2021年2月1日から発行開始された「三井住友カード(NL)」。
これまでのクレジットカードと言えば表面に16桁の数字と有効期限、名前が印字されているのが特徴的でした。
券面(表面)にそれらの情報が一切ないナンバーレスカードにはどのようなメリットがあるのでしょうか。 また、デメリットにはどのように対処したら良いでしょうか。
このページでは、三井住友カード(NL)のカードの概要、カード発行の審査から実際に使うまでの過程で、これまでのクレジットカードとの違いを説明します。
三井住友カード(NL)とは【概要】
三井住友カード(NL)は、券面(いわゆる表側)に16桁の番号などが書かれていないシンプルなカードです。
これまでの通常のクレジットカードと同様に各種支払い場面で読み取り機に通して使えます。 また、非接触型のタッチ決済も利用できます。
連動型アプリで、クレジットカードの使いすぎや不正利用に備えることもできます。
三井住友カード(NL)【5つのメリット】
ナンバーレス(NL)カードとナンバー記載アリ従来型カードの違いから、ナンバーレス(NL)カードのメリットを説明します。
ナンバーレス(NL)カードのメリットは大きく分けて5つです。
三井住友カード(NL)」のメリットまとめ
①「最短5分で発行!」スピード審査でキャッシングも可能
②「券面に番号がないから安心!」
③「ポイント還元率が驚異の最大5%!」
④「タッチ決済で早く清潔な支払い!」
⑤「入会費・年会費が永年無料!」
メリット①「最短5分で発行!」スピード審査でキャッシングも可能
三井住友カード(NL)は、ネット上の申し込みから最短5分で審査完了します。
カードが届くまで待つ必要もなく、専用アプリ「Vpass」にデジタルカードが発行されます。
ネットショッピングでどうしても欲しいものがある場合、三井住友カード(NL)を発行すればすぐに購入することも可能です。
また、デジタルカードだけではなくリアルのプラスチックカードも後から郵送で届きます。
プラスチックカードがあればATMでキャッシングも可能です。
ここではATMでのキャッシングについて、一般的な操作手順を見ていきましょう。
ATMでの借り入れ方法
1,ATMの画面上に表示されるメニューから「お引き出し」をお選びください。
2,「クレジットカード」を差込口から投入します。ATMによっては、クレジットカードを投入することでメニューが表示されるものもあります。
3,「暗証番号」を入力します。
4,「お借り入れ」を選択します。
5,返済方法を選択します。「1回払い」「リボ払い」など、クレジットカードによって選択できる項目には違いがあります。
6,金額を入力します。(ご利用は1万円単位)
7,クレジットカード、ご利用明細、現金を受け取ります。
クレジットカードは現実の店舗での支払いだけではなく、オンラインショップでの利用や即時決済が求められています。
JCBが発表した「クレジットカードに関する総合調査」2020年度版によると、インターネット上の決済の70%がクレジットカードで行われています。
このようにキャッシュレス化が進む現代に最適化したクレジットカードが、ナンバーレス(NL)カードと言えます。
メリット②「券面に番号がないから安心!」
三井住友カード(NL)の見た目における最大の特徴は、券面、いわゆるクレジットカードの表面にカード番号の記載がないことです。
カード番号の記載がなくなったことでカード決済時に他人による盗み見・不正利用の危険が下がります。
これまで券面と裏面に分かれていたカード番号・有効期限・セキュリティコード・フルネーム・自筆サインが裏面に集約されたことで、オンラインショップ利用時も裏返す必要がなくスムーズです。
デザインがシンプルになり、名前のエンボス加工もなくなったことで、財布がスッキリしますね。
メリット③「ポイント還元率が驚異の最大5%!」
Googleのサジェスト結果にも表れている通り、従来型の三井住友カードは還元率が悪いのではないかと言われててきました。
しかし、三井住友カード(NL)は通常のポイント還元率0.5%から最大5%までポイント還元が大幅アップ!
しかも、最大5%となるのは「セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなど」で「タッチ決済」で支払った場合、と利用頻度が高いのがうれしいポイントです。
いくらポイント還元率が高くても、あまり利用しない店舗や場面だと有効活用できませんよね。
ポイント還元率の点でも、三井住友カード(NL)は普段使いに特化していると言えます。
メリット④「タッチ決済で早く清潔な支払い!」
メリット③で説明した「タッチ決済」とは、正式にはVISAブランドが使用している名称です。
国際ブランドにMaster CardⓇを選択した場合は「astercardⓇコンタクトレス決済」という名称になりますが、どちらも同じ、いわゆる非接触式の決済システムです。
非接触式の決済システムというと耳に馴染みがないかたもいらっしゃるかもしれませんが、駅の自動改札と考えてください。
昔は切符や定期券を改札に挿入していましたが、今は光っている部分にかざすだけで改札を通過できますよね。
それと同じ仕組みを搭載しているのが「Visaのタッチ決済/MastercardⓇコンタクトレス決済」です。
今までのクレジットカードはカードをリーダーに通して磁気データをスキャンする必要がありましたが、最新の非接触式決済ではタッチ決済対応のカードをかざすことで決済が完了します。
駅の改札と同様に自筆のサインや暗証番号の入力も不要なため、非常にスピーディーです。
世界におけるVISAの対面取引(店舗などでの決済)は2020年9月末時点で43%がタッチ決済になったと報じられました。
なかでもオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、スペイン、ハンガリー、ポーランド、チェコ、ルーマニア、スロベニア、ギリシャ、ジョージア、ロシアはタッチ決済比率が90%を超えています。
Visaのタッチ決済について魅力に感じることとして、「現金やカードを手渡さずに済むので、清潔」と回答している人が4割にのぼっており、環境が変化する中での決済方法として、Visaのタッチ決済の特徴が評価されていることがわかります。
上記の2020年12月のVISAが委託したマクロミルの調査によると、スピーディーだけでなく、不特定多数が触る暗証番号の入力キーを使う必要がなく衛生的であることも、タッチ決済が急速に浸透した理由ではないかといわれています。
メリット⑤「入会費・年会費が永年無料!」
三井住友カードは、「学生、在学中かつWeb明細利用」などの条件が適用される期間のみ年会費が無料となることが通常でした。
しかし今回の三井住友カード(NL)は、年齢、明細、リボ払いの利用などにかかわらず、年会費が永年無料!
