これからクレジットカードを持とうと考えている方はもちろん、実際にクレジットカードを使っている人でも、限度額がよく分からないという人は少なくありません。
しかし、クレジットカードの限度額をよく理解せずにクレジットカードを利用した結果、気付けば多額の借金をしてしまっているということは少なくありません。
そこで今回は、クレジットカードの限度額についての基礎知識はもちろん、限度額の仕組みや上手な付き合い方などを、お話ししていきます。
クレジットカードの限度額についてきちんと知ることで、クレジットカードをしっかり使いこなすことが出来ます。
0.はじめに
1.限度額に関する3つの基本
1つ目.限度額とは
2つ目.限度額とショッピング枠の関係
3つ目.限度額とキャッシング枠の関係
2.限度額と利用可能額の関係
2-1.利用残高と限度額の関係
2-2.分割払いと限度額の関係
3.限度額を上げ下げする方法
3-1.限度額を上げる3つの方法
3-2.限度額を下げる方法
4.知らず知らずのうちに借金を抱えてしまう仕組み
仕組み1.基本的に限度額は勝手に変わる
仕組み2.毎月の支払さえきちんとしていればカード会社から連絡は来ない
仕組み3.限度額一杯で使えなくなるまで使いすぎに気づかない
5.クレジットカードの限度額に関する4つの疑問
疑問1.理想の限度額の大きさ
疑問2.最初の限度額の大きさ
疑問3.限度額を超えた場合の利用方法
疑問4.年収と限度額の関係
6.まとめ ~番外編~限度額に縛られたくない人におすすめのクレジットカード
0.はじめに
クレジットカードの限度額について分かっていないと、「いつの間にか借金していた…」ということが、意外と多くあります。
今回は、『具体的にどういった流れで借金をしてしまうのか?』という点についてお話ししていきますが、そもそもクレジットカードと限度額の関係があいまいだとイメージしにくい部分でもあるため、まずはクレジットカードの限度額ってなんだ?という点について話ししていき、その後で具体例を紹介しようと思います。
そのため、限度額の仕組みより、借金をしてしまう具体例のみ知りたいという場合は、4.知らず知らずのうちに借金を抱えてしまう仕組みを読んでみてください。
1.限度額に関する3つの基本
利用限度額に関する基礎知識として、以下の3つをご説明します。
- 1つ目.限度額とは
- 2つ目.限度額とショッピング枠の関係
- 3つ目.限度額とキャッシング枠の関係
1つ目.限度額とは
限度額とは、「この金額までならカードを利用できる」という上限のことになります。はじめにカード会社が利用者の年収や支払い能力などを審査した上で、最初の金額が設定されます。
限度額に達した時点で、利用した分の金額を支払わない限りそのカードは使えなくなってしまいます。
限度額は、「利用限度額与信枠」とも呼ばれます。
2つ目.限度額とショッピング枠の関係
限度額には2つの内訳があり、「ショッピング枠」と「キャッシング枠」という2つの枠があります。
「ショッピング枠」とはその名の通り、お店やネットでお買い物をする通常のショッピングに使える上限金額のことです。
通常、このショッピング枠がクレジットカードの限度額であり、ショッピング枠がそのままクレジットカードの限度額となります。
つまり、ショッピング枠が10万円と設定されていれば、クレジットカードの限度額は10万円となります。
3つ目.限度額とキャッシング枠の関係
「キャッシング枠」とは、クレジットカードで現金を借りることが出来る金額のことです。
例えば、ショッピング枠50万円、キャッシング枠30万円のクレジットカードの場合は、買い物で50万円、借金で30万円利用出来るという事になります。
ただし、次の図のようにキャッシング枠はショッピング枠の一部であるということに、注意する必要があります。
先程、クレジットカードの限度額はショッピング枠と同じとお伝えした通り、クレジットカードで利用できるお金は、ショッピング枠の金額までになります。
つまり、ショッピング枠50万円、キャッシング枠30万円のクレジットカードだからと言って、厳密には買い物で50万円・借金で30万円の計80万円は使えません。
この部分は少し分かりにくいので、下記の図を見てください。
