あなたは趣味をいつまで続けますか?
働き方改革やテレワークの浸透によりプライベートの時間が増えたことで、私の周りには新しく趣味を始めた人や、一度辞めていた趣味を再開する人が増えているように感じます。
こんにちは。ファイナンシャルプランナーで、現在 ソニー生命のライフプランナーとして活動している立川健悟です。
私の趣味のひとつにサッカー観戦がありますが、これは川崎フロンターレの試合を観に行ったとき、中村憲剛選手(当時)を「ケンゴ!」と叫んで応援するサポーターの声が、同じ名前の私を応援してくれているようで嬉しくなり、居心地が良いと感じたことがきっかけです。
それ以来、どんどんサポーター仲間が増える一方で、結婚や出産を機に現地観戦から足が遠のく仲間も見てきました。なかでも「本当は現地観戦に行きたいけれど、経済的な不安から家族に止められてしまう」という仲間には、ファイナンシャルプランナーの知恵を伝えるようにしています。今回は、好きな趣味を長く続けるコツについてお話をさせていただきます。
経済的な不安を見極めよう
サポーター仲間の1人に、教育費をやり繰りする目的で、子どもが高校生になったタイミングで現地観戦を控え、7年後の子どもが大学を卒業したタイミングで現地観戦を再開した人がいます。お金のかかる現地観戦を長期間控えた仲間に、当時のやり繰りの苦労について話を聞いたところ、彼から返ってきた言葉は「資産は順調に増え続けたので、結果的に現地観戦を続けていたとしても、子どもは学校に行くことができて、家族がお金に困ることはなかった」というものでした。
このように、経済的な不安から趣味を控えたものの、結果的には何の問題もなかったという人は少なくありません。自分の大好きな趣味を控える必要がなかったことを数年後に知る人生は、少しもったいないと思っています。そんな状況を避けるためにも、中長期的な家計のシミュレーションは非常に効果的です。ここからはその手順についてご説明します。
趣味が家計に与える影響を知る
まずは、その趣味にいくらかけているのかを把握しましょう。
独身時代から趣味を続けている人は、趣味にかかっている費用を正確に把握できていない傾向にあります。スポーツ観戦であれば「チケット代」「グッズ代」など、草野球やゴルフなどのスポーツ競技であれば「道具」「練習」「大会」など、「食費」や「交通費」などもかかるようであれば、それらを含めてかかるお金についてまとめてみてください。
次に、各年度の家計の収支について把握しましょう。
収入は「毎月振り込まれているお給料」「ボーナス」など、支出は「生活費」「住居費」「学費」など、そしてここに「趣味にかかるお金」を加えます。毎月のおおよその金額を12倍することで、年間の収支を捉えることができます。学費は公立・私立など進路に合わせて金額を設定してみてください。
最後に、現在の資産を把握しましょう。
預金、株、投資信託、つみたてNISA、iDeCoなど、家族の保有している金融資産について、まとめてみてください。
さきほど把握した現在の資産に今年の収支を加えることで、今年度末の資産残高が分かります。以降、前年度末の資産に、次の年の収支を加えていくことで将来の資産の推移を捉えることが出来ます。
ここで将来にわたって潤沢に資産が残るようであれば、自信を持って趣味を続けることができます。もしも、将来に向かって資産が減り続けるなど、家計への影響が大きい場合は、趣味を含め支出の見直しをされることをおススメします。
趣味を長く続けるための資産運用
趣味を長く続けるためには、資産を増やしていく事も重要です。お金の預け先によって将来の資産は大きく変わります。
例)毎月2万円を30年間貯めた場合
銀行:約720万円 [金利0.001%]
投資:約1,200万円 [金利4%]
上記の例であれば、お金の置き場所を変えるだけで、30年後の資産を400万円以上増やすことができます。増えた資産を趣味に使うことができれば、それだけ長く趣味を続けることができます。ご相談いただいた40歳のサポーター仲間に、お金の預け先を変えただけで70歳のタイミングで辞める予定だった趣味が、85歳まで続けられる見通しになった人がいます。今後の趣味を続けられる期間が1.5倍に伸びたことを本当に喜んでいました。
趣味を続けることで「豊かな人生」を
人生100年時代、趣味によりコミュニティが広がることで、その後の人生で新たな出逢いや素敵な想い出が得られます。もしかすると趣味がそのまま仕事になることも。収支について一人で考えることが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーなど、周囲にいる信頼のおける金融アドバイザーの力を借りてみてください。もちろん、ご縁がありましたら私もご相談に乗ります。
あなたが、大好きな趣味にお金を使い、豊かな人生を歩まれることを、心から願っています。