「三井住友カードは年会費を払う価値やメリットのあるクレジットカードか!?」という論争はたびたびネットメディアを賑わせてきましたが、そんな論争も過去のものになることでしょう。
三井住友カード(NL)【3つのデメリット】
三井住友カード(NL)のデメリットまとめ
①ネットショッピングはVpassアプリが必要
②ショッピング補償が無い
①から順に見ていきましょう。
デメリット①ネットショッピングはVpassアプリが必要
「またアプリが増えるのか…」そんなふうに思いませんでしたか?
しかし、Vpassアプリには「利用通知の確認」「安心利用制限サービス」があり、カードやカードの入った財布だけを無くした場合にカードを一時停止できます。
しかも見つけた場合、すぐに自分自身で制限解除できるのです。
これらのメリットを考えると、これまでカード会社にいちいち依頼しなければいけなかった機能を自分のてのひらで管理できるのはむしろ便利ではないでしょうか。
正直なところ、ネットショッピングの決済は一度入力すると登録されることが多いので、手間ではないかもしれません。
デメリット②ショッピング保険がない
従来型カードでは年間最大100万円までのショッピング補償が付帯しています。
しかし、三井住友カード(NL)も海外旅行傷害保険(最高2000万円)と会員補償制度(紛失盗難届日から60日前までの損害が補償)は付帯しています。
年会費無料のカードは基本的にショッピング保険はないので、デメリットと言うより普通の条件かもしれません。
三井住友カード(NL)の賢い使い方
- 従来型カードとスマホ系電子マネーの中間に
- ゴージャスなステイタスより普段使いで損をしたくない人へ
- 将来的には暮らしのスマート化に対応
従来型カードとスマホ系電子マネーの中間に
現金、従来型カード、ナンバーレス(NL)カード、電子マネーについて、様々なトラブルのシチュエーションを想定してみました。
現金 | 従来型カード | ナンバーレス カード | 電子マネー | |
---|---|---|---|---|
財布を 無くしたら | 使えない | 使えない | 使える | 使える |
スマホの電源が 切れたら | 使える | 使える | 使える | 使えない |
通信障害が 起きたら | 使える | 使えない | 使えない | 使えない |
現在のところナンバーレス(NL)カードは、従来型カードと電子マネーの中間にあり、両方の良いところを結集した決済手段です。
「電子マネーって、スマホの電源切れたら改札出るのも困るんじゃないの?」
「クレカは便利だけど、近頃はカードの手渡しって逆に不安になるんだよね……」
そんな人におすすめできるのがナンバーレス(NL)カードです。
ゴージャスなステイタスより普段使いで損をしたくない人へ
ーー空港の優先レーンで荷物検査が速くなり、出発まで専用ラウンジで過ごす優雅なひととき。
旅先でトラブルに対応してくれる専用デスク、限度額のないショッピング。
……それらに年会費を払うメリットを感じられる人は、いまの日本ではごくわずかでしょう。
「1秒でも早く」「1円でも安く」「1ポイントでも還元を多く」が圧倒的多数の現実です。
クーポンが利用できる牛丼やハンバーガーのために長蛇の列ができる光景は日常で、いまやニュースにもなりません。
それなら、「駅の改札のようにスピーディー」で「コンビニやファストフード店における最大還元率」を体現する、三井住友カード(NL)こそ日常に即していると断言できます。
将来的には暮らしのスマート化に対応
ロンドンなどでは、クレジットカードのタッチ決済で公共交通機関に乗ることができます。
日本でも各スマホの決済機能を定期券と一体化している人は増えてきましたが、まだまだ実物がある従来型カードの安心感を上回るものではありません。
いままさに、2021年4月から12月までVISAのタッチ決済で南海電鉄の改札を通過できるシステムの実証実験をしています。
この実験が進めば、日本も電車用のSuicaやPASMOが不要になると考えられます。
1997年にVISAが社内で発行し利用していた国際ルールブックには、その時点で広く用いられていた従来型のクレジットカードを指す意味で「Physical Card」という言葉が使われていました。
電子マネーもスマートホンも登場していない時代に、プラスチックで作るクレジットカードのことを「Physical=物理的」と認識していることが伺えます。
ナンバーレス(NL)カードのカバー範囲が拡大することにより、今後はますます荷物の少ない暮らしが可能になるでしょう。