図のように、ショッピング枠で50万円、キャッシング枠で30万円あるクレジットカードでも、クレジットカードの限度額は50万円である為、ショッピング枠とキャッシング枠を合わせて50万円までしか使う事が出来ません。
例えば、ショッピングで40万円使ってしまった場合、残りの利用可能額が10万円しかないため、キャッシング枠が30万円であったとしても、10万円までしかお金を借りる事が出来ません。
2.限度額と利用可能額の関係
クレジットカードの限度額は必ずしも利用可能額とはなりません。
ここでは、クレジットカードの限度額と利用可能額との関係についてお話ししていきます。
2-1.利用残高と限度額の関係
クレジットカードの限度額は、1か月に使える金額ではありません。
限度額から利用残高を引いた金額を、支払日から支払日の間で使う事が出来るというものになります。
クレジットカードでリボ払いの方、手数料が高くなる点に注意です。
ほとんどの場合、リボ払いを続けるのであればカードローンでお金を借りた方がオトクです。
カードローンのなかでもおすすめはプロミスです。
- 大手カードローンのなかでは最も金利が低い17.8%(他は18.0%)
- 30日間の無利息サービスあり
プロミスにはお試し診断もあるので、気になる方はぜひご利用ください。
利用残高とは、現在までにクレジットカードで利用した金額となり、未払いのお金になります。そのため、限度額から利用残高をマイナスした数字が、次の支払い日までに利用可能な金額となります。
ここは少し難しい部分ですので、限度額10万円で月末締め翌月26日払いのクレジットカードを例に図を作成したので、まずは下記の図を見てください。
※限度額は10万円になります。
月末締め翌月26日払いのクレジットカードの場合、上記の図のように、5月に利用した金額を6月26日に支払う事になります。
そのため、6月1日~25日の間に利用した4万円は未払いの状態となります。このお金が利用残高となるので、7月26日までにあと6万円使えるという事になります。
2-2.分割払いと限度額の関係
一括払いの場合、先ほどのようにクレジットカードの利用日と支払日の関係にのみ注意すれば大丈夫ですが、分割払いの場合は、商品代金にも注意が必要となります。
限度額が30万円のカードでも、50万円の商品を5回払いに指定すれば、月々の支払い額は10万円+手数料となるので、買う事ができると勘違いしている人が非常に多いですが、商品の値段が限度額を超えているものに関しては、購入することが出来ません。
クレジットカードの仕組み上、分割払いを選択しても、一旦は商品代金の全てをクレジットカードで支払う事になります。
その後、選択した支払い回数に応じて、毎月決まった金額を支払っていくことになります、
ここも少し分かりにくい部分なので、限度額10万円月末締め、翌月26日払いのクレジットカードで、5万円の商品を5回の分割払いで購入した場合の図を作成したので、参考にしてみてください。
※手数料の部分は省いています。
このように、分割払いを選択しても、一旦はクレジットカードの利用額は商品代金全ての5万円になります。
そこから、毎月1万円+手数料の支払いをしていくこととなります。
3.限度額を上げ下げする方法
限度額はあくまでカード会社の判断で決められるものですが、カードの利用頻度やライフスタイルに合わせて変更することも可能です。
3-1.限度額を上げる3つの方法
限度額を上げるための近道は、何よりも日々の利用実績を積み重ねることです。具体的な方法は次の3つになります。
- 方法1.細かい買い物でも利用する
- 方法2.延滞をしない
- 方法3.リボ払いや分割払いを多用しない
海外旅行や大きな買い物をする際に限度額が不安だという場合は、事前にカード会社に連絡をすれば一時的に限度額を引き上げてもらうことも可能です。
方法1.細かい買い物でも利用する
まず、どんな細かいお買い物でもカードを使うようにしましょう。せっかくクレジットカードを作っても、まったく利用しないままでは限度額が上がることはありません。
また、高額商品を購入するときだけカード使うというのもあまり効果的な方法ではありません。
限度額を増やすのであれば、食事や小さな買い物でも積極的にカードを使うことが重要になります。
