HOME  お金とわたし「キャッシュレス時代においては、無知な人が損をする」 一般社団法人 クレジットカード アドバイザー協会®︎瀨川和哉代表理事が見るキャッシュレスの未来

お金とわたし
「キャッシュレス時代においては、無知な人が損をする」 一般社団法人 クレジットカード アドバイザー協会®︎瀨川和哉代表理事が見るキャッシュレスの未来

「キャッシュレス時代においては、無知な人が損をする」
一般社団法人 クレジットカード アドバイザー協会®︎瀨川和哉代表理事が見るキャッシュレスの未来

QRコード決済、デビットカードなど急速に利用者が増えているキャッシュレス決済サービス。

一般社団法人クレジットカードアドバイザー協会は、「全ての人にキャッシュレスの恩恵をもたらす」ことを理念として設立。そして、クレジットカードの使い方について専門的な知識を持つプロフェッショナルを育成していくため、日々活動している。

知っているようで知らない、クレジットカードやそれに付随するポイントの世界。

同協会の瀨川和哉代表理事は、「色々な恩恵があるにも関わらず、無駄にしている人が多い」と指摘する。

瀬川氏に、設立の目的や国内クレジットカードの現状、キャッシュレス化がもたらす恩恵などについて伺った。

クレジットカードアドバイザー協会は、「金融のプロ向けの教育機関」

クレジットカードアドバイザー協会は、「金融のプロ向けの教育機関」

―協会概要についてお教えください

当協会は、クレジットカードの使い方について専門的な知識を持つプロフェッショナル人材を育成するために活動している協会です。

全ての方にクレジットカードやキャッシュレス、ポイント制度などの恩恵がいきわたるようにしたいと考え、5年前に立ち上げました。対象は、主にFP(ファイナンシャルプランナー)の方々です。

フィナンシャルプランナーは金融のプロだと言われますが、キャッシュレスやポイントなどに対する知識が足りていない方も多いです。

当協会の調査では、ファイナンシャルプランナーの約9割の方はポイントを貯めていますが、逆にポイントについて分かっている人は3割にも届きませんでした。

金融のプロでさえこの数字なので、一般の方はよりキャッシュレスやポイントについて分かっていないでしょう。一般の方たちに、よりキャッシュレスやポイントについて知ってもらうためには、知識を持ったプロの存在が肝要です。

我々はそうした知識を持ったプロ人材を育成していくために活動しています。非常にニッチな、プロの方たちに向けた学校機関というイメージです。

―具体的にはどんな活動を行っているのですか?

講演会や「クレジットカードアドバイザー®︎」(一般社団法人クレジットカードアドバイザー協会登録済み商標)という認定資格の運営などを行っています。

全国各地で講演会を行っていて、1回で100~200人位が集まります。去年だけでも延べ2000人を超える方が当協会の講義を受講してくれました。

―講演ではどんなお話をされるのですか?

金融のプロとして、ある程度知っておいた方がいい概念や知識などを教えています。

「ポイントは儲かる」「こうすればポイントで上手くいく」などの怪しい情報商材のようなことを言うのではなく、一般的に金融のプロが持つべき知識などを教えています。

日本人はポイントを貯めることは上手いですが、使うことが下手です。

だから、「ポイントをどのように使い、どのように自分の人生に活かしていくか」という出口戦略にフォーカスしてお話をするようにしています。

―「日本人はポイントを貯めるのは上手いが使うのは下手」とはどういうことなのでしょうか?

日本で年間発行されるポイント数は1兆ポイントを超えましたが、毎年多くのポイントが失効しています。

「100ポイントの更新期限がきました。もうすぐ失効します」というメールが来てもほとんどの方は無視されますよね。こうしたケースがたくさんあります。

ポイントを資産として考えられれば、個人の資産形成に大きなインパクトを与えられます。

日々の積み重ねで、数十年後には大きな資産へと変わるはずです。

「ポイントという資産をどう使うか」が日本ではあまり意識されていません。だからポイントは貯めるが、有効活用できないケースが多いと考えています。

キャッシュレスの時代においては、無知な人が損をする

キャッシュレスの時代においては、無知な人が損をする

―プロにお伺いしたいのですが、プロから見ておすすめのクレジットカードはありますか?

