ビジネス書作家で商品開発コンサルタントをしている美崎栄一郎です。キャッシュレスについての本を書いたご縁で、すごいカードで、連載「お金マンダラ」を始めることになりました。
この連載では、お金にまつわる話を色々と話題にしたいと思います。物事の仕組みを探求するのが好きで、歴史好きでもありますので、話がやや脱線気味になるのはご了承ください。
港区にオフィスを構えて、家賃1,650円
私、美崎栄一郎の会社株式会社a16(エイイチロウと読みます)は、本社をクラウドに移転しました。
全国どこにいても、全世界どこにいても、仕事ができるようになりました。
と言っても、実際には、日本の商習慣上はできません。本店と呼ばれる場所を登記しておく必要があります。そこで、まず行ったのは、登記ができるバーチャルオフィスを探しました。全国いろいろな場所に登記ができるオフィスは増えています。色々機能と価格を比較した結果、レゾナンスという会社の港区のオフィスを契約することにしました。
月額1,650円です。
港区にオフィスを構えて、家賃1,650円は格安です(笑)。まぁ、今まで一度も行ったことがないのですが・・・。
郵便物のクラウド化
住所があるということで郵便物が届きます。クラウド化するときに、面倒だなと思っていたのがリアルな郵便物です。そこで、バーチャルオフィスの契約時に考慮したのが郵便の転送サービスとクラウド化です。
今回契約したバーチャルオフィスでは、週末に1週間分まとめて郵便物を転送してくれるのですが、郵便物が届いた段階で、メールで通知が飛んできます。つまり郵便物がメールで分かるようになりました。と同時に、送り主や種別も記録してくれるので、業務の記録ができます。メールだと履歴を簡単に追えますが、郵便物でもこれができるのはありがたい。
この通知は月額1,650円に含まれています。100通届いても追加料金はありません。まぁ、私の場合、そんなに届くことはないですけど。急ぎであれば、港区にまで郵便物を受け取りに行けば良いのですが、私はまだ一度も行ったことがありません。
溜まった郵便物をまとめて週末に転送してくれます。転送費用は実費で必要ですが、数百円くらいです。重さに応じた郵便料金です。
転送されて届いたあと、自宅のドキュメントスキャナーでpdf化してグーグルドライブに保管します。これで完全にクラウド対応です。
ちなみに、転送先の住所は自由に変えることができますので、宿泊先のホテルなどにしてしまうことも可能です。
固定のオフィスの機能のクラウド化
固定電話の受け答えも、バーチャル秘書サービスでやってもらえます。ですが、そういうサービスを使わなくても今では携帯電話に転送してしまえば、全世界どこへいても電話は受けられます。つまりは、携帯電話が生まれて、すでに電話はクラウド化していました。
会議や商談、打ち合わせ、私の場合は取材などもありますが、すべてオンラインになりました。つまりコロナ禍によって、すべてクラウド化することが許されたわけです。リアルな会食だけはクラウドではできませんが、会食場所はオフィスではありませんから、人と会うという機能は固定したオフィスを必要ありません。
まぁ、残念ながら、会食は、コロナ禍が収まるまでは難しいですけれど。そこで、契約するバーチャルオフィスはコワーキングスペースなどがついていない場所をあえて探しました。
従来のオフィスの機能で必要だったのは、保管スペースです。
書類や機材の保管場所としてオフィスは必要でした。しかし私の場合、2,000冊以上の紙の蔵書もすべて自炊してpdf化しました。紙の本と電子書籍がある場合は電子書籍を選ぶようになったため、電子書籍は3,700冊を超えました。作家という仕事をしていることもあるので、本は商売道具なのですが、よくある風景の書斎に本棚があって壮観に並ぶという風景は、もう撮影できなくなりました。ウェブ会議になればバーチャル背景で設定することはできますが。
ただ、問題は会計書類でした。これは法的に紙の状態で保管することが義務付けられています。
税理士さんにお願いして、領収書などを会計システムに入力して税務署に申告してもらっているわけですが、デジタル化されています。申請も電子申請なのですが、元データの紙の領収書を保管する必要があるのです。というわけで、こちらは、minikura(ミニクラ)という箱単位で、預けております。月額保管料が一箱、275円(税込)です。
領収書のデータはクラウドにあるので、紙の領収書が必要になることは税務調査が入るときだけなのですが、そうなったら、税理士事務所宛に発送してもらえばよいわけです。
このあたりについては、令和4年1月1日施行の法改正(電子帳簿保存法)でさらに効率アップしそうです。
領収書などの書類以外、例えば、備品も同じくミニクラに預けておけば良いのです。倉庫的に使う保管スペースとしてのオフィスもクラウド化することができました。全国どこでも送ってもらえます。講演で必要な販売用の書籍などの備品はミニクラに預けておき、出庫するだけにしておりました。
オフィスの機能では、作業するための机、つまり自席が必要でした。ただ、書類がクラウドに保管されていると、自宅だろうが、滞在先のホテルでも、クラウドにアクセスできるツール(ノートパソコン、タブレット、スマホ)があれば問題ありません。固定した自席は必要なりました。フリーアドレスの会社が増えているのもそういうことです。
というわけで、東京の港区のバーチャルオフィスとなり、本社をクラウド化することができたので、自宅は港の見える港町、神戸に引っ越しました。ということで、形式上は、港町から港区にテレワークすることになりました。
久々に東京を離れて生活してみると、出張で来ていた関西とは雰囲気が違って新しい発見の連続です。また、連載でも色々とご紹介していきたいと思います。