あなたは、「投資」にどのようなイメージを持っていますか？
よく分からない、難しくて大変そう、たくさんのお金が必要なのでは？……といったイメージがある方は、ぜひこの記事を読み進めてください。
投資に対する物理的・心理的なハードルを下げようとしているのが、おつりで本格投資にチャレンジできるサービス「トラノコ」です。
開発・運営を行うTORANOTEC株式会社 代表取締役社長のジャスティン・バロックさんは、日々の生活で必ず発生するおつりや、あちこちに散らばっているポイントをトラノコに集約し、毎月コツコツ投資に回して「将来のための宝物を作ってほしい」といいます。
「金融サービス調査隊」今回は、トラノコの使い方やサービスにかける想いをバロックさんに伺いました。
将来のための“虎の子”金融資産をコツコツ投資できるアプリ
―まず、サービスの概要について教えてください。
「トラノコ」は、誰もが手軽に始められる投資サービスです。
日々のお買い物で発生する「おつり」やポイントを5円から1円刻みでコツコツと投資することが可能です。
プロが運用する3つのファンドから1つを選ぶだけで、グローバルに分散投資をすることができます。これまでの投資に対する印象を一変させるサービスです。
―トラノコを作ろうと思われたのはどのようなきっかけがあったのでしょうか？
私は長年日本に住んでいますが、日本は「投資を始める上でのハードルが高い」と思っていました。
ある程度まとまったお金がないと投資を始められなかったり、口座を作るために金融機関に出かけていく必要があったりしていました。
今の20代～40代の方々のうち、5割以上の方は投資した経験がないという調査結果も出ています。20代に至っては7割以上が投資未経験です。
若い方は貯蓄している金額も多くないため、「貯蓄から投資へ」と言われても、なかなか投資に手を出しづらい状況になっています。
つまり、英語で言う“On Ramp”、投資の初心者でも始めやすいサービスがあまりなかったと思います。
そこで、誰もが持っているスマートフォンをベースにして、誰もがする日々の買い物の「おつり」から簡単な仕組みで本物の投資をできるようにしようと考えました。
コツコツと積立投資をしていって将来の宝物を作ってほしい、という意味で、「トラノコ（虎の子）」と名付けています。
―実際の利用者も、投資初心者が多いのでしょうか？
はい。
現在多くのユーザーにトラノコをご利用いただいていますが、そのうち6割以上は投資に初めて触れた方たちです。
また、比較的若い40代までの世代が利用者の8割を占めていて、次世代の投資家としてこれから長く資産運用を行っていける方が多いです。
昨今「老後2,000万円問題」が取り沙汰されていますが、将来にむけて長期的に投資を始めてみたいけれど、いきなり大きな金額を動かすのは怖い……という方に選んでいただけているのだと思います。
「おつり」やポイントで5円から本格投資
―トラノコの具体的な使い方について教えてください。
口座開設を済ませたら、今お使いのクレジットカードやAmazon・楽天などのECサイトと連携させます。すると、お買い物をするたびに購入金額の端数が自動計算されて「おつり」にカウントされます。
端数の計算は「100円単位」「500円単位」「1,000円単位」の3段階に設定できます。
例えば、端数を「500円単位」に設定して440円の買い物をしたとすると、60円分がおつりになるイメージです。
計算された「おつり」はトラノコ上で確認できて、投資に回すか判断できます。
「今月はお金を使いすぎてしまったから投資に回す額も抑えたい……」という場合は、チェックを外しておけば、そのおつりは投資されません。
逆に「今月は余裕があるからもう少し投資できそう」という場合には、自由に金額を入力して投資額を増やすことも可能です。
投資に回すお金は、いつも使っている銀行の口座に用意しておけば、毎月1回自動で引き落とされます。
―投資に回せるのはおつり以外にもあるそうですね。
トラノコでは、おつり以外にも各種ポイントやANAマイルによる投資ができます。
現在は、nanacoポイント・ANAマイル・Gポイント・ドットマネーなど8つのポイントを投資に回すことができますが、他のポイントも使えるように拡大していく予定です。
あちこちに少しずつ貯まっている様々なポイントをまとめて投資にまわすことができるのは大きなメリットです。
また、上記のポイントを持っていない場合でも、トラノコ上でアンケートに答えたり、プロモーション動画を視聴したりすることで、投資に回せるポイントを獲得できます。
―おつりやポイントは、どういったものに投資できるのですか？
