,000円の支払い、毎月10,000円の支払いといったように、支払い回数ではなく、毎月の支払い金額を指定する支払い方法になります。
そのため、毎月のカードの支払いを安定させられるというメリットがありますが、設定金額以上利用した場合は、全て借金となるため注意が必要となります。
1-2.手数料の発生しない支払い方法
手数料がかからない支払い方法は、以下3つの支払い方法になります。
- 1括払い
- 2回払い
- ボーナス1括払い
クレジットカードの手数料は、お店側が負担するのが基本ですので、1括払い等であれば手数料は発生しません。
1括払い
クレジットカードで購入した商品代金を、1回ですべて支払う方法になります。一部の特殊なカードを除けば、手数料は一切発生しません。
クレジットカードの中には、リボ払い専用カードというものがあります。
リボ払い専用カードでは、1括払いを選択しても自動的にリボ払いになってしまいますので、手数料が発生してしまう恐れがあります。
2回払い
その名の通り、購入代金を2回に分けて支払います。 1括払いと同じく手数料が発生しませんが、2回払いは利用できないというお店は意外とあるので注意が必要です。
2回払いも分割払いですので、カード会社に借金するのと同じですが、2回払いまでは手数料なしで利用できます。
ボーナス1括払い
夏と冬のボーナス時に、1括で支払う方法になります。
1括払いとなるので手数料はかかりませんから、家電など高価なお買い物の際に便利です。
※給料にボーナスがない人でも利用できます。
夏と冬のボーナスの2回に分けて返済する「ボーナス2回払い」という方法もあります。
この場合は手数料のかかるカードが大半ですが、分割払いやリボに比べれば手数料が少なく済むケースも多いです。
分割払いにおけるクレジットカード手数料の計算方法
分割払いの手数料は、「利用代金100円当たりの分割手数料の額(円)」によって決められています。
計算式は次のようになります。
つまり、100円当たりの分割手数料をカード会社の公式ページで調べなければ、手数料を計算することはできません。
今回は、三井住友カードを例にして、分割払いにおける手数料の計算方法についてお話ししていきます。
下記が、三井住友カードの分割手数料の表になります。
支払い回数 | 3回 | 5回 | 6回 | 10回 | 12回 | 15回 | 18回 | 20回 | 24回 |
支払い期間 | 3か月 | 5か月 | 6か月 | 10か月 | 12か月 | 15か月 | 18か月 | 20か月 | 24か月 |
利用代金100円あたりの分割手数料(円) | 2.01 | 3.35 | 4.02 | 6.70 | 8.04 | 10.05 | 12.06 | 13.40 | 16.08 |
これから、具体例を挙げてご説明していきます。
具体例1.合計金額を支払い回数で割り切れる場合
合計金額を支払い回数で割り切れる場合は、シンプルになります。
5万円の商品を5回払いで購入するとします。
先程の図を元に手数料を計算すると、
購入代金(50,000円)×100円あたりの分割手数料(3.35)÷100円=分割手数料(1,675円)
となります。
つまり、分割手数料額が1,675円となるため、支払い総額は51,675円となります。
それを5回に分割すると、月々のお支払い金額は
合計金額(51,675円)÷支払い回数(5回)=1か月の支払金額(10,335円)
となります。
そのため、三井住友カードで10万円の商品を5回払いで購入した場合、10,335円の支払いを5回することになります。
具体例2.合計金額を支払い回数で割り切れない場合
合計金額を支払い回数で割り切れない場合は、少し複雑になります。
5万円の商品を3回払いで購入するとします。
先程と同じように分割手数料を計算すると、
50,000円×2.01円÷100円=1,005円
となり、この1,005円がカード会社に支払う手数料となります。
そのため、支払い総額は、購入代金の50,000円に手数料の1,005円を足した51,005円となります。
しかし、それを3回に分割すると、月々のお支払い金額は17,001.666・・・円となり、きれいに割り切れません。
そのため、割り切れない分の支払いは、1回目の支払いでキリが良くなるように支払います。
今回の場合は、次のような支払いとなります。
51,005円÷3回=17,003円(1回目), 17,001円(2回目以降)
海外利用時のクレジットカード事務手数料
海外でクレジットカードを利用する場合、「為替手数料」というものがかかります。
これは支払い方法に関係なく、海外でクレジットカードを利用する場合は、必ずかかる手数料となります。国際ブランドごのと手数料は下図の通りです。
国際ブランド | 基準レート | 為替手数料 |
VISA | Visaインターナショナルのレート | 1.63% |
MasterCard | MasterCardインターナショナルのレート | 1.63% |
