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お金マンダラ
【第8回】マイナポイント どこがお得?

ビジネス書作家で商品開発コンサルタントをしている美崎栄一郎です。キャッシュレスについての本を書いたご縁で、すごいカードで、連載「お金マンダラ」を始めることになりました。

この連載では、お金にまつわる話を色々と話題にしたいと思います。物事の仕組みを探求するのが好きで、歴史好きでもありますので、話がやや脱線気味になるのはご了承ください。

マイナポイントとは何?

マイナポイントがもらえるというので、マイナンバーカード を慌てて作りました。というのは、設定したキャッシュレス決済(1つ)で、2万円使うと25%還元、つまり5,000円分戻ってくるという夢のようなキャンペーンだからです。

マイナポイントの設定はクレジットカードでも、電子マネーでもQRコード決済でもOKです。

誰が得するの? ということですが、マイナンバーカードを普及させるために国が予算を出しているわけです。

ポイント付与の予算枠2,000億円です。上限が5,000円ですから、先着枠は4,000万人となります。正直なところ、この予算枠を使い切れるかどうかは未知数だと私は予想しています。

PayPayが発表した数字だと、100万件です。
「マイナポイント事業」における「PayPay」への申込登録数が100万を突破! – プレスリリース

この40倍の人数まで到達できるかどうか。折角もらえるのに、もったいないなぁと思います。

マイナポイントは、税金を使ったマイナンバーカードを普及させるためのキャンペーンです。マイナンバーカードには決済機能はありませんから、還元するポイントは日本で利用できる決済サービス会社に委託して、その決済サービス会社のポイントで国民に還元するわけです。

ですので、マイナポイントはどこの決済サービスで受け取るのかを決めなければならないのです。

マイナンバーカードに対する不信感

5,000円ももらえるのに、やらない人が多い理由は、マイナンバーカードに対する不信感があるからでしょう。個人情報が筒抜けになるんじゃないかということです。

正直なところ、マイナンバーカードだけではなく、運転免許証でも健康保険証でも個人情報は記載されています。健康保険証の代わりにマイナンバーカードは使えるようになっていますし、運転免許免許証とマイナンバーカード を一体化しようという動きも出ています。
管理されるのは嫌だということなのですが、実際にはマイナンバーはすでに日本国民全員に割り振られているわけです。ですから、マイナンバーカードだけ持たなくても小さな抵抗に過ぎません。

マイナポイント どこがお得?

話を本題に戻して、マイナポイントはどこで設定するのがお得なのでしょうか。

一律5,000円の上限金額はどの決済会社を選んでも変わりません。しかし、このチャンスを活かすために各社が「自分の決済サービスを選んでくれたら、ボーナスポイントを出しますよ」というキャンペーンを始めたわけです。

そこで、どこがお得?という議論が湧き上がるようになったわけです。
では、通信系決済サービスで比較してみましょう。

ドコモのd払いでは、2万円チャージすると2,500円分のdポイント、auのauPayでは、2万円チャージすると1,000円分のPontaポイントが付与されます。

ソフトバンク系のPayPayでは、2万円チャージすると、500円から100万円円相当のポイントが抽選で当たります。楽天ペイでは、2万円決済すると500円の楽天スーパーポイントが付与されます。

ただ、PayPayのキャンペーンはもう終了しています。8月31日までのキャンペーンでしたので、このキャンペーンの特典は9月にはもらえません。いろいろと各決済サービスによって、注意事項があるのです。

決済会社は、それだけでなく電子マネーやクレジットカードなどもあります。決済会社の販促費としてのキャンペーンポイントを入手しようと思ったら、ご自身が普段利用する決済会社のHPでキャンペーンのお得度を比較してください。

私の場合は、2019年にキャッシュレス生活を送っていたので、いろんな決済手段を利用していましたので、かなり悩んで時間がかかりました。

電子マネーの楽天Edyは、抽選が5回行われるというキャンペーンでした。1000円以上をチャージすると、1等だと2万円当たります。外れの場合は500万円をエントリーした人で山分けという方式です。

同じ電子マネーでも、イオン系のWAON(ワオン)は、2万円チャージすると2,000円分のポイントが付与されるキャンペーンでした。こちらは確実に2,000円をゲットできます。

セブンイレブン系電子マネーのnanaco(ナナコ)は8月31日までのキャンペーンエントリーで500円付与でした。

申し込み期間が終わっていたりするので、選ぶのも難しいです。

還元額だけでいうとドコモのd払い(2500円)やWAON(2000円)ですが、d払いやWAONを使っていない人は、その口座やカード作りから始めなければならないので面倒でしょう。

抽選方式を選べば、還元額はアップするかもしれませんが、還元額0円になる可能性もあります。

というわけで、どこがお得なのかは時期によって変わります。

マイナポイントと連動して自治体もキャンペーン費用を負担している

実は、自治体もキャンペーン費用を負担しています。徳島県ではマイナポイントに紐づけた決済を使うと、30%還元されます。上限金額は3000円ですが、徳島県内で1万円の買い物をすると、3,000円分還元されるのは大きいですよね。決算サービスの利用で付与されるマイナポイントとは別です。

つまり、徳島県人はマイナポイントの一律上限額5,000円をもらえる上に、その中から1万円使えば、3,000円還元されるのです。加えて、d払いだと2,500円分還元ですから、合計の最大還元額は1万500円になります。WAONだと、2,000円分還元ですから、合計の最大還元額は1万円になります。

自治体単位でのポイントキャンペーンは現時点では徳島県、滋賀県、宇都宮市、三木市、魚津市などで予定されています。ただし、自治体のキャンペーンは決済手段が限られていますので利用する自治体に合わせる必要があります。

というわけで、マイナポイントで一番お得なものを探す場合、「国のキャンペーン(マイナポイント)+決済会社のキャンペーンポイント+自治体のキャンペンポイント(自治体プレミアムポイント)」の3つを考えて選ぶ必要があるのです。

ただ、問題があります。自治体のキャンペーンが自治体主導なのでネットに情報を出すのが下手くそで調べるのが非常に難しいのです。

最後になりましたが、私はどれを選んだのかと申しますと楽天Edyでした。

私の場合は、出張が多いので自治体ポイントに広く対応しているところを選ぶことにしました。徳島県、滋賀県、宇都宮市、魚津市、三木市で合わせると、最大1万3,000円還元されます。

また、実際に使ってみた使用感やお得度などは、この連載でもご紹介したいと思います。

というわけで、今回の問いの答えは、

  1. みなさん自身の使っている決済手段の中から
  2. マイナポイント申請する時期に注意して
  3. キャンペーンのお得度を確実な還元、抽選で増額還元などを選び
  4. 住んでいる自治体や訪問予定の自治体なども考慮して

一番、使い勝手の良いものを選んでください。

PROFILE

美崎栄一郎 (みさきえいいちろう)

ビジネス書著者、講演家、商品開発コンサルタント。
1971年横浜生まれ、大阪育ち。大阪府立大学大学院工学研究科修了後、花王株式会社で約15年勤務。2011年に独立し、現在に至る。
花王時代から社会人向けに勉強会・交流会を主催、著書を執筆。
これまでの著書は『iPadバカ』『キャッシュレス生活、1年やってみた 結局、どうするのが一番いいんですか?』など40冊以上。