おまとめローンってよく分からないですよね。
おまとめローンとは、複数の借金を1つにまとめるものですが、その仕組みや利用方法など結局どうなっているのかがいまいち掴みにくいですよね。
そこで今回は、おまとめローンの基本はもちろん、仕組みや実際に利用する際の流れ、メリットやデメリットについてお話ししていきます。
1.おまとめローンとは
1-1.おまとめローンの仕組み
1-2.2つのおまとめローンの選び方
2.おまとめローンのメリット
3.おまとめローンの3つのデメリット
デメリット1.借金の総返済額が多くなる可能性がある
デメリット2.第三者を巻き込む可能性がある
デメリット3.審査が厳しい
4.おまとめローンを利用するまでの3ステップ
ステップ1.現在の借金の状態を明確にする
ステップ2.おまとめローンを選ぶ
ステップ3.おまとめローンに変更する
5.まとめ
1.おまとめローンとは
おまとめローンとは、2社以上の銀行や消費者金融からお金を借りている場合に、それらの借金を1社にまとめるローンの事になります。
そのため、以前は借金の一本化と言っていたようですが、最近ではおまとめローンの方が、一般的な呼び方になっています。
まずは、以下の2つの点から、おまとめローンについてお話ししていきます。
- おまとめローンの仕組み
- おまとめローンの組み方
1-1.おまとめローンの仕組み
おまとめローンとは、借入先が2社以上ある人が、借入先を1社に切り替えることになります。
これは今まで借りていた会社でも可能ですが、基本的には今までよりも年利が安い銀行や消費者金融でお金を借り直すことになります。
個の借り換えの流れと、支払いの変化を簡単に図にしたので参考にしてみてください。
⓪A,B,Cの3社から年利18%で30万円づつ借金をしていた場合、図のように3社にそれぞれ借金を返済していきます。
この時の返済の内訳は表のようになります。
会社名 | A社 | B社 | C社 | 合計 |
年利 | 18% | 18% | 18% | × |
返済額 | 12,000円 | 12,000円 | 12,000円 | 36,000円 |
1か月目利息 | 4,500円 | 4,500円 | 4,500円 | 13,500円 |
1か月目残金 | 292,500円 | 292,500円 | 292,500円 | 877,500円 |
・・・・ | ・・・・ | ・・・・ | ・・・・ | ・・・・ |
32か月目完済 | 完済 | 完済 | 完済 | 完済 |
総利息 | 78,817円 | 78,817円 | 78,817円 | 236,451円 |
総支払額 | 378,817円 | 378,817円 | 378,817円 | 1,136,451円 |
① 年利12%のD社でおまとめローンを組めることになり、D社から90万円を借りる
② D社から借りた90万円で、A,B,C社の借金を全額返済する
③ D社に対して借金を返済していく
この時の返済の内訳は次のようになります。
会社名 | D社 |
年利 | 12% |
返済額 | 36,000円 |
1か月目利息 | 9,000円 |
1か月目残金 | 873,000円 |
・・・・ | ・・・・ |
29か月目完済 | 完済 |
総利息 | 140,822円 |
総支払額 | 1,040,822円 |
以上が、おまとめローンの仕組みになります。
おまとめローンは、このようにして借金の返済を楽にしていきます。
1-2.おまとめローンの2つの組方
おまとめローンには、次の2つの組方があります。
- おまとめローン専用のローンを組む
- カードローンのような使い道自由なローンでおまとめローンを組む
ただ、審査基準や年利に一定の違いはなく、どちらの方がお得ということはありません。
ここで押さえておきたいことは、有名な銀行や消費者金融であれば、おまとめローンという商品がなくても、おまとめをすることは出来るという事になります。
1.おまとめローン専用のローンを組む
おまとめローンは、基本的におまとめローン専用のローンを組むことで行います。
銀行や消費者金融では、おまとめローン専用のプランを用意していることが多く、そのプランを利用しておまとめローンを行います。
ただこの場合、おまとめローン専用のプランのため新たな借入は出来なくなります。
その為、借金を2度としたくない場合は、こちらの方が良いかもしれません。
2.使い道自由なローンでおまとめローンを組む
カードローンのように、使い道自由なローンではおまとめローンも可能としているものが多くあります。
例えば、次の2つの会社はおまとめローンという商品がなく、おまとめにも使えますという表記もありませんが、普通におまとめローンとして使う事が出来ます。
- SMBCモビット
- 三菱東京UFJ銀行
そのため、普通のカードローンのように、返済しながら新たな借入ができる可能性もあります。
2.おまとめローンのメリット
おまとめローンのメリットは、返済先が1つになり、月々の返済が楽になるという事です。
これまで、借入先が1つになる事で、借金の総額や月々の返済額を把握しておけるので、心身にかかる負担がとても小さくなり、計画的に借金を返済していけます。
3.おまとめローンの3つのデメリット