JCB | JCB所定のレート | 1.60% |
AMERICAN EXPRESS | 主要な外国為替相場情報からアメリカン・エキスプレスが選択した銀行間のレート | 2.00% |
Diners Club | 所定金融機関の為替相場 | 1.30% |
上記の為替手数料を利用して、海外利用時の手数料を計算します。
計算式は次のようになります。
上記の計算式とは別に、為替レート(1ドル=○円というもの)も考える必要があり、その考え方も特殊ですので注意が必要となります。
- クレジットカードを利用した日ではなく、利用データがカード会社に届いた日のレート
- クレジットカード会社が定めたレートでの支払い
例えば、アメリカで三井住友カードを利用した場合、次のようになります。
1.(4月1日 1ドル=105円)
クレジットカードで100ドルの商品を購入
2.(4月4日 1ドル=100円)
クレジットカード会社に情報が届き料金が確定する
この場合、クレジットカード会社に情報が届いた段階で料金が発生するため、購入した時のレート(1ドル=105円)ではなく、情報が届いた時のレート(1ドル=100円)で計算されます。
つまり、実際に支払う金額は下記のような式になります。
100ドル(10,000円)×1.63%=163円→10,163円の支払い
海外でクレジットカードを利用した際の手数料は分かりにくいので、別途「クレジットカードを海外で利用した時にかかってしまう手数料の謎」で詳しく説明していますので、海外でもクレジットカードを使われる場合は、参考にしてみてください。
海外旅行でクレジットカードを使う場合、国内のようにお支払い方法を選べないことが多いため、原則として1括払いになるカード会社が多いです。
4.クレジットカードと手数料の意外な3つの落とし穴
残念ながら、クレジットカードを利用していると、思わぬ手数料を請求されて困ってしまう事がしばしばあります。その代表的なものが、以下の3つです。
- 料金にクレジットカード手数料が上乗せされる危険性がある
- 現金払いより損する可能性がある
- 代引き商品のクレジットカード払い
落とし穴1.お支払い時にクレジットカード手数料が上乗せされる危険性がある
クレジットカードを利用する際、合計金額の約3%~7%の手数料を、お店(カード加盟店)がカード会社に支払います。
その手数料分をお客側に負担させようと、クレジットカードでの支払い客にのみ、手数料分を上乗せした金額で請求してくるお店が後を絶たず、大きなトラブルになっています。
手数料の上乗せ行為は、れっきとした加盟店規約違反ですので、規約違反を伝えてもダメだった場合は、必ずカード会社に連絡しましょう。
クレジットカード払いで商品を購入したあと、返品の手続きを取ると、返品手数料とともにカード手数料を請求されることがあります。
この場合はお店が明記している規約に従う必要があります。
明記していない場合は、お店側のミスで返品する場合は、基本的に支払う必要はありませんし、自分のミスであれば支払う必要があります。
国によっては、支払い回数に関係なく、カード取扱手数料(サーチャージ)の加算が認められている国もありますので、その場合は国で決められたルールですので支払う必要があります。
落とし穴2.現金払いより損する可能性がある
クレジットカードを利用された場合、支払い方法に限らずお店側はクレジットカード会社に手数料を支払う事になります。
クレジットカードの利用料金に現金を上乗せするのが禁じられているため、大型家電量販店などでは、ポイントカードのポイント還元率を現金払いの時より低くすることもよくあります。
つまり、クレジットカードの利用によって発生した手数料分の負担を、ポイント還元率等を利用して減らしていることになります。
そのため、部分的にみると現金払いより損していることになります。
落とし穴3.代引き商品のクレジットカード払い
代引きを利用した場合、現金払いでも代金引換額に応じて手数料が発生しますが、クレジットカードで支払う場合は、さらにカード決済手数料も数%かかりますので、注意が必要です。
また、ネットショッピングで商品を購入する際に、クレジットカード払いが選択できるにもかかわらず代引きを利用した場合、クレジットカードによる支払いはできなくなりますので、この点も注意するようにしてください。
クレジットカードと手数料のまとめ
最後に、今回の大事なポイントを整理しましょう。
- 一括払いでは基本的に手数料無料
- 分割払い・リボ払いは支払い回数や期間によって手数料が高額になる
- 分割払いの手数料は、クレジットカード会社やカードの種類によってまちまち
- 海外旅行でクレジットカードを使う場合、国内のようにお支払い方法は選べない
- 海外利用では、国際ブランドの決済レートによって事務手数料が必要
- クレジットカード客に手数料を上乗せする行為は、れっきとしたルール違反!
クレジットカードと手数料の関係は理解していただけましたか?
正しい知識を身に付けて、ムダな手数料を払わないで済むように心がけたいですね。