大事なのは決済金額ではなく、決済回数が多く、延滞なく支払う事になります。
光熱費や携帯料金など月々の生活費をカード払いにすれば、支払いも楽になり、ポイントも貯まるため一石二鳥です。
方法2.延滞をしない
クレジットカードの延滞は絶対にしてはいけません。
限度額と言うのは、カード会社からの信用の証になります。そのため、延滞する人=信用出来ない人となり、限度額が下がってしまいます。
また、悪質な延滞を繰り返してしまうと、最悪クレジットカードを強制解約されてしまうため、限度額に関係なく、延滞には注意する必要があります。
方法3.リボ払いや分割払いを多用しない
リボ払いや分割払いが複数あると、カード会社からはお金に困っている顧客だと判断される恐れがあります。
そのため、極力これらの支払い方法を使わないようにすることが、限度額を上げるポイントになります。
3-2.限度額を下げる方法
限度額を下げる方法もあります。限度額が必要以上に高いと、万が一カードを紛失して不正利用されたときに不安だという方もいるでしょう。
その場合はカード会社に電話するだけで限度額を引き下げてもらうことが可能です。ただし、一般的に下限が10万円となるので、それ以下には落とせません。
キャッシング機能が不要な場合は、あわせてキャッシング枠を0円にしてもらうのもおすすめです。
利用限度額を下げることで、クレジットヒストリーが傷つくということはありません。むしろ、計画的にカードを利用できていると判断されます。
4.知らず知らずのうちに借金を抱えてしまう仕組み
ここから、クレジットカードで借金を抱えてしまう仕組みについてお話ししていきます。
仕組み1.基本的に限度額は勝手に変わる
クレジットカードの限度額は、カード会社の判断で、上がったり下がったりすることがほとんどになります。
基本的には、毎月定期的に利用し、支払日にきちんと支払いを行っていれば、限度額は自然と上がっていきます。
ただ、支払い可能見込み額を超えた場合は、勝手に限度額が下がる可能性があります。
支払い可能見込み額とは、カード会社が利用者の年収やクレヒスなどをチェックし、「これぐらいなら返せるだろう」と判断した金額のことです。これによって、最初の利用限度額が設定されるだけでなく、定期的に限度額が見直されます。
そのため、年収が極端に下がったり、借金が膨らんだりすると、支払い可能見込み額が少なくなり、限度額が下がってしまいます。
仕組み2.毎月の支払さえきちんとしていればカード会社から連絡は来ない
クレジットカードは、支払日にきちんと支払さえ行っていれば、基本的にカード会社から連絡が来ることはありません。
※クレジットカードが不自然に利用された場合は、不正使用の可能性があるため連絡が来ます(例:ほぼ同時刻に日本と海外で利用される)。
そのため、分割払いやリボ払いを多用し、利用可能額がどんどん少なくなっていっても、毎月の支払いをきちんとしている限り、カード会社からの連絡はありません。
仕組み3.限度額一杯で使えなくなるまで使いすぎに気づかない
毎月きちんと支払いをしている場合、限度額一杯で使えなくなるまで、クレジットカードの使いすぎに気づくことはありません。
そのため、分割払いやリボ払いをよく利用している人は、金銭感覚が徐々になくなっていってしまい、気づけば限度額分の借金を抱えているという事が頻発しています。
さらに、そうした人達は分割払いやリボ払いだけでなく、一括払いも利用している場合がほとんどのため、知らず知らずのうちに限度額が上がっており、想像以上の借金を抱えてしまうというケースもあります。
5.クレジットカードの限度額に関する4つの疑問
クレジットカードの限度額について、よくある疑問を4つまとめました。
疑問1.理想の限度額の大きさ
理想の限度額の大きさは、
3か月で消費する金額+年に数回する贅沢な買い物の1回分の金額+α
この金額がベースになると思います。
例えば、月の平均消費金額が15万円で、年に数回5万円前後の旅行に行く人であれば、50~60万円ほど限度額があれば、十分だと言えます。
クレジットカードで支払う金額の総額になります。
そのため、水道光熱費や携帯代もクレジットカードで支払うとなると、社会人1年目でもかなりの金額になると思います。