おまとめローンには、主に次の3つのデメリットがあります。
- デメリット1.借金の総返済額が多くなる可能性がある
- デメリット2.第三者を巻き込む可能性がある
- デメリット3.審査が厳しい
デメリット1.借金の総返済額が多くなる可能性がある
おまとめローンを利用して、年利や月々の返済額が減ったとしても、最終的に支払う借金の総額が多くなってしまう可能性があります。
借金の返済額を少なくすることで、借金の返済期間が延びてしまい、結果的におまとめ前より損をしてしまう可能性があります。
100万円を返済する場合
- 年利18%で3年かけて返済する場合の支払総額は、1,301,468円
- 年利12%で5年かけて返済する場合の支払総額は、1,334,635円
このようになり、年利がある程度下がっても、返済期間が長引いてしまうと、以前より損をしてしまう可能性が高くなります。
デメリット2.第三者を巻き込む可能性がある
おまとめローンの中には、担保や保証人が必要なものがあります。
そのため、そういったローンで借金を返済する場合は、保証人になってくれる人が必要となり、自分だけの問題ではなくなってしまいます。
デメリット3.審査が厳しい
おまとめローンは、すでに数十万以上の借金を背負っている人が利用します。
そのため、自己破産などのリスクも高くなるため、通常よりも審査が厳しくなってしまいます。
4.おまとめローンを利用するまでの3ステップ
おまとめローンを利用するためには、次の3つのステップを踏む必要があります。
- ステップ1.現在の借金の状態を明確にする
- ステップ2.おまとめローンを選ぶ
- ステップ3.おまとめローンに変更する
ステップ1.現在の借金の状態を明確にする
現在の借金の状態を明確にすることで、おまとめローンにすることがお得かどうかが分かります。
つまり、借金の状態によっては、おまとめローンにすることで損をしてしまうケースがあります。
そのため、自分の借金の状態をしっかりと把握することで、おまとめローンによって損をする可能性を防ぐことが出来ます。
借金の状態は次の2つのポイントを明確にすることによって、把握することが出来ます。
- ポイント1.借金をしている期間
- ポイント2.借入先ごとの借金の総額と年利
ポイント1.いつから借金をしているか
借金の過払い金という言葉を1度は耳にしたことがあると思いますが、この過払い金がある場合、おまとめローンにしない方がお得になる可能性があります。
その為、2010年6月17日以前からお金を借りている場合は、過払い金がある可能性がある為、過払い金について調べる必要があります。
ポイント2.借入先ごとの借金の総額と年利
借入先ごとに借入額も年利も違ってくる為、それらを明確にする必要があります。それらが明確になれば、いつまでに借金を完済し終わって、総額でいくら払うかが簡単に計算出来ます。
それらを計算すると、おまとめローンにした方が得かどうかが分かります。
返済総額は、シミュレーションツールを使うと簡単に調べる事が出来ます。検索すれば色々と出て来ますが、参考までに1つ載せておきます。
返済シミュレーションツール
「借金返済からの脱出」
ステップ2.おまとめローンを選ぶ
現在の借金の状態が分かったところで、おまとめローンを選ぶことになります。次の2点を満たしているおまとめローンを選ぶことがポイントになります。
- 1点目.お借入可能額の範囲内である
- 2点目.毎月の返済額と返済総額の両方が安くなる
1点目.お借入可能額の範囲内である
お借入可能額とは、おまとめローンやカードローンが貸し出す限度額の事になります。おまとめローンの場合、総量規制は関係なくなるので、総量規制は問題ではなく、あくまでそれぞれのローンが対応している限度額となります。
総量規制とは、年収の3分の1までしかお金を貸してはいけないという法律になります。ただし、お金を借りた人がお得になる場合は、総量規制の対象外となります。そのため、おまとめローンを利用する場合は、この規制の対象外となります。
2点目.毎月の返済額と返済総額両方を安くなる
おまとめをすることで、通常月々の返済は楽になります。
しかし、月々の返済が楽になった分、借金の返済期間が延び、最終的に支払う返済総額が多くなるという事は少なくありません。
その為、事前にしっかり計算し、おまとめする前よりも支払総額が安くなり、月々の支払額が安くなるおまとめローンを選ぶ必要があります。
ステップ3.おまとめローンに変更する
自分に合ったおまとめローンが見つかれば、あとはおまとめローンを申し込むだけとなります。その際、審査がありますので、その審査に通ればおまとめローンを組むことができます。
無事おまとめローンを組めた場合は、先ほど図で説明したように、1度おまとめ先から借金の総額を借りて借金を返済します。そのあと、おまとめ先に対して、借金を返済していくことになります。
5.まとめ
それでは最後に、この記事のまとめを箇条書きにしていきます。
- おまとめローンは、借金の借入先を1つにすることである
- 今借りている借金の総額を借りて返済することで、借入先を1つにする
- おまとめローンで、全ての人が得をするわけではない
- おまとめローンは借入先を1つに出来、借金の返済が計画的に出来る
- おまとめローンは、他人を巻き込む可能性がある