ビジネス書作家で商品開発コンサルタントをしている美崎栄一郎です。キャッシュレスについての本を書いたご縁で、すごいカードで、連載「お金マンダラ」を始めることになりました。
この連載では、お金にまつわる話を色々と話題にしたいと思います。物事の仕組みを探求するのが好きで、歴史好きでもありますので、話がやや脱線気味になるのはご了承ください。
全国にある郵便局がキャッシュレス化へ向けて舵を切りました。切手も葉書も、宅配のゆうぱっくもキャッシュレスでやっと出せるようになりました。一歩先にコンビニでは、現金の代わりに使える電子マネーで、切手が買えましたが、本丸の郵便局では現金のみしか使えませんでした。
その本丸が崩れたことで、現金優勢の時代は終わりそうです。
ATMで現金が引き出せる場所でキャッシュレス化する理由
郵便局では、目の前のATMで現金を引き出すことができます。ですから、現金がなくてモノが買えないということはありませんよね。それなのに、キャッシュレス化する理由はなんでしょう?
その理由のヒントは導入時期と場所にあります。導入開始は2020年、場所は都内の複数箇所、全国では各都市の1箇所の主力郵便局のみでした。
そうです。東京オリンピックに照準を合わせたインバウンド対応です。
全国で1店舗づつの対応なのに、最初から東京だけが多かったのは、そういう理由です。
海外への発送も郵便局の事業の一つです。これで、キャッシュレスで海外への発送需要にも対応できるようになり、諸外国と同様の使い勝手になったのです。
海外では、荷物を送るのも、クレジットカードを使った決済ができるのがほとんどでした。日本の場合だけ、現金のみという古い商慣習に引きづられていたわけですが、この郵便局のキャッシュレス対応で、キャッシュレス社会への移行がかなり進行すると予想されます。
設備投資とキャッシュレス対応の関係
キャッシュレス化すると、お客である私たちにとってみればラッキーです。クレジットカードなどのポイントももらうこともできますし、現金を授受する手間もありません。各都道府県1箇所のみが基本でしたが、2020年の七夕以降、追加でたくさんの郵便局がキャッシュレス対応するようになりました。
キャッシュレス決済を導入している郵便局
日本郵政公式 『郵便窓口におけるキャッシュレス決済』
先日、北鎌倉の小さな郵便局でキャッシュレスで切手を購入しましたが、スマホだけあれば、QRコード決済でもApple PayやGoogle Payでも切手を買えるようになっていました。
近所の郵便局が対応しているとラッキーです。インバウンドの外国人への需要対応に合わせて、都内は多めに対応郵便局ができています。全国の大きめの郵便局、取り扱い数が多い郵便局からキャッシュレス対応のレジが導入されています。設備投資するのにお金が要りますから段階的な導入のようです。ご近所の郵便局が入っているかチェックしてみてください。
生き残るであろうキャッシュレス決済手段はこれ
決済をキャッシュレス化するためには、システムや読み取り機器への設備投資が必要になります。ですから、投資に見合ったモノだけを導入することになります。
クレジットカードはVISA、マスターカード、JCB、アメックス、ダイナーズ、銀聯と主要カードはすべてOK。電子マネーは、WAON、iD,QUICPay、Suicaなどの交通系ICカード。
スマホ決済は、ゆうちょPay、PayPay、d払い、au PAY、LINE Pay、メルペイ、楽天ペイ、Amazon Pay、J-Coin Pay、そして中国系のWeChatペイとアリペイです。
つまり、この決済に入っていないサービスは将来的に生き残る希望が薄いということが示唆されます。今後も淘汰は進むでしょうけど、現在入っていない決済手段は今後も入ることが期待薄でしょう。使える場所も減ると、利用者も減ってしまうからです。
郵便局キャッシュレスの裏技的な使い方
私は、郵便局キャッシュレスを2つの裏技的な使い方をしています。
まず、一つは、利用の先延ばしです。
郵便切手が買えるようになって便利なのは、いったん金塊を買うようなことができるということです。たとえば、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済を何回使うと、次月の割引などの特典が得られるキャンペーンはよくありますが、ほしいモノがない場合に、とりあえず、切手を買っておくという手が使えます。
10円でも100円でも500円でも切手を買っておいて、ゆうパックなどの荷物を送るときに、その切手を使って発送することができますから、現金と同じような使い方ができます。
先に支払いだけしておいて、特典の権利は確保しつつ、実際の利用はあとからいつでも大丈夫ということができますから先延ばしできるわけです。
PayPayだと50回決済すると、翌月の還元率が1%になるようになっていますが、49回で残り1回とか48回で残り2回のようなときに、無駄な買い物をするのではなく、10円切手とか、1円切手のように必要になるであろう切手を買っておくだけで回数は稼げます。
もう一つは、プリペイドカードや電子マネーを残額0にする調整ツールとして使えます。123円とか小額が残ってしまった電子マネーを使い切り廃棄するためです。
切手は1円単位なので、残額に合わせて、残金0円になるように調整するのも簡単です。コンビニやスーパーで使い切ろうとすれば、税金なども考慮して、複雑な計算しなければなりませんし、数十円の少額の商品もそんなにありませんから、使い切るのが難しかったのですが、切手が買えることで便利になりました。
キャッシュレス対応の郵便局は、どんどん増えてくると発表されいますので、みなさまのご近所の郵便局が対応しているのか、ぜひ確認してみてくださいね。