疑問2.最初の限度額の大きさ
初めてクレジットカードを手にする人が最初に設定される限度額は、10~30万円くらいになる事が多いです。
また、これは一般カードの場合であり、初めからゴールドカードを取得できた場合はもっと限度額が高い状態で発行されることも少なくありません。
細かい限度額は個人によって違いますが、基本的に初めてクレジットカードを持つ人の限度額は、50万円以下になる事がほとんどです。
疑問3.限度額を超えた場合の利用方法
原則的に、限度額に達した時点でそれ以上カードは使えません。
ただ、一時的に限度額を引き上げるという事も場合によっては出来るため、絶対に使えないというわけではありません。
限度額に達していても、1度はETCカードで高速道路のゲートを通過できる事ができる可能性が高いです。そのため、限度額が一杯になっていることに気づかずに、ETCレーンを通っても急に止まるという可能性は少ないです。
ただし、限度額を超えた状態で1度クレジットカードを利用した場合、ETCでも使えなくなるので注意が必要となります。
疑問4.年収と限度額の関係
年収が高くないと限度額が大きくならないという事はありません。
もちろん、100万、200万、300万と限度額をどんどん上げていくのであれば、それに見合う年収というものも必要となってきます。
しかし、自分に適した限度額まで上げるのであれば、年収よりも日々の利用頻度や利用状況の方が重要になってきます。
6.まとめ
最後に、今回のポイントをまとめていきます。
- 限度額は月々の利用上限ではなく、トータルの利用金額である
- ショッピング枠とキャッシング枠は関連している
- 分割払いやリボ払いでも、限度額を超えた買い物はできない
- 限度額を上げるには、日々の利用実績を積み重ねることが大切
- 限度額は、知らず知らずの内に変わることがほとんど
限度額とは、カード会社からの「信用」そのものです。
ご自身のライフスタイルに合った限度額を知った上で、クレジットカードを有効活用したいものですね。
~番外編~限度額に縛られたくない人におすすめのクレジットカード
適正限度額や利用可能額に縛られずに、自由にクレジットカードを使いたいという人も少なくありません。
そこで、限度額に縛られることなく、自由に使えるおすすめのクレジットカードを2つご紹介します。
アメリカン・エキスプレス・カード
詳細
ステータスカードと言えば、アメリカンエキスプレスカードであり、通称アメックスグリーンと言われる、アメックスの中では最低ランクのカードになります。
アメックスで最低ランクと言うと、ステータスカードとしての価値がなさそうに感じてしまいますが、年会費12,000円(税抜)と、他のカードのゴールド並みの年会費が必要となり、これだけでも十分なステータスと言えます。
以前は、JCBやVISAは使えるのに、アメックスだけ使用できないという店舗も多かったですが、今はJCBが使える店であればほぼほぼ使えるため、そうした不便もありません。
アメックスは、世界で愛されるステータスカードであり、アメックスグリーンであっても、十分なステータスがあります。
20代でアメックスゴールドを持つというのも一つの選択肢ですが、20代のうちはアメックスグリーンというのもオススメです。
ダイナースクラブカード
詳細
ダイナースクラブカードは、日本で最初に発行されたクレジットカードになります。
このカードはダイナースの一般カードですが、認知度の高さや年齢制限、利用可能なラウンジ数、サービスとあらゆる面で優れたゴールド級のカードだと言えます。
ダイナースクラブカードは、ダイナースクラブの中で最低ランクのカードであるため、他のゴールドカードを入手するためのコツである、下位ランクのカードを使うという手が使えません。
そのため、取得難易度はゴールドカードの中で、最上級と言っても過言ではありません。
ただ、若い人の中には知らない人もいるので決して万能カードではありませんが、30代40代以上の方であれば、ほぼみんなが知ってるステータスカードになります。
若い人には目立たないカードが欲しいという方や、ゴールドの券面が苦手という方に人気のステータスカードになります。