2017年のお正月、私の人生は一変しました。
夫に、420万円の借金があることが発覚。
子どものお年玉や給食費も借金の返済に充てられて、夫の口座には700円しかありませんでした。
私が欠かさずつけていた家計簿上では、700万円の貯金があるはずなのに…。
この記事では、夫の借金問題に見舞われた私が、家族のあり方を考えた末に見つけた、お金との向き合い方をお話します。
「お金」と「わたし」は、夫の借金で変わった
当時、結婚して13年。夫婦仲は、いいほうだと思っていました。
夫とは会話もあるし、家事・育児にも協力的で、私にはもったいないくらいの人だと。
お互い、年収は高いとは言えないものの、ときには無駄遣いしたり、家族旅行したり、ささやかな贅沢を味わいながら暮らしていけるだろう。
なんとなく、そう思っていたところに、衝撃の事実発覚。
なんと、8年も前から借金を隠していたのです。
夫の口座は、借りて、返して…の自転車操業状態。
我が家は結婚してからずっと共働きで、夫婦別会計だったので、全く気づきませんでした。
夫の借金で、くるんとひっくり返った、私の日常
夫の借金が分かって、一番つらかったのは、思い出の色がガラリと変わってしまったこと。
例えば、旅行の写真を見返して「このときの夫は、笑顔の裏で、私に借金を隠していたんだな…」と考えてしまう。
夫からのプレゼントのアクセサリーも、「これを買ったお金も、借金から出ていたのかな…」と思うと素直に喜べない。
5年前に所有していた車を売ったのも、借金返済にあてるためだったと、今更知りました。
毎月、一生懸命金額を合わせていた家計簿が、全部ウソだったことも。
こうして挙げてみると分かるのが、実は、お金そのものは本質的な痛みではなかったということ。
お金よりも、その周りにある思い出や、感情が変わってしまったことのほうが、何倍も深く私を傷つけたのです。
お金について学ぶことで、自分の甘さを知った
最初は、夫に騙された気持ちでいっぱいでした。
毎日泣いて、後悔して、「夫が全面的に悪い」と「私にも気づかなかった非があるのではないか」の両方を、行ったり来たりして不安定な日々。
夫に使い込まれた、子ども名義の貯金の残高を見ては、情けなくて涙が出る…。
私に問い詰められても、ギリギリまで借金を隠し通そうとして、怒鳴ったり言い逃れをしていた夫。
そのときの会話を思い返すと、今でも眠れないくらい心がざわつきます。
穏やかな人だと思っていたのに…。今まで見たこともない夫の姿に、何かがガラガラと崩れていきました。
自分が一緒に生きてきた時間、見てきたものは、何だったんだろう?
ですが、お金について徹底的に学んだとき、気がついたんです。
私もまた、お金にちゃんと向き合ってこなかったんだと。
徹底的な家計改善が、自信になり、私の心を強くした
夫の借金は、月々の返済額のうち半分以上が利子で、元本がちっとも減っていかないので、任意整理をしました。
そして、家計を見直して、今まで何気なく使っていたお金を洗い出し、無駄を省いていきました。
- スマホは大手キャリアから格安SIMに変更
- 電力会社は数社比較して一番安いところに
- 医療保険を見直して、最低限の保障のものに切り替え
- ふるさと納税で住民税を軽減、お礼品でオトクに
- クレジットカードでマイルを貯める、陸マイラー活動
- 自分のお給料の一部で積立投資をスタート
- 確定拠出年金で老後の資産づくり
- ブログ運営で副業収入をゲット
任意整理にしても、格安SIMやふるさと納税も、全く知識がなく、今までスルーしてきた情報ばかり。
たくさん検索したり、本を読んだり、とにかくがむしゃらにチャレンジしていきました。
夫の借金のような、理不尽な出来事で、私の人生が揺るがされるのは、納得いかなかったんです。
夫のことは許せないけれど、夫に対して甘えていた自分も許せなくて。
だから、徹底的に知識を得て、自分の力でのし上がってやる、と決めました。
お金に向き合ったからこそ、自分の甘さに気づいた
家計改善の中で気がついたのは、「私、今までお金に無頓着だったんだな」ということ。
それまでは、私なりにちゃんと家計簿をつけて、考えているつもりだったけれど、きちんと振り返ることはありませんでした。
貯金もしていた「つもり」だけで、ろくに銀行通帳を見ていなかったし…。
知れば知るほど、新しい発見があり、「今まで何をやってたんだろう?」と思い知らされることだらけ。
甘えを捨ててお金に向き合えば、家計が変わっていくので、やりがいや達成感があります。
そのうち、夫への怒りや恨みはどうでもよくなりました。(許したわけではありませんけどね!)
借金発覚当初は、離婚も視野に入れていましたが、家族のあり方を見つめ直して、もう一度やり直すことに。
そもそも、お金のことさえ問題なければ、私たちは幸せだったはず。
建設的な道を選ぶことができたのは、お金の知識があったおかげです。
お金に向き合えば、自分の力で人生が変えられる
夫の借金発覚から、約2年が経過しました。
私にとっては、家族のあり方、お金との向き合い方を変える2年間でした。
不思議なことに、夫に対して怒り、悲しんでいたときより、お金の知識を得てからのほうが、心が落ち着いています。
時間が傷を癒やしてくれた面もありますが、きっと、それだけではありません。
お金と向き合うことは、自分の人生を生きること。
私は、夫がいてもいなくても、自分の人生を楽しめるし、欲しいものは自分で手に入れられます。
だけど、夫とともに借金を返済しながら生きる道を選びました。
もちろん、再び借金を作られないように、厳重に注意して監視しながらですけどね。