よく聞かれる質問ですね(笑)。

これまで「どのカードがいいか」を答えるようにしていましたが、これを答えても誰のためにもならないことに気づきました。

私が「このクレジットカードがいい」と言っても、それが本当にその人に合っているかどうかは分かりません。

例えば、私は旅行が好きなのでたくさんの航空会社でマイルを貯め、ポイントで合計200回以上は国内・海外旅行に行っています。旅行に関して非常に恩恵を受けています。

しかし、旅行に興味のない人にとっては、旅行に関するポイントを貯めてもメリットはあまりありません。

以上のように、人によって良いカードは異なっていて、これを私たちは「ベストカード®︎」(一般社団法人クレジットカードアドバイザー協会登録済み商標)と呼んでいます。

自分自身で最適なクレジットカードを選ぶことができるのが一番ですが、なかなか難しい部分もあります。 なので、「あなたにとって一番いいカードはこれだよ」と言える金融のプロを増やしていくことで、それぞれの方が最適なクレジットカードを持っている社会にしていきたいと考えています。

―クレジットカードにそこまで興味を持たれたきっかけは?

私自身がクレジットカードの恩恵をたくさん受けてきたからです。

私が26歳の時に、クレジットカードのポイントを使って、九州を旅行したことがあります。

今までお金を出して飛行機に乗っていたのが、マイルを使ってタダで乗れたことに感動したことを覚えています。

そのことをきっかけに、もっと知りたいと感じて色々調べ始めました。

それ以来15年以上にわたって、様々なクレジットカードやキャンペーンの比較、マイレージのシステムの研究などを行ってきました。

―協会のHPには、「キャッシュレスの時代が来る。それは、無知の人が損をする時代。」というフレーズが書かれていました。こちらについて詳しく伺ってもよろしいですか?

現金だけで支払いをしている人と、クレジットカードなどを使って賢くポイントも活用している人では大きな差がつくことがイメージできると思います。

例えば、月に400ポイント貯まる人がいるとして、3年で約1万5千ポイント貯まることになります。これは1万5千円得したことになりますよね。

でも、マイルであれば、このポイントで東京沖縄間のチケットを購入することができます。東京沖縄間はだいだい7万円くらい。1万5千ポイントが7万円くらいのチケットに化けるわけです。

どちらが得かは一目瞭然ですよね。ポイントについて少し知っているだけで、得ができるわけです。

別の例でも考えてみましょう。

例えば、年収400万円の人が年間で150万円分の支払いをしているとします。

それを10年続ければ1500万円分、 20年では3000万円分の支払いをすることになります。

ポイントをしっかり貯めておけば、20年で10か所以上旅行に行けますよ。現金でしか支払いをしていなければ、旅行に1回も行くことができません。

以上のように考えると、キャッシュレスの時代においては、無知な人ほど損をする時代だと言えるかと思います。

今後、現金とポイントの垣根は無くなっていき、全てがお金としてカウントされるようになる

今後、現金とポイントの垣根は無くなっていき、全てがお金としてカウントされるようになる

―「キャッシュレス時代」というお話になりましたが、様々な点で変化の時代を迎えています。お金は今後どのように変わっていくのでしょうか?

これまでの現金を中心としたお金の価値観は変化していくでしょう。

これまでは、現金は現金、仮想通貨は仮想通貨、ポイントはポイントとして分けて考えられてきました。しかし、現在ではポイントもお金として使えるようになってきています。

これからの時代は、お金は数字の1つとして認識され、「その発行元がどこなのか」という違いだけになっていくのではないかと考えています。

ポイントと現金の垣根・ボーダーが消えて無くなっていき、お金という概念が、日本政府の発行する円だけでなく、○○ポイントといったポイントも全てお金としてカウントされるようになっていくでしょう。

―協会の今後の展望や目標についてお教えください

まず、「現金よりクレジットカードの方が安全で便利」という考え方を広めていきたいです。

現金を落としたら帰ってこないことの方が多いですが、カード落としたら返ってくることが多い。また、クレジットカードに制限をかければ、制限以上使うことはできません。

「現金よりもクレジットカードの方が、安心安全で、ポイントもつくので便利だ」という考え方を多くの人たちに伝えていきたいと考えています。

第二フェーズとして、「クレジットカードのポイントの使い方」について広めていきます。貯めているだけでなくきちんとポイントを使い、多くの方に旅行や割引などの恩恵を受けていただきたいです。

当協会の理念になっている「全ての人にキャッシュレスの恩恵を受けてもらう」ことの実現を目指していきます。そして、最後の第三フェーズとして、「キャッシュレスを楽しんでもらいたい」と思っています。

第二フェーズまで来た人は、「もっといいクレジットカードがあるのではないか」「クレジットカードを使いこなしたい」となる人が多いので、キャッシュレスを楽しんでいると言えます。

この第三フェーズに多くの方に到達してもらうため、金融のプロたちと協力しながら、今後も活動していきます。

一般社団法人クレジットカードアドバイザー協会®︎の公式HPはこちら