ビジネス書作家で商品開発コンサルタントをしている美崎栄一郎です。キャッシュレスについての本を書いたご縁で、すごいカードで、連載「お金マンダラ」を始めることになりました。
この連載では、お金にまつわる話を色々と話題にしたいと思います。物事の仕組みを探求するのが好きで、歴史好きでもありますので、話がやや脱線気味になるのはご了承ください。
20%還元生活
実は私、この数ヶ月は20%還元生活を送っております。平均すると1,000円使って、200円くらいポイントなどで返ってきています。
たとえば、ドコモのd払いでは、キャンペーンの対象店舗を利用すると10%還元。さらに、他の対象店舗も利用していて、合計で30%分のdポイントが還元されていました。
私は仕組みフェチなので、今回はポイント還元金額が増えている理由に迫ってみたいと思います。なぜ今、ポイント還元金額が増えているのか。
決済サービスの販促費でお得に
先ほどお話したd払いのキャンペーンですが、これは「d払いはこのお店で使えますよ」というお客様教育の一貫です。販促費として投入されているわけですから、最初に利用しないと損です。d払いが浸透したあとでは、この手のキャンペーンは実施されません。つまり、ファーストペンギンだけが利益を得ることができます。
また、キャンペーンの予算は限られるので還元金額には上限があります。販促費だと考えると、上限があるのは当たり前ですよね。
d払いでは「お買物ラリー」というキャンペーン名がついていますが、このキャンペーンの還元上限金額は、一人あたり2,000円です。30%還元なので、6,666円分の買い物までに適用されます。
このキャンペーンだと、新規のお客様を迎え入れることができるので、もしかしたら、店側もキャンペーン費用を一部負担しているのかもしれません。
商品を売るための販促費でお得に
PayPayでは、日用品メーカーの花王と組んで40%還元のキャンペーンをやっています。還元の上限金額は2,000円ですので、5,000円分の購入までが適用となります。ただし、化粧品は対象外で、日用品のみです。
こちらのキャンペーンは販促費をメーカーである花王が負担しているはずです。花王の販促費をPayPayでの購入に限って充当しているわけです。
還元or直接割引はどちらがお得?
キャンペーンはQRコード決済だけではありません。私が持っているアメックスカードでは、ローソンで20%還元、セブンイレブン、イトーヨーカードー、LCCのピーチ航空でも20%還元です。また、インターコンチネンタルホテルを利用したら25%還元のキャンペーンもあります。Go To トラベルキャンペーン中でもありますので、併用もできるはずです。
ただ、アメックスの場合はポイント還元ではなく、請求金額からキャッシュバックされます。私の持っているカードは、アメックス自身のポイントプログラムがないこともありますが、請求金額から20%引かれています。
さて、20%のポイント還元と直接割引。消費者としてはどちらがお得でしょうか?
答えは、アメックスのような直接割引です。最初に使うお金も減りますし、ポイントと違って、使う用途も限定されません。ただ、こういう直接割引のキャンペーンは非常に稀であり、ユーザーの囲い込みができるポイント還元の方が積極的に行われます。
一昔前は、TSUTAYAの運営するTポイントが全盛でした。お店を跨いで貯まって使えるポイントが画期的だったわけです。ですが、他社からも横断的なポイントサービスが出てきて、対応しているお店も増えてきました。
現在はポイントサービスを運営する各社がこぞって、還元キャンペーンを実施しています。
各社が群雄割拠している今は、勝負のためにマーケティング費用が投下されているわけですね。
最後に主なポイントサービスの特徴を簡単にまとめておきます。
➀ dポイント
ドコモのd払いで払うと貯まるポイント。お得なキャンペーンは多いが、事前エントリーが必要なことが多いです。
② Pontaポイント
元々はローソンなどで使われていたポイントサービス。auと提携したことで、auPayを使うと、Pontaポイントが貯まるようになりました。1年間使わない(ポイント加算、ポイント使用)と失効してしまうので、キャンペーンのあとは放置しないようにしましょう。
③ PayPayボーナス
PayPayを使うと貯まるポイントがPayPayボーナスです。キャンペーンなどで付与されるポイント「PayPayボーナスライト」は60日以内に使い切らねばなりません。
④ Tポイント
レンタルビデオチェーンのTSUTAYAが発行した店舗横断の共通ポイントの元祖。Tマネーという電子マネーもありますがあまり普及していません。したがって、Tポイントは貯める、使うに特化したポイントカードになっています。他のポイントサービスとは違い、決済サービス色は強くありません。
最後に、誤解されがちですが、ドコモユーザーでなくてもd払いは使えますし、auユーザーでなくてもauPayは使えて、Pontaポイントも貯められます。ソフトバンクとヤフー連合の決済サービスであるPayPayは、ソフトバンクという名前がついていないので誤解は少ないですが、当然ソフトバンクユーザー以外も使えます。
さぁ、やるならば、今ですよ。
各社、群雄割拠している間に、ね。