ビジネス書作家で商品開発コンサルタントをしている美崎栄一郎です。キャッシュレスについての本を書いたご縁で、すごいカードで、連載「お金マンダラ」を始めることになりました。
この連載では、お金にまつわる話を色々と話題にしたいと思います。物事の仕組みを探求するのが好きで、歴史好きでもありますので、話がやや脱線気味になるのはご了承ください。
ポイ活生活はじめました。
2021年は、ポイ活生活をしてみます。
ポイ活とは、ポイントをお得に貯めたり、使ったりしていく活動のことです。
2018年のPayPayの大還元キャンペーンで始まった日本のキャッシュレス社会化、私自身は2019年は苦労しながらキャッシュレス生活をやったのですが、2020年は全く問題なく、キャッシュレス生活が送れるようになりました。
そのときに感じたのが、ポイント還元という方向に各社舵を切っていることです。
そこで、2021年はポイ活で毎日500円以上稼ぐというポイ活生活を行ってみることにしました。ちなみに、この原稿を書いている1月末時点で、1月のポイ活の成果はざっくりですが、30勝1負。ポイ活合計金額は、4万7,133円でした。
1日500円は意外とやれるようです。
ポイ活生活とキャッシュレス生活の違い
ポイ活生活をやってみてわかったことは、油断をすると負けるということで、キャッシュレス生活とは全く逆でした。
キャッシュレス生活は、お金を使わない・・つまり、全く消費活動をしなければ、現金を使ってしまって、「負け」ということはありませんでした。
2019年はコロナ禍以前ということで、全国各地で講演などをしていたこともあり、移動先や新しく入るお店でのみ、キャッシュレス決済の方法を考えないといけない。その事前リサーチや工夫をゲーム感覚で楽しんでいました。
ですが、2020年になると、世の中のキャッシュレス化が進み、全く問題なくなってしまいました。その状況下で各社ともポイント還元系のマーケティング施策が進んでいることを感じました。
そこで、2021年は縛りと言う意味で、現金ではなく、還元されるポイントで縛ってみようということで、毎日500円分のポイントを稼ぐということにトライしてみることにしました。
で、1ヶ月続けた結果、5万円くらいポイントをゲットできましたが、毎日必ず500円分のポイントとなると、結構大変でした。
というのも、現金を使わない生活だと、じっと家で寝ていていても負けないですけど、ポイントを500円稼ぐとなると、実際に買い物などの行動をおこす必要がありるからです。
実は1敗した日は、あとで良いかと放置しているうちに、100円くらい未達で負けという悔しい結果でした。
ポイント1日500円以上というマイルール
ポイント還元1日500円以上というマイルールを課しました。
たとえば、auPayがやっているキャンペーン(20%還元キャンペーン)であれば、2600円の買い物で、500ポンタポイントがもらえます。とすると、この1回の買い物で目標の500円はクリアです。
コカコーラ社がやっている自動販売機のサービスCoke ONで、過去に行われていたキャンペーンですと、10%~50%還元されていました。150円のペットボトルを買った場合には、15円~75円ということになりますので、この還元額だと目標未達なので、ほかのポイ活と合わせて、500円以上になるまで頑張らないといけません。
ネット通販でもリアルでも、UberEATSのキャンペーンでも何でもOKですが、他人に紹介したアフィリエイト収入は無しにしました。たとえば、モッピーというポイントサービスを紹介すると、もらえるようなポイントは無し。
自分で頑張る系で、500円を稼ぐルールです。私のような著者で知り合いも多いとアフィリエイト系のほうが効率は良いですが、それだとマーケットの状況が分からないし、他人のクリックでポイントを稼ぐのは無しというルールにしました。
①ポイントがあとからもらえる
②商品がもらえる(商品の金額で換算)
③即時に割り引かれる(割引金額を計上)
④マイルのような金額が変動するポイントは妥当な換算率で計上
①は、わかりやすいですが、実際には、②と③もありますので、それは金額として換算しておきます。また、マイルのような価値の変動するポイント④は、妥当な換算率で円扱いしておくことにしました。
なぜポイント還元されるのか?
仕組みフェチな私がなぜ今、ポイ活に注目したかと言いますと、経済活動として、キャッシュレスの次がポイント還元になっているからです。
では、なぜ、ポイント還元されるのかというと、理由は4つあります。
1)売り上げが下がらない
2)値引きより次の消費行動に繋がるから。
3)キャッシュフロー的にも有利
4)次回のマーケティングコストが下がるから
還元されるポイントは、即日から数ヶ月後とマチマチです。ですので、安くなったと思って買い物を促進させる効果がありますが、値引きではありません。売上金額が下がらない という利点があるので、メーカー側も販売店側にもメリットがあります。
で、もらったポイントは、次に使わないと死蔵になりますので、次の消費行動を促します。というわけで、お店側とキャッシュレス決済サービス側にメリットがあります。QRコード決済はまさにこの循環です。クレジットカードのポイントの場合、次に繋がっていないという導線上の問題を抱えています。
キャッシュフローとしても、ポイントは使われる時点で費用として計上されますから、貯まったポイントがいくら保有されていても、企業側は痛くありません。会計上は、負債として計上することになるはずですが、キャッシュフロー上の負担は軽い。
で、そのポイントを使うという目的があるので、お店やサービスに誘客しやすいわけです。と同時に、ポイントカードからアプリに移行させることを頭の良い会社はやっています。たとえば、Tポイントカードを発行しているTSUTAYAは、Tポイントのアプリでキャンペーンを何度もやっています。プラスチックカードを出すより、アプリでバーコードを出したほうがポイントが沢山もらえるようになっています。そうすることで、アプリを入れた人には、次回のキャンペーンなどを通知することができます。
プラスチックのポイントカードではできなかったことがアプリではできるので、マーケティングツールになるのです。今までのポイントサービスは購買データを取得することがメインでしたが、アプリと連動することで、次のマーケティング施策へ活かすことができるようになったのです。
というわけで、どっぷりポイ活に浸かりつつ、各社のお金事情を今後の連載でも明らかにしていきますね。