トラノコを運営しているTORANOTEC投信投資顧問株式会社が運用する投資信託のファンド3つのうち、どれか一つに投資できます。
- 債券の割合を高めにして安定を重視した「小トラ」
- 株式の割合を高めにして投資リターンを重視した「大トラ」
- 安定とリターンのバランスを重視した「中トラ」
初心者の方にとって、たくさんのファンドの中からいきなり1つを選ぶのは大変だと思いますので、あえて3つに絞りました。
どのファンドを選んでも、日本をはじめアメリカや欧州・新興国の株式や債券、不動産に幅広く分散投資することができる仕組みです。
市場の現状や自分が投資したファンドの運用実績などは、トラノコ上で簡単にチェックできます。
実際に、98.5%のユーザーさんがトラノコを通してコツコツと収益を上げることができています（※注1）。
（※注1）「おつりで投資「トラノコ」、運用収益では98.5%のお客様がプラスに」TORANOTEC株式会社プレスリリースより。
「コツコツ」を応援する様々な仕組み
―利用料金などはどうなっているのでしょうか。
月額の利用料金として300円（税込）と、ファンドの運用報酬としてトラノコに預ける純資産額の年0.3%（税抜）を頂いています。
日々の生活の中で投資を無理なく続けていただくために、わかりやすい料金設定にしています。
運用報酬は一般的なアクティブファンドの平均（1.18%※注2）と比べてもかなり低く設定しており、月額利用料金を固定額にすることで、投資額が増えていけばいくほどコストは相対的に安くなるようになっています。
トラノコで数百万円を投資してくださっているユーザーさんもいますが、手数料の安さと「コツコツ投資」の楽しさを気に入っている、という声を頂いています。
（※注2）出所：投資信託協会 アクティブファンドの国内平均運用報酬2018年12月、税抜き。
また、トラノコを使った投資生活を応援するために、ANAマイル・dポイント・nanacoポイントのいずれかを毎月プレゼントしたり、ご自宅のガス料金（ニチガス）が毎月100円引きになったりするサービスも実施しています。
登録後3ヶ月間は月額300円の利用料が無料になるので、自分自身の手でコツコツ始める本格的な投資を体験してみてほしいです。
―ポイントやマイルの連携もそうですが、トラノコは様々な企業・サービスとの連携を進めていますよね。
銀行や証券会社、電力会社や出版社、ユニークなところではコインパーキングの運営会社など、様々な業種の企業と連携を進めています。先日も、暮らしのサブスクリプションサービス「OYO LIFE」と連携をスタートしました。
これらのサービスをすでにお使いの方は、サービス経由でトラノコに登録することで、利用料無料の期間を延長できたり、投資に回せるポイントをもらうことができたりします。日々の暮らしを支える様々なサービスと連携することで、資産運用が人々の生活のあたり前の一部となって行ってほしいと考えています。
―証券会社とも連携しているのは意外でした。
証券会社とトラノコは、投資手段を提供している点はどちらも同じですが、できることが異なります。
トラノコからおつりでコツコツ投資を始めた方が、「個別の株式銘柄を保有したい」と証券会社で取引をすることも可能ですし、すでに証券口座を持っている方が、「手間をかけずに積立投資をしたい」とトラノコを使い始めることも考えられます。
証券会社かトラノコか、という二者択一ではなく、両方を組み合わせながら将来に向けた資産形成をしていくのが良いのではないかと思います。
大きく育てられるもの、それが「お金」
―トラノコの今後の展望をお教えください。
現在、金融庁の協力を得て「リアルおつり投資」という実証実験を行っています。
ポケットの中にある小銭を機械に入れると、トラノコの残高にすぐに反映される仕組みです。
実証実験は4月までですが、今後はこの実験で得られた知見を活かして、日々発生するおつりをより手軽に投資に回せる世界観を作っていきたいと考えています。
また、「トラノコEverywhere」をコンセプトに、さらに多くのサービスと連携を広げていきたいと思います。
一人でも多くの方にコツコツ投資を初めてもらえるようにしたいですし、連携先といっしょに新たなサービスを開発していくこともあるかもしれません。
―最後に、バロックさんにとって「お金」とはどのようなものですか？
お金とは、生活にとって必要なもの、将来を作るもの、夢を叶えるものです。
しかし、何よりも重要なのは、お金は育てることができるものだということです。
お金を育てて大きくして、それをうまく使うことによって、より大きなことができると思います。
お金を育てるはじめの一歩になるようなサービスを、トラノコで提供したいと思います。
おすすめ記事
