債務整理について調べてみて、初めて個人再生という言葉を耳にする人も数多くいると思います。
実際、個人再生ってよくわかりませんよね。
個人再生とは、2001年にできた制度であり、まだまだその認知度は高くありません。
そこで今回は、個人再生について1からその仕組みや特徴についてお話ししていきます。
1.個人再生とは
2.個人再生の特徴
特徴1.借金の総額を5分の1(もしくは100万円)にすることができる
特徴2.住宅を手放す必要はない
特徴3.裁判所を通す債務整理となるため官報に載る
3.個人再生のメリット
4.個人再生のデメリット
5.個人再生をするための2つの条件
6.個人再生の費用
専門家に支払う費用
裁判所に支払う費用
雑費
7.個人再生の方法
8.まとめ
1.個人再生とは
個人再生とは、裁判所を通して借金の大幅な減額をするものになります。
そのため、基本的に借金の総額が5分の1になり、その借金を3年かけて返済していくことになります。
ただし、借金の総額が5000万円以下でないと利用することが出来ず、個人再生後の残高に見合った収入が求められます。
2.個人再生の特徴
個人再生では、大きく次の3つの特徴があります。
- 特徴1.借金の総額を大幅に減らすことが出来る
- 特徴2.住宅を手放す必要はない
- 特徴3.裁判所を通す債務整理となるため官報に載る
それぞれ細かく見ていきます。
特徴1.借金の総額を大幅に減らすことができる
個人再生は、借金の総額を大きく減らすことを目的としているため、借金の総額をおよそ5分の1にすることが出来ます。
しかし、借金を5分の1にした結果、借金の総額が100万円を切ることになれば、借金の総額は100万円になります。
つまり、個人再生では最低でも100万円の借金を3年かけて返していくことになります。
例)
借金の総額が1,000万円の場合、個人再生によって借金の総額が5分の1になるため、借金の総額が200万円になります。
しかし、借金の総額が300万円の場合、借金の総額の5分の1は60万円となり、100万円を下回ってしまいます。
その場合は、個人再生を行っても100万円の借金を返済していくことになります。
また、借金の総額が1500万円を超える借金の場合、減額の割合も大きく変わります。
具体的には次のようになります。
- 借金の総額が1500万円から3000万円の場合は300万円。
- 3000万円以上ある場合は、10分の1にすることが出来ます。
特徴2.住宅を手放す必要はない
個人再生は、家を手放したくない人のために作られた制度でもあるため、例えローンの支払い中であっても、家を手放すことなく住宅ローン以外の借金の総額を減らすことができます。
しかし、それ以外の部分の財産は没収される恐れがあるため、注意が必要となります。
特徴3.裁判所を通す債務整理となるため官報に載る
個人再生では、借金を大幅に減額できる代わりに、官報に載るというデメリットがあります。
もちろん、官報はほとんどの人が見ないため、友人や家族に知られることはほとんどないですが、万が一見られた場合は、個人再生を行った事実を知られてしまう事となります。
3.個人再生のメリット
個人再生には、主に次の4つのメリットがあります。
- 借金を大幅に減額出来る(もっとも少なくなって100万円)
- 家を手放す必要がない
- 資格制限がない
- 借金の原因は関係ない(初めから個人再生をするつもりで借金した場合は別)
個人再生は、あくまで借金の返済が前提となるため、自己破産のように借金の返済義務がなくなることはありません。
その分、資格制限などはかからないので、ブラックリストと官報に載る以外で、生活に支障をきたすこともありません。
4.個人再生のデメリット
個人再生のデメリットは、主に次の4つになります。
- 官報に載る
- 借金の返済義務が残る(通常3年で返済する必要がある)
- ブラックリストに載る
- それなりの費用が掛かる
個人再生のもっとも大きなデメリットは、官報に載ってしまう事が挙げられます。
官報はほとんどの人が見ないものですが、万が一見られたら個人再生を利用したことがばれてしまうというリスクは、かなり大きいと言えます。
5.個人再生をするための2つの条件
個人再生を利用するためには、次の2つの条件があります。
- 将来的に安定した収入が見込める事(借金を返済する必要があるため)
- 借金の総額が5,000万円以下である事
この2つの条件を満たしていれば、個人再生を利用することは可能です。
6.個人再生に掛かる3つの費用
個人再生では、大きく次の3つの費用が掛かります。
- 費用1.弁護士や司法書士など、専門家に支払う費用
- 費用2.裁判所を利用するため、裁判所に支払う費用
- 費用3.雑費
大まかにですが、それぞれの内訳は次のようになります。
費用1.専門家に支払う費用
司法書士か弁護士によっても変わってきますが、20~50万円程掛かります。
司法書士にお願いした方が費用は安くなりますが、司法書士には代理権がないため、自分で裁判所に行く必要があります。
弁護士は費用が高い分、全てを完全に任せる事ができます。
この部分の費用は、基本的に6か月を目処に分割で支払える事務所も多いです。
費用2.裁判所に支払う費用
2,5万円~25万円ほど掛かります。
具体的な金額は裁判所によって異なります。
専門家に依頼する場合は、この部分のお金は大幅に減額されますが、それも裁判所によって異なります。
費用3.雑費
個人再生に必要な書類などで、2~3万円ほど掛かります。
7.個人再生の方法
個人再生は個人でも行えますが、法的な専門知識などが必要となるため、基本的には専門家に任せて行います。
専門家に個人再生の手続きを依頼すれば、あとは費用を支払ったり、裁判所に収めるお金を準備したりするだけで、個人再生を行う事が出来ます。
8.まとめ
最後に、今回の記事のまとめを行っていきます。
- 個人再生は借金を大幅に減額出来る
- 個人再生では借金の返済義務は残る
- 個人再生を利用すると官報に載る
- 総額5000万円以下で、安定した収入がなければ利用出来ない