現金よりスピーディーに支払えて、ポイントがお得にたまる「キャッシュレス決済」。
あなたは、日ごろの買い物でキャッシュレス決済を使っていますか?
日本のキャッシュレス決済比率は24.1%(2018年)にとどまっています。
このような状況を危惧して、日本政府は2025年までにキャッシュレス決済比率を40%にまでアップさせる目標を掲げ、強力に推進しています。
「100億円あげちゃう」「20%還元」など、お得感をウリにしているキャッシュレス決済が多い中で、今回ご紹介する「Pollet(ポレット)」は一風変わった仕組みで注目を集めています。
見た目はふつうのVisaプリペイドカードですが、様々なポイントや商品券・外貨、さらには身の回りの不用品までも残高にチャージできてしまうのが特長です。
なぜこのような仕組みを考えたのか、Pollet株式会社 事業開発部 ゼネラルマネージャーの永田絵美さんにお話を伺いました。
眠っている資産をまとめられる一枚
―本日はよろしくお願いいたします。
まずは、Polletの概要を教えていただけますでしょうか。
Pollet(ポレット)は、現金にとらわれずポイントや商品券、外貨などをチャージすることができるVisaプリペイドカードです。
クレジットカードのような与信審査もなく、ネットのみで使えるバーチャルカードなら最短1分で作ることができます。
Pollet Millionはネットショップはもちろん、世界中のVisa加盟店でショッピングに使うことが可能です。
―なぜPolletのようなサービスを作ろうと考えたのでしょうか?
Polletの親会社(株式会社オズビジョン)は、ポイントサイト「ハピタス」を運営しています。ハピタスは20代~30代の女性や主婦層の方に多く使っていただいて、流通総額が年間1,000億円、ポイント発行額は累計180億円を超えました。
そんな「ハピタスポイントを街のお店で自由に使えるようにしたい」という想いのもと、Polletが誕生しました。
このような経緯があって、サービスの名前もPointとWalletをつなげた造語の「Pollet」になっています。
―Polletは、自社のハピタスポイントだけでなく他社ポイントサイトのポイントやLINEポイントなどもチャージできるようになっています。なぜこのような仕組みになっているのですか?
これは野村総研が出しているデータなのですが、ポイントやマイルの発行額は1兆円に迫る一方で、その4割が休眠、つまり使われていない状態だと言われています。
なぜ使われていないかというと、使える場所が限られていたり、使うにも満たない少額のポイントがあちこちで発行されていたり、あとはポイントの有効期限を切らしていたりする。この3つが大きいと思います。
そこで、サービスの構想段階ではハピタスポイントだけをチャージする方向で考えていたのですが、「ハピタスだけに限定しないほうがもっと便利ではないか?もっと世界観が広がるのではないか?」という話になり、様々なポイントをチャージし集約させることができるように広げていきました。
―現在は、商品券や外貨もチャージできますし、2020年2月からは「モノチャージ」も開始されましたよね。
もともとは、先ほどお話ししたように「休眠しているポイントを一つにまとめる」というところから始まりましたが、ポイント以外にもいろいろなものを持て余しているのではないか、というのが根底の想いとしてありました。
そこで、「眠ってしまっている価値を呼び起こす」という視点から、自宅に眠るテレカやハガキ、商品券、そして旅行で余ってしまった外貨… さらには捨てたくても捨てられない、不要品の買取チャージを思いつきました。
不用品というと、フリマアプリに出品して売る人も多いと思いますが、フリマアプリとの違いは、やっぱり「手間暇がかからない」というところです。段ボールに何でも詰め込んで送るだけですから。
ちょっとでも高く売ろうというならフリマアプリの方がいいと思うのですが、働いている方や子育てに追われている方はそこまで手間暇をかけていられないと思うので、そのような方に使ってみてもらいたいですね。
「休眠資産をチャージする」文化を広げたい
―他との違い……というところで、クレジットカードをはじめ数ある決済手段がある中で、Polletはどのような立ち位置になるのでしょうか。
Visaプリペイドというくくりで言うと、還元率をウリにするところもあれば、クレジットカードを持たない若年層に特化したサービスもあるなど細分化されていますが、Polletは「チャージする入口の豊富さ」という点で、どちらにも重複しないと思っています。
今はスマホ決済も決済時の還元にすごく力を入れていると思うのですが、弊社が還元率や増量で競争しても、いつか限界が来るな、というところもあります。
そういうところと戦おうというよりは、「メインカード」ではなくても「2枚持ちの1枚」みたいなポジションで多くの人に利用される、独自の文化みたいなものを広げていきたいと思いますね。
―独自の文化、というと……?
「休眠資産をチャージして使う」というところですね。
可処分所得がだんだん減ってきている傾向にあるなかで、例えば育児や介護があって働きたくても働けないような方が、今持っている資産をPolletにチャージして使うことでけっこう楽しい思いができる……みたいな価値観を提供できればと思います。
それで地域や経済が多少でも潤えば、それが社会貢献にも繋がるのかなと。
お金を借りるという文化はけっこう定着していると思うので、眠っているモノをキャッシュ化して楽しむ、というカルチャーも定着したら嬉しいですね。
あなたの日常に+αの彩りを
―今後、Polletはどんな風に進化していく予定なのですか。
この1年ぐらいは、不用品のモノチャージを広めていきたいなと思っています。
今提携しているポイントだけでは、どうしてもターゲットが限られてきてしまいます。
商品券や外貨によるチャージでそのパイは多少広がってきたので、モノチャージでプロモーションをおこなって、さらに多くの方にご利用いただきたいですね。
その後に関しては、もっといろいろなものをチャージできるようにしたいと考えています。
まだ空想の段階ですが、空間だったり、時間だったり……。
―空間ですか!どんな形で実現するのか気になります(笑)
様々な休眠資産をチャージできるようになった先に、Polletはどんな「お金の未来」を描いているのでしょうか?
今まで、「お金」は仕事の報酬として得るものだったと思うのですが、もう少し違う手段もあるよ、という風にできればと思っていますね。
「もう少しお金が欲しい」けど働ける時間は限られている…という方も多くいらっしゃいます。
そういった方々の想いを、ポイ活といっしょに、あるいは不用なモノといっしょにPolletが少しでもカバーし、一般所得だけに依存しない豊かな社会を実現したいと考えています。
Polletは「人生に彩りを」というビジョンを掲げています。
Polletを通して、自分の日常にプラスアルファで何か楽しいことをしてみてほしいです。